白いヘルメット
白いヘルメットをかぶって
先週に引き続き、2月7日〜10日までの3泊4日の日程で尾瀬岩鞍スキー場に遊んだ。今回は移動距離、滑走距離、最高スピードが記録される
『冬山 』という無料アプリケーションソフトをスマホにダウンロードして使ってみた。
2月8日 木曜日 晴れ
8時45分のゴンドラに乗り、1回目の休憩を取った10時20分までの1時間半をノンストップで滑った。滑ったのは、ミルキーウェイ、ナナカマド、とちの木、女子国体、チャンピオンの各コースで、スタートからの移動距離は17.9km、ゴンドラは2回、リフトは5回乗車し、出会ったカモシカは6頭だった。
ゴンドラで山頂駅に向かう
「お祭り広場」で休んでいると仲間の4人がやってきた。今回のスキーツアーの参加者は11名と大人数である。私と相棒のふたりは前日からロッヂに宿泊しているが、仲間たちは今朝集合でやってきたのだった。お祭り広場では食堂だけでなく、スキー靴、板、ストックのレンタルを行っており、仲間はそれぞれが借りる手続きを取っていた。私たちふたりは30分ほど休憩して2回目の滑走に出た。
距離1050mのチャンピオンコースの入り口
チャンピオンコースが12時から13時の1時間は雪上車による圧雪が入り、滑走がストップされてしまうため、2回目のスタートは距離1050mのチャンピオンコースからだった。クアッドリフトからロマンスリフトに乗り換え、チャンピオンコースを2度滑り降りてからゴンドラで山頂に向かった。
7頭のカモシカに出会った
ゴンドラでカモシカを探しながら10分間の空中散歩を楽しんでいると、1回目に見た場所で2頭が確認できた。また、新たな場所に暖かい日差しを浴びながら雪の上でのんびりと寝そべっている姿を見ることができた。今回のカモシカとの出会いは7頭となった。1週間前には1頭も見ることができなかったが、春のような暖かさに浮かれ出したのか、今日は次々とカモシカに出会うことができたのでビックリだった。
アフタースキーは、まずは大ジョッキで乾杯
2回目を滑り終わってお祭り広場に戻ったのは12時40分だった。これで1日目の予定は終わりだった。『冬山』ソフトを確認すると、1日目の移動距離は34.9km、滑走距離は23.2km、ゴンドラ乗車は3回、リフトは10回、最大速度は56.5km/hだった。あとはアフタースキーでビールや酒が待っていた。仲間の4人はすでに食事中だったので、隣のテーブルに座った。まずは生ビールの大ジョッキで乾杯だった。つまみは湯豆腐、水餃子、コロッケ、それに漬け物が3種類だった。ビールが勢いよく喉を落ちていった。
宿で騒ぐ酔っ払いオジサン
スキー場から14時の迎えのバスに乗り宿に帰り、温泉を浴びたあとはいつものように宴会が始まった。宴会の途中で仲間も帰ってきた。今回のツアーを企画した中島から「ヘルメットを新しく買い換えたので、誰か前のヘルメットを使いませんか?」という提案があった。すぐに手を上げて被ってみるとぴったりだった。私がそのヘルメットをもらうことになった。白いヘルメットはスキージャンパーの高梨沙羅ちゃんを思いだした。明日からこのヘルメットを被っておもいっきり滑ろう。
尾瀬岩鞍スキー場開設50周年記念・広瀬香美スペシャルライブ
2月9日 金曜日 晴れ
尾瀬岩鞍スキー場は今年で開設50周年を迎えた。その記念イベントとして2月25日に広瀬香美のスペシャルライブが企画されている。そのポスターがゴンドラ山麓駅のチケット売り場に掲示されていた。広瀬香美は今では甲類焼酎のCMに出ているが、20数年前の絶頂期には『ロマンスの神様』『ゲレンデがとけるほど恋したい』などの曲が流れ、今でも冬のゲレンデの女王としてBGMが流れている。
平日のゴンドラ山麓駅は閑散としている
8時30分のバスに乗った。5分後にはゲレンデである。いつものように朝の1本目はゴンドラに乗り、山頂からミルキーウェイをノンストップで滑った。ゲレンデは圧雪されているとはいえ、気温が氷点下のためにバリバリに凍っており、太ももが悲鳴を上げているのが分かった。山麓駅から再びコンドラに乗り西山のナナカマドコース、とちの木コースを滑り、山頂に戻って女子国体コースを滑ったあとチャンピオンに向かった。チャンピオンコースも綺麗に圧雪されており、一気に滑り降りて「お祭り広場」で休憩である。昨日と同じコースの移動だった。一旦休憩後に2本目のスタートとなった。
吉野、還暦おめでとう
チャンピオンコースを2本滑り、ゴンドラ山麓駅に向かう途中でお祭り広場を通ると、遅れてきた仲間が外テーブルで休憩していた。吉野は昨年還暦を迎えたので、今回は赤いTシャツと高級日本酒をプレゼントされ、目尻が心なしか下がっていた。吉野、還暦おめでとう。全員集合の記念写真を撮った。今回参加したのは、原、吉野、古橋、三井、山本、中島夫妻、藤田、佐久間、秋山、岩井の11人で、徹夜明けで一睡もしないで参加したもの、翌日は子どもの運動会のために早朝に帰宅したもの、ロッジに1泊、2泊、3泊とそれぞれが仕事を調整しながら、今回のツアーに参加している気が置けない仲間たちである。
気が置けない仲間たち
空は真っ青に晴れている。ゴンドラに乗り山頂に向かった。昨日は7頭のカモシカを見たが、今日は全く姿を見ることがなかった。山頂駅から見える上州武尊山は雲が飛んで素晴らしい景色となった。左に目を移すと富士山が白銀に輝いていた。秩父連山や日光連山も綺麗なスカイラインを現していた。西山のナナカマドコース、とちの木コースを滑り、山頂駅に戻ってからミルキーウェイを滑ってお祭り広場に着いたのは、12時20分だった。平日なのでスキーヤーやボーダーの数が少なく気持ちよく滑ることができた。『冬山』ソフトを確認すると、今日の移動距離は29.2km、滑走距離は19.1km、ゴンドラ乗車は3回、リフトは8回、最大速度は53.2km/hだった。これからお迎えの14時までは宴会である。
居酒屋・お祭り広場、酒類はなんでもござれ、
生ビールを大ジョッキで飲む。ごくごくと喉を落ちていくビールが実に美味い。ここまで8時半からスタートして1滴も水分を取っていなかったために、唇の周りは乾ききっていたがビールの美味さで喉の渇きが癒される。つまみはトンカツとモツ煮込み、それに3種類の漬物だった。ビールを飲み干すとコップ酒である。スキーを滑った後の酒は実に美味い。居酒屋・お祭り広場は家族経営の食堂で、ワイン、ビール、ウイスキー、日本酒、焼酎となんでもござれ。スタッフのなかには流暢な英語を話すお兄さん、中国語を話すお兄さん、元気いっぱいのお姉さんたちがいて、外国の方が食事に訪れても、すんなりと対応している。見上げたものである。
2月9日の移動距離と最高速度などのデータ
2月10日 土曜日 祝日 晴れ
仲間はスキーに出かけた。私は雪見酒と読書だった。今回読んでいるのは、明治・大正・昭和の時代に生きた37人の女性を書いた『近代おんな列伝』という文芸春秋社が発行している石井妙子の本である。過去、権力者の男性の視点から見た歴史は語られるが、女性の視点から見た書物はあまりない。本を読んでいると、現代の社会がいかに男性の考え方で動いているのか、ということがわかる。
『近代おんな列伝』石井妙子・文芸春秋社
本のあとがきには『選択』という雑誌に連載した70人を超える女性の中から37人に縛って単行本にしたとあり、執筆時に参考とした書籍が掲載されているが、実に多くの本を読みながら、この本を書いたことがわかる。この世の中は男と女が半々に生きているわけであって、女性の目から見た近代史を男性は読むべきだろう。そうすればもっとこの世の中はまともな世の中になるに違いない。