6月11日・後楽園ホール 第3戦

4ラウンド57秒TKO勝ち

 

右フックが酒井選手の顔面にヒット(4ラウンド)

 

6月11日(月)、後楽園ホールで岩井大のプロデビュー第3戦が「ダイヤモンド・グローブ」の東洋太平洋クルーザ級タイトルマッチの前座として戦われた。大は第4試合に登場し対戦相手はファミリー・フォーラムジムの酒井隆選手(27)で135ポンド・ライト級の出場だった。
 大も第3戦となると試合運びも大分慣れてきたようだが、順調に仕上がっていたはずの動きに鋭さがない。大は動体視力が優れているので相手のパンチは上手くかわしているが足の運びが重いのである。それでも左から繰り出すジャブを的確に相手の顔面にヒットさせ、ボディーブローの連打も的確で相手の動きを徐々に鈍くさせていく。
 ラウンドガールが「4」のボードを掲げてリングを一周した最終ラウンドは開始から大が終始相手を追い込み打ち続け、レフェリーは酒井隆選手が戦意喪失してしまったと判断し、開始57秒で両者の間に入り試合ストップを宣言。大のテクニカルノックアウト(TKO)勝ちとなった。
 大のようなボクサータイプはフットワークが信条である。今回は5週間で12kgの減量という体重調整が大の足の動きを鈍くしたと思われる。調子のピークを試合当日に持っていくことと合わせて体重調整が今後の課題としてあるようだ。

 

 

三谷会長の言葉

 ノックアウト勝ちと判定勝ちとでは来年の新人王戦への影響が全く違ってくる。今回は2ラウンドで相手の実力を見切ったので3ラウンドで倒しに行ったが倒しきれなかった。しかし4ラウンドは100%の出来でした。4回戦としては上出来です。今年の秋、あと1試合行い来年の新人王戦へつなげます。

 

 おやじのひとこと

 ボクシングにとって最も大切なことは「打たれない」ということだ。誰でも打つことは出来るが打たれないということは非常に難しい。「あしたのジョー」はドラマチックだが選手生命は短い。攻撃は最大の防御だが攻撃する時でも相手の反撃を考慮しガードを下げてはいけない。生涯戦績91戦無敗であった偉大なるチャンピオン、リカルド・ロペスのように自己に厳しく弛まぬ練習で体得する以外に方法はない。大は殆ど打たれないボクシングをしているが「打って打たれない」というボクシングを目指し更に日々精進して欲しい。

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