キリマンジャロ登山に向けた高地トレーニング(その2)

 

小学校の同級生3人

 

7月31日〜8月1日の両日で、9月のキリマンジャロ登山に向けての高地トレーニングの2回目として再度、富士登山に行ってきました。今回はキリマンジャロに出かける小学校の同級生3人での登山でした。

 登山形態として、富士登山とキリマンジャロ登山は似ています。両方とも木の生えていない大きな独立峰をひたすらゆっくり登っていきます。キリマンジャロ登山の場合は標高が5800mと富士山の3776mに比べて2000mほど高いので、そのぶん途中の山小屋宿泊が増えるだけで、そのほかは殆ど同じです。7月10日、11日の登山時は8合目の山小屋(元祖室:3250
m)泊を入れましたが、今回は夜間登山の形態をとりました。キリマンジャロ登山の場合、山頂登頂日は夜間行動を含んで10〜12時間ほどの行動になります。

 今回は、キリマンジャロ山登頂行動を模して吉田口5合目を20時に出発し、夜明けに山頂に着き、一休みしたあとに下山を開始し10時に5合目に戻る、という14時間行動を設定しました。前回の登山で登山コースは理解していたので、3人で話しながらヘッドランプを頼りにゆっくり登っていきました。トレーニングは自分の身体だけでなく着る登山服の具合も点検します。前回は発汗吸収性の長袖シャツを確認しましたが、今回は発汗吸収性のタイツと防寒着のダウンを確認しました。確認出来たのは、タイツは締りが良すぎて却って睾丸も締め付けすぎるというものです。従って発汗吸収性のタイツについては、キリマンジャロ登山時は登頂日のみに履こうと思いました。ダウンは薄めのものと厚めのものの2枚を用意していきましたが薄めのほうを着ただけでした。次回は厚めのほうを試そうと思いました。

 私たちが出かけた7月下旬の土曜日は、丁度、夏山としての富士登山はピークを迎えており、物凄い数の登山者が登っていました。渋滞は7合目から始まり、私たちが山頂に到着したのは6時でした。数珠つなぎという言葉がありますが、登っていく登山者に切れ間がなく、まさにそれを人間がやっていました。現在のヘッドランプの殆どはダイオードランプで電池の消耗が少なく長持ちです。私のランプは電灯色の1つランプ、蛍光色の1つランプ、蛍光色の3つランプの3段階の切替機能が付いており、山登りの際は蛍光色の3つランプを使用しています。これらのランプが大きく稲妻形の登山道に沿って右に左に揺れながら動いているのを見ていると、子どものころ夏の夜に見た蛍の光を思い出させてくれました。

 

空を見上げると半月よりも大きい月が煌々と輝いていました。同時にたくさんの星が輝いているのが見えますが、月が明るすぎるためか大きな星だけが目立ち小さな星はあまり見えませんでした。天空にばら撒かれた星を仰ぎ見ていると、突然「砂漠を緑に」のキャッチフレーズで訪れた中国のクブチ砂漠で星空観測をしたことが思い出されました。砂漠に寝転び夜空を仰いでいると流れ星とともに多くの人工衛星が飛んでいることが印象に残っています。

 

私たちは9合目で御来光を迎え、ラッシュアワー並に混雑している登山道をカタツムリのようにゆっくり山頂まで登っていきました。山頂の売店も大混雑していました。私は温かいものとして900円の味噌ラーメンを頂きました。インスタントラーメンですが山で疲れたときに食べるラーメンは本当に美味いと実感します。山頂は標高3700mのため沸点が低く、汁はあまり熱くはありませんが、それがかえって胃袋には良かったと思いました。汗を大分かいたので汁も残さず全部飲みきってしまいました。下山も混雑するだろうと判断し6時50分に降りはじめ、予定通り10時に吉田口5合目に下山しました。

 下山専用道を半分ほど降りたところで、私は武者夫妻に「先に降りているのでゆっくり捻挫をしないように降りてきてね」と伝え、ひとあしさきに降りました。非常にビールが飲みたかったのです。5合目の食堂で鳥の唐揚げと餃子をつまみに缶ビールを2本飲み終わると、降りてきた武者夫妻と合流し、タクシーで河口湖温泉郷にある『夢殿』に入りました。この『夢殿』は、息子の大が中学卒業記念に希望した温泉廻りをした時に入浴した温泉施設であることを思い出しました。狭い露天風呂でしたが汗を流したあとはビールを飲みながら山梨名物の「ほうとう」を食べ、特急列車で新宿まで帰ってきました。しかし、『夢殿』という温泉施設は旅行会社と提携したようで、私たちが食事をしている間にも次々に下山した登山者がリュックを背にしながら入ってきました。6年前とは大違いで、ここも凄い人数でした。

 これでキリマンジャロ登山に向けて3回計画した高地トレーニングの2回目をクリアしました。今後、8月21、22日の3回目訓練を実施し、本番の9月15日にアフリカのタンザニアに向かいます。