御岳山・大岳山に登ってきました
空を翔けるムササビ
8時50分にケーブルカーの御岳山駅に到着し、御岳山・大岳山・鋸山縦走に歩き出しました。ケーブルカー車内で面白かったのは、天井に描かれていたムササビが新型コロナ感染対策でマスク着用の周知版に飛びつくように見えたことでした。ウグイスの声が聞こえています。参道には“みたけさんレンゲショウマまつり”の旗がたくさんたっています。赤い大きな鳥居をくぐると前方に山上集落が見えました。薄日が時折り差し込んでくる御嶽神社参道は涼しくて気持ちよく歩けます。
国指定天然記念物の神代ケヤキ
参道の途中に樹齢推定1000年と言われる国の天然記念物に指定されている“神代ケヤキ”がありました。ゴツゴツとしたコブがすごく、途中に大きな洞が開いているために補修されていました。無理やり生かしているようで、なんだかなーっていう感じでした。自然のままにしておけば、とっくの昔に枯れていたでしょう。青銅の大きな鳥居をくぐって御嶽神社に向かいました。長い石段です。参道の両側には鬱蒼とした大きな杉が立ち並び、白く大きなヤマユリの花が芳しい香りを周りいっぱいに広げていました。
拝殿前で法螺貝を吹く登山者
9時10分にあっけなく武蔵御嶽神社に到着しました。拝殿の前で40歳ぐらいの男性が法螺貝を吹いていました。相棒がスマホ動画を撮影していました。神社の拝殿には大きな鈴がかけられていましたが、その鈴を鳴らす紐が取り付けられていませんでした。新型コロナウイルスの感染防止なのでしょうか。注連縄は“日本の伝統を守り伝えるきずなの会”が作っているようで、比較的に細い5mほどの注連縄でした。
宝物殿前の畠山重忠像
宝物殿前に長崎平和公園の平和祈念像を作成した北村西望さんの馬上の武者像が置かれていました。私は武者像よりも宝物殿入り口の横に積まれていた奥多摩の地酒澤乃井の4斗樽の方に目がいきました。私は澤乃井の酒蔵を訪ねて酒蔵見学をしたことがあります。1升瓶の栓は沢蟹のデザインで、私の好きな地酒のひとつです。呑兵衛ですねぇ。
長尾茶屋
9時30分に長尾平分岐に着くと古びた小さな茶屋がありました。入り口にランプが灯っているので、月曜日ですが営業しているようです。ネパールのウルタル峰で雪崩遭難した世界的登山者であった長谷川恒男さんのポスターが飾ってありました。しばらくポスターを見ていると店の中からサングラスをかけたご主人が出てきましたので挨拶をしました。小太りのかたでした。
天狗の腰掛杉の前で法螺貝を吹く登山者
御嶽神社奥の院に向かう分岐点に推定樹齢350年という“天狗の腰掛杉”前でも先程神社拝殿前で法螺貝を吹いていた登山者が再び調子の外れた音色をながしていました。私が歩いた登山道は奥の院を巻くようにのびており、登山地図の等高線を参考にして選びました。蝉の声がわんさかわんさか届いていました。
私の前を歩いていた親子連れ
私の前に父親と息子の二人連れが歩いていました。子どもは5歳くらいに見えましたが、年を尋ねると7歳とのことでした。小学校2年生のとても元気な男の子でした。芥場峠までの登りはつづら折りの急登が続きました。周りの木々は緑一色で私の体が緑色に染まるようでした。実に静かな山道です。谷川のせせらぎが遠くなる頃に峠に着きました。途中で何箇所か谷川を渡りましたが、流れに架かる橋は先年の台風で流されたのでしょう。何箇所も新しい橋に架け替えられていました。登山道脇を修理する方にも出会い挨拶を交わしました。ご苦労様です。
滑落注意の鎖場
大岳神社の脇を通り大岳山への登山道は岩稜へと変わっていきました。鎖場も次々に出てきました。梅雨は明けたとはいえ、長い雨が降っていたため、土は湿り、岩も濡れていました。スリップしやすいため慎重に岩場を通過しました。この岩場でも事故が起きているようでした。
大岳山1266m頂上
11時20分に大岳山1266mに到着しました。山頂にはガスがかかっていたため真っ白で展望はゼロでした。山頂には5人の登山者がいました。その中で若い3人連れの女性登山者にスマホのシャッターを押してもらいました。お返しで3人組のシャッターを押しました。山頂で持参した行動食とジェルエネルギーで昼食にしました。10分ほど休憩している間に7人の男性団体登山者が到着しました。ほとんどの登山者は登ってきた道を戻っていきましたが、私は縦走路を鋸山に向かいました。
鋸山1109m山頂
登山道は山頂から急激な下りや鎖場も登場しました。以前、奥多摩の三頭山に登った時に山頂から三角形に尖っている大岳山を展望したことがありましたが、その山景を思い出しました。山頂への登りも下りも急坂でした。鎖場を下ると平坦な気持ちの良い尾根コースとなり、ホッと一息つけました。鋸山山頂には12時30分に到着しました。夫婦がベンチで仲良くお弁当を食べていました。私は私の後に登ってきた単独者に標柱の所でシャッター押してもらいました。私も押しますか?と尋ねたところ、結構ですとのことでした。鋸山山頂は杉木立に囲まれ、展望は全くありませんでした。これから愛宕山を越えて奥多摩駅に向います。
愛宕神社奥の院
13時45分に岩場のてっぺんに愛宕神社の奥の院らしきものあり、ブロックに囲われた祠は小さいながら龍や鶴や獅子の彫り物は見事なものでした。1円玉、5円玉、10円玉、100円玉のお賽銭がたくさん置かれ、隣には石板に掘られた2つの烏天狗が立っていましたが、刻まれた文字は判読不明でした。この岩山から遥か下方に奥多摩の町並みがよく見えます。周りの山々の山頂部には雲がかかっていました。
眼下に奥多摩の町並みが見えた
岩場にはたくさんの鎖、梯子、階段が付いており、先月に登った千葉の鋸山よりも数倍も迫力満点です。6月22日に滑落事故があった地点も通りましたが、その地点は谷が深く落ちた方は大怪我か死亡したものと思われます。事故現場は絶壁でした。落ちた人の不注意ですね。登山道はちょっとした気の緩みで大事故につながりかねません。そのような危険地帯を歩いているという自覚が必要です。
愛宕神社
14時20分に愛宕神社に到着すると2頭の狛犬が紅白の首輪をしていました。狛犬でも大岳神社の狛犬は素朴な狼型でしたが、こちらの狛犬はどこの神社でも見受けられる獅子型でした。石段に腰を下ろして休憩していると1頭のカラスアゲハが舞っていました。優雅に舞う蝶を眺めていると風が快く汗を引かせてくれます。最後の下りの先は奥多摩温泉もえぎの湯です。
家族連れで賑わう氷川キャンプ場
愛宕神社から下山して県道に出たところに氷川キャンプ場があり、有料駐車場の入場確認をしていたおじさんに、もえぎの湯に行くための吊り橋の位置を聞きました。おじさんは丁寧に教えてくれました。吊り橋は鉄製でした。吊り橋の中央から川上を眺めると、河川敷にたくさんのテントが張ってありました。子どもたちが夏休みになったので家族キャンプで賑わっているようです。川は増水し流れも早く何カ所も白波が立っていました。川で遊ぶ子どもが見当たりませんでした。
奥多摩温泉もえぎの湯
15時に“もえぎの湯”に到着しました。ホームページで100円引きのクーポン券を印刷してきたので、受付に差し出し750円の入湯料でした。もえぎの湯に来るのは3回目です。杉木立の中に作られている露天風呂にのんびり入りました。私を含め6人の男たちがゆったりくつろいでいました。風呂上がりは当然ビールといきたいのですが、冷たい水で我慢しました。理由は2日後に心臓エコーと大腸スコープの精密検査を受けるためです。それが終わるまで酒はお預けです。受付前で0%アルコールのオールフリー缶を1人3缶まで配る広告キャンペーンをしていましたので遠慮なくいただきました。