親海湿原と姫川源流湧水へ

 

名水百選の姫川源流湧水

 

5月5日 金曜日 晴れ

毎年、私たちハイキング仲間は春のゴールデンウィークに長野県小谷村、白馬村、大町市で開催される『塩の祭り』に参加し、3つあるハイキングコースのうちの1つを選んで歩いている。今年は大町市のコースに参加予定でいたのだが、発表された内容を確認すると、新型コロナウイルスの感染予防対策から参加人数が200人に絞られており、すでに締め切りを終えていた。そのため私たちは大町市の「木崎湖ハイキングとフォトコンテスト」には参加せず、独自のプランでハイキングを楽しむことにした。最初のプランは木崎湖1周10kmの後に入浴と食事を考えた。スタート地点は木崎湖の南端にある温泉施設『ゆーぷる木崎湖』とし、時計回りに木崎湖畔を一周するものだった。

 

川の隣に立っている男性たち

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木崎湖ハイキングは途中で切り上げた

 

スタートして木崎湖キャンプ場の先まで進んだ。キャンプ場の先で湖畔に降りて左前方を見上げるとパラグライダーが気持ちよさそうに大空に舞っているのが見えた。パラグライダーは風を捕まえると次々に離陸しているようで、5つも6つも同時に空を舞っていた。着陸ポイントは休耕田となっている湖畔の田んぼで、着陸していくパラグライダーも見えた。今回歩いているコースは車道歩きとなっており、湖畔に歩道がないために木崎湖一周ハイキングを中止し、仁科三湖のひとつの青木湖の北側に位置する親海湿原と姫川源流湧水を含む姫川源流自然探勝園の散策に切り替えたのだった。

 

花が咲いている植物

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親海湿原にカタクリの花が咲いていた

 

親海湿原はまだ芽吹いたばかりで、ほとんど草木は生えていなかった。それでも白い清楚なヒトリシズカやミツガシワ、エンレイソウ、フッキソウが目にとまった。また「春の妖精」と呼ばれているカタクリはピンクの花をうつむき加減に咲かせ、薄紫の小さなタチツボスミレは一面の広がりをみせて私たちに微笑んでくれていた。連休のためか散策路に設定されている木道のあちらこちらに人影が見られた。

 

草が生えている木

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姫川源流のニリンソウの群落が見事だった

 

親海湿原を歩いたあと林のなかの散策路を姫川源流湧水に向かった。途中で花期を終えたフクジュソウの群落の脇を通ると、パイナップルの形をした緑の実が印象的だった。日本の名水100選に選ばれている姫川源流湧水の水辺は、清流に咲く水中花のバイカモの白い花はまだ咲いていなかったが、見事なニリンソウの群落に囲まれていた。私は上高地でもニリンソウの群落を見たことがあるが、ここの群落も素晴らしいと感じた。東屋で湧水を沸かしてコーヒーを味わっているカップルもおり、時間がゆったり流れているように感じられた。

 

家の外観

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待ちくたびれた「利根川蕎麦店」

 

お腹も空いてきたので手打ち蕎麦の『利根川蕎麦店』に向かった。大きな茅葺き屋根の古民家に着くと、順番待ちは11番目だという。11番目という待ち時間は相当長いと判断し、近くのコンビニに缶ビールを買いに向かった。近いといっても1kmの距離があったので、途中の飲食店に入って缶ビールがあるか確認していくと300mほど歩いた3軒目の洋食店に缶ビールあったので、そこで地ビールの「安曇野浪漫」と300mlの清酒を買った。

 

ビールの瓶

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安曇野浪漫ビールとアルコール77%の清酒

 

利根川蕎麦店に戻り、外のベンチで缶ビールを飲んでいると、途中で「本日の営業は終了しました」の看板が出された。その看板を見て次々にやってきたお客はどこかへ走り去っていった。私は缶ビールが飲み終わったので、清酒を飲もうと思い瓶のラベルを再確認すると、アルコール77%の北安大國と書かれており、「高アルコールのために火元近くでの保管・ご使用には十分ご注意ください」という注意書きが目に留まった。ネットで確認すると新型コロナウイルスの感染拡大で消毒用アルコールが不足したとき、厚労省が各地の酒造会社に高濃度のアルコール飲料の製造許可を出した時に作られたものと分かった。飲酒の場合は薄めて飲むことが勧められていた。アルコール度数77%をそのまま生で飲むと喉や胃に悪いので飲むのは中止した。

 

テーブルの上の食事と飲み物

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食事中に能登半島地震が発生した

 

待つこと1時間30分で席に案内された。てんぷら盛合せセットと地酒の茶碗酒を頼んで食事を終えたのは15時だった。食事中に店のなかのお客の携帯やスマホが一斉に緊急時のALM音が鳴りだしたのだった。ALM音からしばらくして家が揺れだした。お客がざわめき、腰を浮かして退避姿勢を取る人もいた。店の人が家の外への避難を呼びかけたが、私たちと隣のグループは平然と食事を続けていた。古民家は骨組みもがっちりした建物で、地震ぐらいではびくともしないだろうと思われたからだった。あとから確認すると能登半島の先端にある珠洲発生の震度6強の地震が発生したのだった。

 

建物, 屋外, 道路, ストリート が含まれている画像

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白馬かたくり温泉・十郎の湯に浸かった

 

お昼ご飯を食べるまでに随分待たされたので、食事を終えた時の気分はグツタリしていたが、利根川蕎麦店から車で2分の『白馬かたくり温泉・十郎の湯』に向かった。以前、塩の道まつりの白馬村コースを歩いたあとに入った温泉だった。比較的に空いていたので良かったが、私たちが出たあとに大勢の人たちが入ってきたのでラッキーだった。

 

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