短いけれどゆったりした時間が流れる
今年3度目の富士山登山を8月21日〜22日に夜行登山として実施しました。今回も9月のキリマンジャロ登山に向けての高地トレーニングです。今回はキリマンジャロに出かける小学校の同級生に加えて1回目登山に同行した私の甥の合計4人の登山でした。
新宿高速バスターミナルから河口湖駅に向かい、食事後に5合目行きの路線バスで富士吉田登山口に到着すると広場は登山者で溢れかえっています。今年の8月の土日は今回を入れて残り2回です。過ぎ行く夏を追いかけるように富士登山シーズンも終わりとなりますが、それに合わせたような最後の盛り上がりです。
前回の7月31日の夜間登山も凄い登山者数でしたが、今回もそれに劣らない登山者が山頂に向かっていました。富士登山は日本の他の山域と異なり若者たちが多く登っています。最近「やまガール」という言葉もブームになりつつあり、ファッショナブルの姿で多くの若い女性たちが登場しています。そこには当然のこととして雌蝶を追う雄蝶の姿として若き男性たちも増加しています。
登山口の5合目の標高は2300mで富士頂上の標高は3700mです。標高差1400mを9時間かけて登る予定を立てヘッドランプの灯りを頼りに20時にスタートしました。空には明朝の素晴らしい御来光を約束するかのように、もう少しで満月になる月が輝いていました。8合目の標高3100mの太子館までは4人ともに快調でしたが、その後、小学校の同級生が遅れだし、本8合目の標高3400mの富士山ホテルまで登ったところで、同級生たちは山頂登頂を見合わせ、御来光を仰いだあと下山しました。それでも標高差1100mを登ったことになり訓練目標はクリアしています。
私と甥の2人は予定通り山頂を目指しましたが、前回以上の登山者数のため渋滞がひどく山頂間近で5時の御来光を迎えました。前2回も御来光を仰ぎましたが、今回は前2回以上に素晴らしい日の出でした。群青色から黄色に変わった空に広がる雲海の中から少し横に拡がった朱色の太陽がゆっくり上がってきます。この一瞬に老いも若きも多くの登山者たちは声もなく静かに登る太陽を眺めています。光の矢が放たれるまでの短いけれどゆったりした時間が流れていきます。
山頂には予定より30分遅れで到着しましたが、朝のラッシュ並みの凄い登山者の数です。すぐに休憩所に入って味噌ラーメンを注文し、持参のオニギリと一緒に食べました。インスタントラーメンと手作りのオニギリは決して豪華な食事ではありませんが、こういう質素な食事でも素晴らしい日の出を見た後では凄く美味く感じられるのです。
キリマンジャロ登山に向けた富士山を対象とした高所トレーニングは、天候にも恵まれ予定通り今回で終了しました。キリマンジャロ登山の場合は、山小屋で宿泊しながら1日で標高900mずつ登っていきます。その登山パターンに沿い、夜間登山も取り入れての事前準備は無事終了です。
キリマンジャロ登山中の1週間の禁酒訓練は未実施ですが、来週、秋田県の鳥海山登山に出かけます。それで全ての準備を終え、9月15日にバンコク、アディスアベバ、ナイロビ経由でタンザニアのキリマンジャロ空港へ出発します。