山笑う季節に日の出山へ

 

若葉が萌えだしヤマザクラが咲く季節がやってきた

 

 4月12日 土曜日 晴れ

早春の言葉に「山笑う」というものがある。冬の間は葉を落として枯れていたような山が一転し、若葉が萌えだし白いヤマザクラが咲いている景色のことである。早春の山は新鮮であり、山が笑いながら青春を謳歌しているのだ。今回の夫婦ハイキングは、奥多摩の武蔵御嶽山から日の出山に向かい、瀧本に降りて『生涯青春の湯・つるつる温泉』に入るというものだった。

 

早咲きのミツバツツジが綺麗だった

 

9時40分にケーブルカーの御嶽山駅に着いた。ケーブルカーの両側には早咲きのミツバツツジが綺麗だった。駅前の御嶽平ではヤマザクラが満開だった。藤棚の下のベンチで休憩する家族連れがたくさんいた。今日は土曜日なので御嶽神社を含め、ハイキングコースも大賑わいだろう。昨晩夜半まで雨が降っていたので、今日は水蒸気が発生するために山の展望は期待できないだろうと想った。しきりにウグイスの鳴き声が耳に届いていた。

 

武蔵御嶽神社表参道の赤い鳥居

 

御嶽神社に向かって表参道を歩いて行くと赤い鳥居が立っていた。その鳥居の周辺にはヤマザクラが満開なので、鳥居の下でヤマザクラを背景とした写真を撮っていると、「シャッターを押しましょうか」という男性が現れたのでスマホを渡してお願いした。男性は私の着ているベストに貼ってあるワッペンを見て、「ボリビアだ。珍しいのを見た。私のお父さんはボリビア人です」という意外な挨拶をくれた。

 

表参道から日の出山が見えた

 

確かに私のベストの左胸にはパタゴニアのワッペンが、右胸にはボリビア国旗のワッペンが貼ってある。このワッペンはボリビアのウユニ塩湖に出かけた時に買ったものである。ボリビアのワッペンをつけているのは、日本人広しといえども、あまりいないのではないか。シャッターを押してくれた男性もグループで来ていたので、男性にはお礼を言っただけで細かい話をしないで別れてしまった。

 

髄神門前の商店街でバッチを買った

 

神代欅の老木を過ぎると、髄神門の手前にお土産屋や食堂が5軒並んでいる。その商店街のなかを通っていると、『駒鳥売店』の店先に吊るしてあった登山バッチが目についた。バッチのなかから「大岳山」「御前山」「本仁田山」の3つを選び出して買った。いずれも過去に登った奥多摩の山だった。バッチは1個600円だった。

 

武蔵御嶽神社にお参りした

 

御嶽神社にお参りするために長い石段を登っていくと、最上段で石工業者が石段の修理をしていた。御嶽神社の拝殿で健康を願い、神社裏手の御嶽山(929m)の山頂に向かった。山頂に設置されている奥宮遥拝所から三角形の山頂に祀られている奥の院(1077m)を眺め、神代欅まで戻ってから日の出山に向かった。ヤマザクラがたくさん咲いているのが見えた。ヤマザクラは若葉が先に出てから花を開かせるが、若葉にも緑色のものと赤茶色の2種類があり、緑色のものは花の色が緑っぽく見え、赤茶色のものは桃色がかって見える。

 

日の出山(902m)の山頂に着いた

 

日の出山(902m)の山頂には11時50分に着いた。山頂には東屋が建っており、すでに家族連れを含めて、たくさんのハイカーが休んでいた。山名表示柱の脇でスマホのシャッターを押してもらい登頂記念写真を撮った。私たちも北側の芝生のところにシートを広げてジェットボイルでお湯を沸かしてコーヒータイムとした。コーヒーには草餅、バナナ、ソーセージ付きである。周りに咲く紫色のミツバツツジが綺麗だった。

 

湘南の海は霞んでいた

 

山頂から見えるはずの富士山は残念ながら雲のなかで、大山や丹沢山塊も薄く見えるだけだった。東京方面や湘南の海も霞んでいた。休憩しているうちに次々にハイカーが登ってくるので山頂は大賑わいであった。今の山笑う季節は、暖かな陽射しを浴びながらハイキングにはうってつけだと思う。

 

キイチゴの白い花が綺麗だった

 

日の出山山頂では予定よりものんびり過ごしたが、12時30分にコーヒータイムを終えて、『生涯青春の湯・つるつる温泉』に向けて降り始めた。妻に歩くペースを尋ねると、丁度いいとの答えだった。瀧本までの下りは殆どが植林された杉林のなかの暗い道だが、それでも途中ではキイチゴの白い花、ヤマブキの黄色い花、アセビの数珠つなぎの白い花が咲いていた。春のハイキングは生命の息吹を感じることができるので素晴らしいと思う。

 

生涯青春の湯・つるつる温泉に着いた

 

生涯青春の湯・つるつる温泉には14時に着き、950円の入湯料を払った。前回来た時は平日だったので空いていたが、今回は土曜日ということで、露天風呂も内風呂も混雑していた。無色無臭の温泉は、名前の通りに肌がツルツルすべすべする感じで気持ちが良かった。

 

風呂上がりのビールが美味い

 

湯上がりに食堂に入って頼んだ酒は、サッポロ瓶ビール赤星500mlが2本、澤乃井の生酒300ml蒼天を1本。ツマミは、きゅうりの1本漬け、こんにゃく味噌田楽、枝豆、イカゲソ揚げ、のらぼうパスタのサラダ付きだった。のらぼうパスタというのを初めて食べたが実に美味かった。「のらぼう」というのは栽培している写真があったが、地元の野菜でナノハナの仲間だと初めて知った。昨年12月以来4カ月ぶりの夫婦ハイキングだったが、妻は今回のハイキングを心から楽しんだようだった。

 

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