権現山から扇山への縦走

 

公園のベンチに座っている男性

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扇山山頂からの富士山の眺め

 

天気予報を確認すると、前日までは雨であったが、登山予定日は朝から快晴だったので、山梨県大月市にある権現山から扇山への縦走登山に出かけることにした。権現山も扇山も山梨100名山に挙げられており、扇山は今年の4月に百蔵山からの縦走で登ったことがあり、富士山が素晴らしく見える山だった。

 

建物の前の家

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JR猿橋駅

 

JR猿橋駅で降りた。駅前から浅川登山口まで向かう8時18分のバスを待った。浅川行きのバスは午前中に1本しかないのである。空は雲ひとつなく晴れ上がっていた。駅前から正面に岩殿山の岩壁が見え、左側に三角形で屹立する滝子山が素晴らしかった。右側には百蔵山が大きく広がり、それにつながるように扇山が見えた。私が最初に登る権現山は扇山の向こう側が登山口となっている。30分ほど待つと富士急バスがやってきた。バスに女3人男2人が乗った。山あいをクネクネとバスは登っていった。電光掲示板が示す気温は6℃だった。やがて自由乗降区間となり、周りの木々はまだ色づいてはいなかった。

 

山に囲まれた建物

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猿橋駅前からの百蔵山(左)と扇山(右)の眺め

 

バス乗車の5人が終点の浅川バス停で降りようとすると、登山口はこの先ですよと言われた。終点の先のバス折り返し点が登山口だった。ザックにクマ鈴をつけ、トレッキングポールを用意し、林道を浅川峠に向かって登りだした。昨日降った雨が染み込んだ林道は太陽光線を浴びて湯気が立ち上がっていた。空気は凛と冷え、肌寒いくらいの気温だった。快調に浅川峠を目指して登っていった。50分も登れば浅川峠に着くだろう。

 

森の中のベンチ

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明るいT字路の浅川峠の標示板

 

林道の終点に着いたのは9時10分だった。そこからスギが植林されたなかの山道となった。やがて登山道はつづら折りになり傾斜が増していった。T字路の浅川峠に着いたのは20分後だった。左に向かえば権現山へ、右に向かえば扇山だった。私は左に折れて権現山に向かった。落葉広葉樹の森の中を進んでいく。落ち葉が敷き詰められた登山道は、実に気持ちがいいものだ。登山道脇にイノシシが掘り返した跡がずっと続いていた。彼ら彼女らは木の実やミミズなどを食べられたのだろうか?カケスのジャージャーという鳴き声が耳に届く以外は、実に静かな山道である。もちろん出会った登山者は誰もいなかった。

 

森の中にいる

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落ち葉の積もる明るい登山道

 

今回は登山道を歩いていても、ほとんど疲れていない感じを受けた。9月下旬に3000m級の後立山連峰を縦走し、2週間後に奥秩父の2500m級を縦走し、さらに2週間後の今回は1300mほどの山を登っているわけだが、2週間ごとの縦走登山によって心肺機能が高まった結果、今回は楽な登山になっているのではないかと思われた。

 

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登山道に落ちていたサルナシの実

 

権現山山頂手前の登山道に、小さいリンゴのような果実が5、6個落ちていた。少し赤みがかった直径2cmほどの実だった。1個をかじってみると実に渋く、唇がしびれた。2個を拾ってポケットに入れた。あとで地元の人に出会ったら確かめよう。10時35分に権現山と麻生山の分岐に着き、権現山に向かうために右折した。分岐点は林の中のために周りの見晴らしは良くないが、木ノ葉を通して周りの山並みが見えていた。周りにはツツジの木がたくさん目についたので、5月の花の季節は見事なツツジの花に彩られるだろうと想像できた。

 

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権現山1311mの山頂で弁当を広げる登山者

 

浅川登山口から登りだして2時間弱で権現山山頂に着いた。山頂には11人の山仲間グループが着いたばかりのようで、思い思いの場所で弁当を広げだしていた。山頂の中央に二等三角点が打たれ、山梨百名山と書かれた権現山の標柱が立っていた。南側には雪化粧した富士山の眺めが素晴らしかった。北側には奥多摩や秩父の山やまが連なって見えた。私は中央の三角点に腰を降ろして、おにぎりをひとつ食べた。浅川登山口から登りだして初めての休憩だった。

 

雪が降った山の景色

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権現山山頂からの富士山の眺め

 

山頂で20分ほど休憩し、扇山まで縦走するので11時に山頂を降り出した。一旦、浅川峠まで戻り、峠を直進して扇山に登る縦走コースだ。浅川峠近くまで降ってくると、驚いたことにマウンテンバイクを押して登ってくる30代とおもわれる男性に出会った。ビックラポン。挨拶をすると相手は苦笑いをしていたが、確かにこのコースだとマウンテンバイクも走れる穏やかなコースだと思う。

 

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野生動物のフンだまり

 

11時45分に浅川峠に戻ってきた。これから真っ直ぐに扇山に向かう。途中で曽倉山940mを通過したが、樹林帯の中だったので見通しはなかったが、木の葉を通して差してくる木漏れ日が心を優しくしてくれた。両側が70度くらいに切れ落ちた尾根上に、野生動物のフンがあった。中には大きなフンもあり、そこはフンだまりのようだった。なにもわざわざ登山道が通っている尾根上にまとめて残さなくてもいいものだが、これも野生動物の自己顕示・縄張り意思の表れなのだろう。貯め糞は何ヶ所も確認された。登山道は落ち葉に隠れ、踏み跡を靴先で探すようになった。このルートを歩く人が少ないのだろう。扇山山頂直下に大きなブナの木が立っておりビックリした。このあたりでは見かけない久しぶりに見た大きなブナの木だった。

 

壁に掛けられた看板

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扇山1138m山頂からの富士山の眺め

 

12時40分に扇山1138m山頂に着いた。6ヶ月ぶりの山頂だった。小学1年生ぐらいの子どもが3人賑やかに遊んでおり、親たち4人はシートを広げ、車座になってだべっていた。単独男性登山者がひとりいたが、百蔵山の方面に歩き出した。私のあとに芝犬を連れた女性がひとり登ってきた。シートを広げて愛犬と静かに山頂の雰囲気を楽しんでいるようだった。私は正面の富士山を眺めて、おにぎりをひとつ食べた。雄大な富士山の東側に雲が湧き、富士山のてっぺんにも雲が湧きだしていた。

 

岩の上にある数種類の植物

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山ノ神神社の奥宮祠が祀られていた

 

20分ほど休んで鳥沢駅に向かって下山を開始した。10分で百蔵山と鳥沢駅との分岐に着き、左に折れて鳥沢駅に向かった。下っていく登山道は植林されたなかの整備されたもので、見晴らしは良くないが道幅は広く、小学生や年配者も安心して歩ける感じを受けた。途中に水場と山ノ神神社の奥宮祠が祀られていた。扇山管理委員会の建物がある梨の木平登山口に降りたのは、山頂から下りだしてから50分たっていた。登山口に降りてから鳥沢駅までの林道歩きが嫌になるほど長かった。

 

テーブルの上の食べ物

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まずは、揚げ出し豆腐で一杯

 

長い林道を50分歩いて無人駅の鳥沢駅に着いた。喉の渇きはビールを欲していたので、駅前の浜田屋食堂に入った。まず頼んだのは、瓶ビールと地元の笹一酒造の大徳利である。田舎にくると瓶ビールは中瓶の500mlではなく、大瓶の633mlが殆どである。当然のこと大瓶がテーブルに運ばれてきた。肴は山梨に来ての刺し身の盛り合わせもないだろうと思い、鶏の唐揚げと揚げ出し豆腐を頼んだ。ビールで喉を湿らせてから本戦に入った。

 

テーブルの上の食事

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鶏の唐揚げを肴に地酒の笹一で一杯

 

私の前のテーブルで飲んでいた男性は、文庫本を読みながら生酒をゆっくり飲んでいた。今回はたった30分くらいの食堂の滞在だったが、店の接客態度は温かかった。食堂は平日と土休日の営業時間が違っており、下山後にいっぱいやりたかつたので、営業時間に合わせて今回の山行を土曜日にしたのだった。お店を鳥沢駅発15時37分の東京駅行きに乗るために出たが、もっとゆっくりしたい浜田屋食堂だった。

 

マップ

自動的に生成された説明グラフ

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今回の権現山から扇山縦走登山データ

 

 今回は秋の彩りを楽しむために、広葉落葉樹の多い権現山から扇山への縦走を計画したのだが、木々の紅葉には早すぎたようだった。登山道は落ち葉に埋もれていたが、周りの木々はまだ色づいてはいなかった。今回の登山時間は浅川登山口から鳥沢駅まで5時間40分を予定していた。登山地図に表されている標準コースタイムから算出した予定時間である。私は、この予定時間と実際の行動時間とを比較し、自分の体力を判断している。今回も予定時間内で歩くことができたので、まだまだ十分いけると判断している。11月にはちょっと厳しいかもしれないが、大菩薩嶺から小金沢連嶺の日帰り縦走登山を計画している。

 

グラフィカル ユーザー インターフェイス, アプリケーション

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 今回、新しく買ったのはナノスタイラス(NANO STYLUS)のタッチペンだった。気温が下がってくると手袋を使うようになる。すると登山途中のGPS確認や記録の口述筆記時などのスマホ操作に、いちいち手袋を脱がないとスマホの画面操作ができないことを解決するために、手袋のまま画面操作ができるタッチペンを買ったのである。今回の登山で使い心地を試してみたところ、カメラズームは出来ないものの、画面操作自体はスムーズに行えて便利だった。Amazonで1540円だった。

 

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