晩秋の馬頭刈尾根を歩いて大岳山へ

 

大岳山(標高1266m)山頂からの絶景

 

大怒田山・大岳山ハイキング計画書 ハイキング:6時間10分 歩行ペース:YAMAP1.0

幕張駅455540御茶ノ水駅549636立川駅640717武蔵五日市駅743→西東京バス1番線 藤倉行き→810千足バス停登山口810851天狗の滝→1030大怒田山1054m→1150大岳山1266m・昼食12101410大嶽神社登山口→1418白倉バス停下山口14201440十里木バス停→1450秋川渓谷・瀬音の湯→十里木バス停16081625武蔵五日市駅1631→立川駅→三鷹駅→幕張駅

 

11月28日 金曜日 晴れ

奥多摩登山地図を眺めていると、まだ歩いていない区間として馬頭刈尾根のつづら岩から大岳山の区間があったので歩いてみることにした。今回のハイキングの目的は、晩秋の馬頭刈尾根を歩き、雪を被った富士山を眺める、こととして計画を立てた。大岳山は奥多摩三山の一つで標高は1266mである。

 

今回の登山データ

 

私が大岳山に登るのは2回目で、前回は武蔵御嶽山から大岳山に登り、鋸山を超えて奥多摩駅まで縦走したが、今回は千足から登りだして馬頭刈尾根まで上がったら、左に折れて「関東ふれあいの道」を歩いて大怒田山(標高1054m)を越えて大岳山(標高1266m)山頂に向かう。山頂では雪を被った富士山を眺めながら昼食休憩したあと、登ってきた馬頭刈尾根を白倉分岐まで戻り、白倉に下山する日帰りコースを歩くことにした。天気予報は快晴だった。

 

武蔵五日市駅構内の「東京にもクマはいます!」のポスター

 

幕張駅で電車を待っていると、乗車予定の電車が走行中に異常音が出たため点検中で遅れるとの構内放送があった。西千葉駅を15分遅れで出発したが、今回のスケジュールが崩壊したのではないか?と想い、スマホで武蔵五日市駅までのルート検索を行うと、武蔵五日市駅を下車して4分の乗り換え時間で登山口までのバスに間に合うことが分かった。そのバスに乗り遅れると次のバスは2時間半後となり、今回のハイキングを変更せざるを得なかったのである。

 

武蔵五日市駅改札口の「クマ出没注意!」の看板

 

青梅線東秋留駅手前で多摩川を渡る時に左前方に雪を被った富士山が見えた。久しぶりに見た富士山だった。秋の行楽シーズンに武蔵五日市駅にはたくさんの紅葉狩り客やハイカーが訪れる。その駅構内や改札口にクマ出没注意の看板が新たに立てられていた。クマの生活圏に人間が入って行くのだからクマとの遭遇は当たり前であるが、クマの方が人間を避けるのでクマとの遭遇はめったにないのだが、クマに遭いたくない人は山に近づかないほうがいいと思う。

 

天狗滝と綾滝の分岐についた

 

武蔵五日市駅前から半月前に市道山と臼杵山ハイキングで乗った同じバス停で、今度は藤倉行きバスに乗った。8時10分に千足バス停に下車してGPSをセットして柳沢林道を歩き始めた。30分ほど歩くと天狗滝と綾滝の分岐についた。2又に分かれた登山道は先で合流するのだが、天狗滝を見たあとで綾滝に向かうことにした。登山道に現れる岩と落ち葉は昨夜の雨に濡れて滑りやすかった。野鳥の声も聞こえてこない静かな森だった。

 

高さ38mの天狗滝は糸を引くように数条の帯となって落ちていた

 

登山道は天狗滝の滝口を観ながら岩壁を木の根を掴みながら滝壺へと降りていく。滝の高さは38mとのことだが、水は糸を引くように静かな数条の帯となって滝壺に落ちていた。美しい滝だと思った。周りの草は黄色く色付き、真っ青な空が見えた。

 

綾滝は涸れていた

 

更にスギ林のなかを登っていくと綾滝に着いた。しかし、渇水のために岩盤が僅かに濡れている程度で滝として落ちていなかった。残念だ。バス停から歩き始めて1時間経っていたので初めての休憩をとった。千足コースは傾斜がきついので歩く人は殆どいない。登山道は昔の檜原村の人たちが馬頭刈尾根道を歩くためか、尾根を超えて奥多摩の村へ向かうために歩いた道なのでしっかりと踏み込まれていた。今では「関東ふれあいの道」として利用されている。

 

馬頭刈尾根まで上がった

 

バス停から2時間で馬頭刈尾根に出た。この尾根を左に折れると3,2kmで大岳山の標識があった。綾滝からスギ林のなかを登ってきたが、岩を抱き木の根を掴んで身体を引き上げるような急登だったので、顎から汗が滴り落ちていた。

 

大怒田山(標高1054m)山頂に着いた

 

馬頭刈尾根を30分ほど歩くと木々に覆われた大怒田山(標高1054m)山頂に着いた。東屋が建っており富士見台となっていたが、前方の枝が邪魔をして富士山を隠していた。このあたりは秩父多摩国立公園に指定されているので景色を観るのに邪魔だからと、やたら樹木を伐ることが出来ないのだ。

 

素晴らしい富士山の姿が見える場所があった

 

富士見台からしばらく進むと素晴らしい富士山の姿が見える場所があった。そこには東京都がコの字形にベンチを3台置いていた。先ほどの大怒田山山頂の「富士見台」の標柱を、こちらに移した方がいいだろうと思った。東屋を建てるスペースはなかったが、この場所で休みながらずっと富士山と周りの山々を眺めていたい、という気持ちにさせる素晴らしい眺めの場所だった。浅間尾根や笹尾根の奥にパノラマが広がっていた。富士山の左側に丹沢山塊や東山梨の山々が連なり、右側には三ツ峠山から雁ヶ腹摺山までの山々が観られて素晴らしい山岳展望ができた。それにしても今日の富士山は素晴らしい。

 

木漏れ日のなかの馬頭刈尾根を歩いた

 

下山時に降りていく白倉分岐を過ぎてしばらく歩いていくと、クマ鈴を鳴らしながらひとりの女性が歩いてきた。今日初めて会う登山者だった。彼女も晩秋の尾根歩きをひとり静かに味わっているのだろう。挨拶を交わしてすれちがった。

 

32丁目石が残っていた

 

大岳山には巻き道を避けて尾根を外さずに直登していった。山頂直下の最後の登りは岩の崖を登る感じだった。私が登ったコースの山頂部分の木々や藪が刈り取られており、「国立公園内の樹木を伐ることは出来ません」という禁止表示とトラロープが張られていた。誰かが富士山の展望を求めるために山頂部の木々を伐ったのだろう。

 

素晴らしい展望の大岳山山頂に着いた

 

大岳山山頂(標高1266m)に着いた。山頂には5人が休んでいた。ススキの真っ白な穂が太陽に輝いて晩秋であることを改めて感じさせてくれた。快晴のもとで富士山が眩しく輝いていた。最初に挨拶を交わしたカップルの男性にスマホのシャッターを押してもらった。カップルと話してみると、同じ千葉市からやってきて、しかも幕張1丁目のニトリのそばに住んでいるとのことだ。車で来てケーブルカーで御嶽山から来たので、来たコースを車まで戻って千葉に帰るとのことだった。私は幕張4丁目に住んでいるので、自宅から1km範囲の方に山頂で出会うなどとは本当にびっくりした。相手のカップルの方も驚き、趣味のマラソンや武石インター近くのラーメン街道などの話で盛り上がったのだった。

 

紅葉が残っているところもあった

 

山頂で草餅を食べながら20分ほど休んでから、若者たち5人のグループが山頂にやってきたのを機に、登ってきたコースを降りていった。白倉分岐を右に降りる手前でブルーの制服を着た青梅警察署山岳警備隊の2名に出会った。巡回パトロールのようだったので、「ご苦労さまです」と挨拶をすると、「ありがとうございます」の返事が返ってきた。山岳警備隊は予期せぬ遭難者を出さぬために、登山道の状況把握と登山者の装備確認などで定期的に登山道のパトロールをしているのである。

 

『第2回大嶽山駆登競争』のコース案内テープ

 

白倉コースを降りていくと、アルファベットで「ヒノハラ マウンテン チャレンジ シリーズ」と書かれた山岳レースのコースを示すナイロン製の白いテープが目につくようになった。このテープは登山口まで要所要所に標示されていた。ネット検索すると2日後の11月30日に『第2回大嶽山駆登競争』が開催されるとのことで、10時30分に麓の中里地区入り口をスタートし、13時までに大岳山山頂に到着する山岳レースだった。レースは2時間30分の制限時間だが、登山地図のコースタイムが2時間45分なので制限時間内で十分完走できると想った。今回私が登りに使った千足コースは岩が多くて急峻のためにレースには不向きだが、降りに使った白倉コースは道幅が広くて危険箇所はないので山岳レース向きだと感じた。

 

白倉コースの登山口

 

13時55分に鳥居が建ち、庚申塔、大嶽社碑、1丁目石が置かれた登山口に降りた。さらに降りていくと里に近くなり、アスファルト舗道に出たところに立派な大嶽神社里宮が建っていた。この神社の狛犬もオオカミである。御嶽山から大岳山に縦走すると、大岳山の登り口に大嶽神社奥宮があるが、それに比べるとずいぶん立派な建物である。ここからバス停まで約10分なので、14時20分通過のバスに乗ることができるだろう。

 

秋川渓谷・瀬音の湯でハイキングの汗を流した

 

14時16分に白倉バス停に着いた。バスが通過する4分前の滑り込みセーフだった。やれやれバスに間に合った。このバスを逃すと次は2時間30分後になるのだった。バスを十里木で降りて秋川渓谷・瀬音の湯に向かった。瀬音の湯でハイキングの汗を流し、温泉を出たあとはホットドッグをツマミに生ビールで無事に登山が終わったのを祝して乾杯だった。

 

温泉のあとはホットドッグをツマミに乾杯

 

今回のハイキングで千足バス停から馬頭刈尾根に上るまでは、3年前の2022年12月に登ったコースだった。馬頭刈尾根を大岳山まで歩いた尾根道は、快晴に恵まれて雪を被った富士山を眺めることができた満足満足のコースだった。山の紅葉は殆ど終わっていたが、それでも落葉広葉樹の森には黄色や橙色や紅色の葉が残っているところもあった。葉を落として冬を迎える木々が多いところでは、枝越しに遙か遠くの山々が望めて木漏れ日のなかを静かに歩けてよかった。

 

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