今年も野猿に出会った上高地散策

 

威嚇しながらも年々ずうずうしくなる野猿

 

614日、上高地ハイキングに出かけました。今年の関東甲信地方は空梅雨のようです。新宿南口のバスタ新宿を出発する時は小雨模様でしたが、中央自動車道の談合坂SAに着くころには曇り空となり、諏訪湖SAでは綺麗な青空が拡がり、上高地バスターミナルに到着したときは雲ひとつない快晴で最高のハイキング日和となりました。

 

河童橋から清らかな梓川の流れの向こうに屹立する残雪の穂高連峰は、何度眺めても素晴らしい景色だと思います。四方八方から聞こえてくる野鳥の鳴き声を聞きつつ梓川右岸を明神まで歩き、レンゲツツジの朱色が鮮やかな岳沢湿原では野猿の群れに2度出会いました。猿たちは5月に芽吹いた柔らかな若葉をむさぼるように食べていました。

 

ハイキングの目的は爽やかな若葉を愛でるのは勿論ですが、嘉門次小屋で岩魚の塩焼きを肴に一杯やることでした。水曜日ということもあってハイキングをしている若者の姿はあまりなく、課外授業のため環境ボランティアの説明を聞きながらの小学生や中学生の団体のほかは中高年の方たちばかりでした。その姿も少なめでした。

 

絞めたばかりの岩魚が嘉門次小屋の囲炉裏で焼かれています。従業員が胸まである長靴を履いて小屋前の池の底の掃除をしていました。初めて見る光景だったので受付の方に作業内容を聞いてみました。それによると池底の白砂が上流から流れてくる不純物によってヘドロのような黒い色に覆われてしまい、以前は3か月に1度くらいの間隔で掃除をしていたが、今では約1か月に1回程度の間隔で竹ぼうきで白砂の上に覆いかぶさる不純物を掃いているとのことでした。この作業によって白砂が引き立ち清流のイメージが保たれているようです。

 

嘉門次小屋の板壁に掲げられている猟銃とピッケル

 

嘉門次小屋の囲炉裏の間には『日本アルプスの登山と探検』の著書によって日本アルプスを世界に紹介したウォルター・ウェストンのピッケルとウェストンの山案内人であった上條嘉門次の猟銃が煙で燻された板壁に掲げられています。焼かれる岩魚を待つこと10分。頭から食べられるようにこんがり焼かれた岩魚をかぶりつきながら飲む酒は最高の味です。今年も上高地を訪れることができ、のんびりした時間が流れていきます。

 

今回の上高地散策の滞在時間は4時間でした。河童橋から明神までの往復で2時間、嘉門次小屋の休憩で1時間使っても1時間が残るので、その1時間を日帰り湯の入浴に使おうと計画していました。バスターミナルまでの帰りに『森のリゾート小梨』の日帰り温泉「小梨の湯があります。以前は小梨平キャンプ場と呼ばれていた大きなキャンプ場ですが、現在では『森のリゾート小梨』と呼ばれています。以前、川沿いの落葉松林の中にテントを張り、穂高連峰を眺めていたことを思い出します。

 

小梨の湯に30分近く入っていましたが入浴客は私一人でした。のんびり入りながらセルフタイマーで入浴写真を撮りました。風呂の設備が真新しいように感じたので入浴後に受付のところに行き、日帰り湯はいつごろからやっているのかを確認したところ、7年前から営業しているとのことでした。毎年のように上高地を訪れている私でしたが、そんなに前から日帰り湯があるとは初耳でした。勿論、上高地温泉ホテルの温泉に入るのもいいのですが、歩くルートによっては小梨の湯に入るのもいいのかなと思いました。

 

『森のリゾート小梨』の日帰り温泉「小梨の湯」

 

 入浴後は梓川の川面を渡ってくる風を受けながら西穂高岳から奥穂高岳への稜線を肴に飲む地酒の大雪渓も素晴らしい味でした。帰りのバスに乗り込む前に妻へのお土産として上高地レアチーズケーキを買いました。(^^)/