風が吼え、雨が舞う、立山・一の越山荘

 

浄土山頂の雷鳥親子

 

 8月31日(大荒れ)

今年のMMC夏山登山は残念ながら日本列島を東西に横切る前線につかまってしまった。風が吼え雨が舞う。立山三山を縦走し剣山荘へ向かう予定をあっさり諦め一の越山荘に停滞である。一の越がいくら風の通り道とはいえ台風並みの風が吹き抜けていく。まともに立っていられず風上に向かって前傾姿勢をとらないと吹き飛ばされそうになる。

昨日は扇沢からアルペンルートをトローリーバス、ケーブルカー、ロープウエイ、電気バスと乗り継いで室堂にやってきた。12年振りである。剣岳が別山乗越しの向こうに僅かに覗け、別山から雄山、浄土山のいわゆる立山三山もその雄姿を現していた。ビールで軽く乾杯をし昼食を済ませたあと浄土山山頂へと進む登山道の脇で雷鳥の親子5羽が愛らしい体型を現す。この後、浄土山山頂でも雷鳥の親子5羽と出会う。僅か1時間半の間に2回も雷鳥に巡り合えラッキーなスタートであった。ラッキーなのはそこまでで昨晩から低気圧が日本海に居座り台風並みの状況に入っていったのである。

浄土山から一の越に向かう従走路

 物凄い勢いで雨が山荘にぶつかり、風はうなり声をあげ山荘を揺らす。屋根が風に剥がされ持って行かれてしまうのではないかと心配になるような状態が一晩中続いた。天候の回復は見込まれずやむなく撤収することに決め、剣山荘、雷鳥荘の宿泊予約をキャンセルし再びアルペンルートを扇沢へと引き返した今年の山行だった。

一の越から室堂に雪渓上を下る

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