御岳山から日の出山へ

 

ジャンプする男性

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奥宮遥拝所がある御岳山山頂

 

6月22日 土曜日 晴れ

昨日気象庁より、近畿・東海・甲信越が梅雨に入ったと発表された。今年の梅雨入りはずいぶん遅れたようである。昨日は1日雨が降っていたが、今日は晴れと予報が出たので、梅雨の晴れ間をついて奥多摩の御岳山から日の出山へのハイキングに出かけることにしたのだった。お茶の水駅、立川駅、青梅駅で乗り換えて御岳駅で下車した。駅前の道路を渡ってバス乗り場に着くと30人ほどの人たちが列に並んでいた。

 

道路を渡っている人たち

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バス停には30人ほどが並んでいた

 

駅前から御岳ケーブル下まで西東京バスに乗り、10分ほどで終点ケーブル下バス停に着いた。ケーブルカーに乗れば6分で山頂駅に到着するのだが、夏山縦走登山のトレーニングを兼ねているので、ケーブルカーには乗らずに1時間かけて参道を登っていくことにし、GPSをセットして歩き出した。いつもケーブルカーを利用するので、参道を歩くのは初めてだった。杉林のなかの冷気が心地良かった。

 

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御嶽神社の標柱と鳥居脇の滝本の大杉

 

御嶽神社参道の標柱が立ち、脇に「御岳山3.4km、日の出山5.3km」の道標が立っていた。聞こえてくるのはガビチョウの高らかな歌声だった。昭和13年9月に完成されたという禊橋を渡ると御岳神社の石の鳥居があった。鳥居の脇に「滝本の大杉」という青梅市指定の天然記念物が育っていた。幹の太さは6.3m、高さは約43mと記されていた。何年前に発芽して参道を歩く人たちを見おろしていたのだろうか。

 

森の中を歩いている

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かつて馬や駕籠を休ませた「うまたてば」

 

九十九折りの参道を歩く私の前を、ふたりの若い女性ハイカーが登って行った。冷気が身体全体を包んでくれて気持ち良かった。九十九折りの参道は、さまざまな過去のいわれの場所を通過する。例えば、細長い首が左右に曲がっている若い女性のお化けの「ろくろ首」は、坂道が左右に蛇行しているのでまるでお化けのろくろ首のようになってるということから、ろくろ首と呼ばれている場所とか、「うまたてば」という場所もあった。たてばとは休憩所のことで、参道には坂道が続くため数カ所に馬や駕籠を休ませながら山上に進む休憩所になっていたという。

 

森の中の木

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根が剝き出しになった大杉

 

参道脇のスギには通し番号が打ち付けられており、根元の土が流失し根が空中に剝き出しになっても、太く高い幹を支えて頑張っているスギがあった。番号は“644番”が打たれていた。年はとってもまだバリバリの現役で、見上げたものである。スギのてっぺんを見上げると、高すぎて首が痛くなるありさまだった。大したものだよ。見習わなくっちゃ。

 

森の中の道を歩く人

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カラフルな色のケーブルカーが降りていった

 

鳥居のあった禊橋と山上にある御師集落とのほぼ中間の場所に「なかみせ」という場所があった。ケーブルカーの線路をくぐる少し手前だった。かつては小さな茶店も立っていたため、いつしか付近は「なかみせ」と呼ばれるようになったという。ケーブルカーの登り降りする音が聞こえてきたので、しばらく待っているとカラフルな色をしたケーブルカーが下っていった。遠くから利尻島ではさんざん聞いたコマドリの鳴き声が耳に届いた。

 

花が咲いている

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漢方薬では十薬と呼ばれているドクダミ

 

「じゅうやくば」というところは、漢方薬の十薬と呼ばれているドクダミが自生していた窪地であるという説明があった。辺りを見回してみたがドクダミは生えていなかった。既に取り尽くされたのであろう。「だいこくのお」を過ぎると山道の傾斜が緩くなり、次に「あんまがえし」という場所があった。山道が平らになり、目が不自由なあんまさんが神社の境内と勘違いし、ここで参拝して帰った人もいた、ということから「あんまがえし」という名前が残ったのだという。遠くの方からホトトギスの鳴き声が聞こえてきていた。

 

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御岳山山頂の奥宮遥拝所

 

ケーブルカーの山上駅からの道と合流すると、この辺りには御師の宿坊がたくさん建っていた。道幅は狭い。御嶽神社の一の鳥居に着いたのは9時20分だった。ウグイスの鳴き声がすぐそばから聞こえた。随神門を潜って境内へと入り、長い石段を登って御嶽神社の拝殿に着いた。御岳山山頂は御嶽神社の奥にあるので、拝殿の右側から山頂に行こうとしたが行き止まりだった。左に回り直して山頂へ向かうと、山頂と想われる場所に奥宮の遥拝所があった。注連縄の奥に三角形の奥宮が鎮座する山が眺められた。この奥宮遥拝所が御岳山の山頂ということらしい。御岳山頂の標柱を探すと、石段の横に「御岳山929m」の標柱が立っていた。分かりづらく見逃すところだった。しばらく待っていると若い女性がやって来たのでスマホのシャッターを押してもらった。

 

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南側参道に建つ武蔵御嶽神社の鳥居

 

御嶽神社にお参りし日の出山に向かつて歩き出した。歩いている山道は『関東ふれあいの道』に指定されている人気のハイキングコースであって、実によく整備されている。歩き始めた禊橋から御嶽神社までの間で5人のトレイルランナーに出会ったが、ここでも度々出会うことになった。山道がほぼ平らなのでランナーも走りやすいのであろう。結局、御嶽神社から日の出山までの間で出会ったランナーは6人だった。

 

岩の上に立っている男性

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日の出山902mの山頂は広々としていた

 

10時30分に日の出山902mの山頂に着いた。土曜日ということもあって、山頂にはたくさんのハイカーが休んでいた。天空には薄い雲が広がっていたが、暖かな陽射しが降り注いでいた。広い山頂の中央に東屋が建っており、南側が開けて明るかった。東屋の手前に山頂標識が立っており、山座標定盤もあった。脇にピンクのツツジが咲いていた。南側の湘南から東京方面は、ぼや〜っと霞がかかっているようだった。南西方向に眺められる最初の山は三角形の大山だった。大山はいつ見てもピラミダナルな姿で美しいと感じる。そこから右側に丹沢山塊の山々が続き、最高峰の蛭ヶ岳も聳えていた。さらに右に目を移すと大室山がどっしりと構えていた。

 

山の景色

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山頂から富士山がちょこっとだけ見えた

 

大岳山の左側に富士山の山頂がちょこっと見えていた。若い単独の女性ハイカーが登ってきたので、女性がひと休みするのを待って、山頂の標柱横でスマホのシャッターを押してもらった。お返しに彼女の写真を撮った。爽やかな女性だった。クッキーとチーカマの行動食を食べてから下山を開始すると、石段や木段の連続だった。その途中でもトレイルランナーに度々出会った。奥多摩の御岳山から日の出山、あるいは大岳山あたりは山道が整備され、日本山岳耐久レース(長谷川恒男カップ)のコースに入っているのでトレイルランナーの練習場所として最適なのだろう。今年の第32回大会は10月13日〜14日に71.3kmレースとして開催される。

 

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生涯青春の湯 つるつる温泉

 

予定よりも20分遅れて『生涯青春の湯 つるつる温泉』に下山した。生涯青春の湯という名前は素晴らしいと思う。想ったよりも大きな建物で、私は初めて入った温泉だったが、名前の通り肌がつるつるした感じだった。脚を揉みほぐしながら汗を流し、湯から出たあとは大広間の食事処に入って、ビールで乾杯だった。

 

テーブルの上にあるいろんな食べ物

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湯上りにはビールで乾杯

 

食事処で頼んだのは、おつまみ3点セットのネギチャーシューメンマ、枝豆、合鴨と、キュウリの一本漬けと味噌田楽だった。瓶ビールはサツポロラガービール赤星だった。風呂上がりに喉を落ちていくビールは、何回味わってもうまいものだ。

 

マップ が含まれている画像

自動的に生成された説明グラフ, 折れ線グラフ

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今回のハイキングデータ

 

 今回のハイキングは妻と一緒に歩く計画だったが、妻の予定が合わずに単独で歩くこととなった。薄日が差す暖かい天候に恵まれ、1週間前の高川山ハイキングでは突然のトラブルに見舞われた脚も大丈夫だったので快適のハイキングだった。ハイキングの締めくくりは『生涯青年の湯 つるつる温泉』だった。無色透明無臭の湯は、文字通りに肌がつるつるして気持ちのいい温泉だった。私の頭もつるつるになった。武蔵五日市駅で家族にお土産を買って帰路についた。

 

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