江月水仙ロードを歩く

 

草の上に座っている男性

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収穫を終えた水仙畑の前で

 

南房総鋸南町江月で「水仙まつり」が開催されているので妻と一緒に出かけた。鋸南町では毎年12月中旬から翌年の2月初旬にかけて“江月水仙まつり”を行っており、昨年は息子と一緒に出かけたのだった。千葉駅で内房線に乗り換え木更津駅に着いたが、外房線との乗り換えに40分の電車待ちがあった。気温が下がって寒かったので、一旦駅から出て駅前の「ラビン」というコーヒーハウスに入った。ラビンは昔からの喫茶店の雰囲気に満ちており、なんだか時間がゆったり流れているように感じられた。

 

ダイニングルームの一角

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木更津駅前の昔ながらの喫茶店『ラビン』

 

10時28分発の外房線の上総一の宮行きに乗り、11時13分に保田駅に着いた。駅前の観光案内板で水仙ロードコースを再確認し、YAMAPに足跡を残すためにGPSを設定して歩き出した。保田川を渡ったところに「日本一の水仙の里 水仙ロード入口」という看板があった。終点まで歩くと距離としては4kmぐらいだろうか。終点で折り返して保田に戻って来るつもりだ。

 

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水仙まつり案内板

 

幕張を出るときは気温が5℃と低く、ハイキングは果たして大丈夫かな?と心配をしていたが、保田駅に着いた時には薄日がさし、青空が出ていたので安心した。気温も上がっており、快調な滑り出しだった。空には23羽のトビが気持ち良さそうに上昇気流に乗って浮かんでいた。時折りピュルルルルルーピュルルルルルーという鳴き声が聞こえてきていた。

 

草の上にいろいろな花

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菜の花畑が広がっていた

 

水仙ロードを進んでいく途中で休憩所を兼ねた江月コミュニティーセンターの前に車庫を利用した無人販売所があった。スイセン、菜の花、ポンカンなどと一緒に輪切りの竹があったので20cmほどの長さのものを1本買った。たぶんスイセンを挿す花瓶に使うものだろうが値段は100円だった。沿道の水仙の畑あるいは稲田もイノシシの侵入を防ぐための柵や電線が張り巡らされていた。こういうのを見るたびに農家も大変だなぁと思う。

 

鉄道を走っている電車

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耕作放棄地の太陽光発電施設

 

このあたりの土地も耕作放棄地に太陽光パネル発電施設が設置されているのが目立った。土地の有効利用なのだろうが、農業従事者が減ったために日本全国で共通している現象だ。畑には菜の花が黄色の花を広げていた。土手や道路脇に咲く清らかな水仙の白い花と黄色のコントラストが目立つ。桜の枝に留まったモズが尾を上下に揺らせていた。

 

草の上に立っている

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源頼朝が「武士舞」を舞ったとされる場所

 

 今年のNHKの大河ドラマは『鎌倉殿の13人』という鎌倉幕府の第2執権となった北条義時を主人公とした群像ドラマである。そのなかで鎌倉幕府を開いた源頼朝が登場するが、1180年(治承4年)8月、頼朝が石橋山の戦いに敗れて相模国真鶴岬から海路で安房国へと落ちのびたところが房総半島の内房である。上陸地は鋸南町の竜島海岸とも館山市の洲崎海岸とも言われている。そのため内房地方には頼朝に関する伝説が数多く残されており、今回歩いた数キロの区間でも「源頼朝が武士舞を舞った場所」「頼朝が乗馬・池月を献上された場所」「頼朝の乗馬・池月を繋いだ石」「頼朝から馬賀の姓を賜った場所」等々があった。これらの伝説は『吾妻鏡』『延慶本平家物語』『源平盛衰記』『義経記』などに記されているという。

 

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残念だったが富士山は見えなかった

 

水仙ロードを歩いて折り返し地点の江月峠まで登っていった。歩く道は地元の生活道路のため、走る車が少なく歩きやすかった。峠の手前の地蔵堂前から富士山が見えるのだが、あいにくと曇り空のため秀麗な富士の姿を見ることはできなかった。保田駅から出発して1時間ちょっとで江月峠まで着くと、道路から外れた小高い場所で水仙に囲まれて休んだ。テルモスから暖かい鶏がらスープを飲み、行動食のクルミやココナッツを食べた。ここから折り返して保田駅まで戻るのだ。保田駅近くの漁港に温泉と食事処の番屋があるので愉しみが広がる。

 

草が生えている木

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収穫を終えた水仙畑

 

水仙畑の脇で20分ほど休憩した。畑に栽培されている水仙は、すでに収穫期を過ぎているため、花が咲いても出荷されることなく今シーズンを終えることだろう。道路の脇や土手に咲いている水仙は狩られることもなく、そのまま私たちの目を楽しませてくれているのだった。こういう花たちが水仙ロードのあちこちに続いていた。

 

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無人販売所で買い物を

 

天気予報では15時頃から晴れるとのことなので、徐々に暖かくなってくるだろう。峠から降りて来ると、軽トラを利用したイヨカンとレモンとローリエの無人販売所があった。峠に登って行くときにチェックしていたのだが、レモンとイヨカンは1個100円で、ローリエは1束200円だった。それぞれ1個ずつ買ったが、料金を入れる箱が置かれていなかった。ビニール袋があったので、お金を入れて段ボール箱の中に入れた。

 

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おじいさんから水仙の花を買った

 

のんびり歩いて戻ってくる途中に水仙を売っていたおじいさんの所で花を買った。水仙の球根、大根、菜の花も売っていた。菜の花は100円、水仙の花は200円だった。それぞれひとつずつ買った。おじいさんは新聞紙に包み、手さげ袋に入れてくれた。優しい感じのおじいさんだった。

 

レストランのテーブルで食事をしている男性

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ま・いっぱい

 

13時40分に保田漁港に着いた。汗もそれほどかいていなかつたし、昨日も温泉に入っていたので入浴はパスし、まっすぐに食事処の番屋食堂に入った。3連休の最終日のため店内は比較的に空いていた。昨日は凄い混みようだった、と案内のおばさんは言った。ほどなくテーブルに案内されて注文したのは、私は朝獲れ寿司と房州アジの刺身、なめろう、たたきの3種盛り味比べ。妻はアジフライと漁師まかない丼。加えてビール大瓶に地酒300mlが2本だった。私と妻は酒を飲みながらゆっくりと料理を味わったが、ほとんどの人が車で来ているため、酒は飲まずに30分もすると食事を終えて席を立っていった。

 

アプリケーション, マップ

自動的に生成された説明グラフ

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今回の江月水仙ロードハイキングのデータ

 

今回は、江月水仙ロードのハイキングに連れていって、と妻が言ったので、昨年息子と歩いた安房勝山駅からの周回コースを提案すると、保田駅からの往復コースでお願いします、とのことだった。もちろん、ハイキングのあとは保田駅近くの漁港直営の番屋食堂に入って地魚料理と地酒を飲むことを計画に入れたのは言うまでもないことだった。ハイキングは3時間弱で平坦な道路だったので、ほとんど汗もかかなかった。食事処での地魚料理も地酒も美味かった。のんびりした時が流れていき、気持ちのいいハイキングだった。

 

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