凄い強風が吹いていた岩木山山頂

 

強風吹く岩木山山頂

 

最近は高速道路が整備された関係で東北地方の山々も夜行バスで気軽に行けるようになった。今年のMCC夏山登山は青森県の岩木山・八甲田山登山を計画した。参加メンバーは、おなじみのポパイ吉原、ちびっこ小沢、インストラクター山本、デブトラマン碓井、卓球少年碓井ジュニァ、エイトマンの6名です。

 上野発の夜行バス「パンダ号」が弘前バスターミナルへ到着したのは予定より50分早い6時40分だった。7時20分始発の岩木山神社前経由バスに乗れることが分かったため、急遽登山コースをスカイライン利用の嶽コースから百沢コースに変更し、本来の岩木山登山のメインルートから登ることができました。

 岩木山は津軽富士と呼ばれているように綺麗な形をした独立峰で麓には林檎が秋の収穫に向け、たわわに実っておりました。岩木山神社前で下車し登山の安全を願って神社拝殿にお参りした後、杉木立の中の百沢コースを出発しました。空もよく晴れており登山は快調でした。広葉樹の中の九十九折りの山道を徐々に高度を高めていきます。登山道を1時間30分ほど登った姥石ヒュッテ跡に到着するころはすっかり足も慣れ登山地図で現在地を確認しながら一休みです。これから登っていく鳥海山と岩木山の分岐点が青空を背景に浮かび上がっています。のこり3時間ありますから、まだまだ遠いなぁという印象を受けます。同一コースを登っていく単独登山者2名とも顔見知りになりました。

鳥海山噴火口壁


 登山ルートは百沢沿いに一直線に高度を上げていきます。沢の流れが爽やかに感じられ、緑が眩しく目に飛び込みます。天空は真っ青な青空が広がっています。焼き止まり避難小屋に到着すれば山頂までは1時間40分ほどの距離です。小屋に入って休憩です。流れた汗が引いていきます。気持ちを引き締めて岩が露出する坊主ころがしの急坂を攀じ登っていきます。手が切れるように冷たい錫杖清水に着けば分岐までは目と鼻の先です。パイプから噴き出す錫杖清水で喉を潤します。本当に冷たい清水です。オトギリソウの黄色い花が可愛く足元に咲いていました。9合目の鳳鳴ヒュッテ分岐まで登ると反対側の海側からの強風で吹き飛ばされそうになります。最初、山頂で食事にしようと考えていましたが強風のため諦めて鳳鳴ヒュッテ脇で風を避けて食事にすることにしました。弘前駅のコンビニで買ったおにぎりやラーメンを食べながらの昼食です。

 私たちが登ってきた百沢コースの反対側が嶽コースで、8合目までバス、9合目までリフトが運行しています。ですから小学校入学前の5歳の子どもがお母さんと一緒に登ってきたり、ミニスカートの女性が登ってきたりで、一気に登山者が増加しました。8合目に大きな駐車場があるためスケジュール的に余裕のない方は嶽コースから登頂します。私たちも弘前で始発バスに乗れないと予想していたため当初は8合目コースを計画していましたが、計画を百沢コースに変更して大成功でした。

 

おとぎりそう


 30分ほどで昼食を終え、強風の中を這うようにして山頂目指して登って行きました。左手に拡がる日本海や白神山地が遠望できます。上に登るほど風は強まっていきました。山頂の三角形の標示前で写真を撮りましたが、目も開けていられないような強風でした。山頂には大町桂月の歌碑「四方八方の千万の山を見下して心にかかる雲もなき峰」が置かれ、岩木山神社奥社が麓の本社を向いて建っていました。眼下遥か下に緑に囲まれて神社本社がみえました。林檎畑も見えます。弘前市街も一望のもとに見渡せますが、弘前という街は周りを山々に囲まれた盆地であることがよく分かります。また山頂には今年10月30日の完成を目指してトイレの建設が進んでいました。大きな立派なトイレです。きっとバイオトイレになるのでしょう。私は8合目の駐車場からリフトに乗り山頂までは40分ほどで到着しますから山頂にはトイレは必要ないと思いますが、トイレを作ることで逆に新たな問題点が発生するのではないかと感じられました。

 下山は8合目まで登山道を降りてレストハウスで一休みした後、嶽ルートでブナ林の中をゆっくり降り、「山楽」という旅館の露天風呂にのんびり浸かりました。山楽は昔からの湯治宿です。私たちが通された部屋は畳も真新しい12畳の大部屋に6名でしたから悠々の広さの部屋でした。以前、嶽温泉に宿泊したときは山楽とは道路を挟んで反対側に建っている「山のホテル」でしたので、みんなと一緒の山旅の宿としては山楽で十分だと思いました。露天風呂は旅館から外に出て徒歩1分ほどのところにある混浴でした。男女別の入口の暖簾が掛かっていましたが中のお風呂は一緒でした。私が一番に入っていると次々に入浴してくるのは男性だけでした。風呂から上がるころに女性客が二人入ってきて男性客と顔なじみらしく話している声が聞こえてきました。ま・それはともかく露天風呂にかかる赤く熟したナナカマドの実が青空に映えて印象的でした。

 岩木山を降りたあと嶽温泉で一泊し、酸ヶ湯温泉と北八甲田山に向かいましたが、あいにくの大雨のため登山は中止し温泉三昧で過ごしました。酸ヶ湯の千人風呂も混浴ですからたくさんの男女の湯浴み客がのんびり湯に浸かっていました。