卒業生代表での謝辞
卒業生を代表して謝辞を述べた
3月14日(土)、第41期千葉調理専門学校卒業式が千葉市民会館小ホールで行われました。卒業生は1年調理科コースが2クラス89名、2年調理高等国際科コースが1クラス47名の合計136名でした。
10時から予定されていた卒業式でしたが、前夜から春嵐の暴風雨が吹き荒れた影響で千葉県内の電車が大幅に送れ、式が始まるのも10分ほど遅れました。オヤジとオカンも幕張駅で電車を30分待ったとのことで10時過ぎに到着し、開式時刻に滑り込みセーフの状況でした。卒業式は、国歌斉唱、卒業証書授与並びに専門士称号授与、賞状授与、校長先生式辞、来賓祝辞、在校生代表送辞、と淡々と進み卒業生代表の「謝辞」は私が壇上で読みました。内容は全て私のオリジナルで、以下に私が考え発表した内容です。
最初に自分が卒業生代表としてこの場に立っていることに違和感を抱いておられる先生方が多いと思います。自分はボクシングとの2足の草鞋でこの学校での2年間を過ごしてきました。早朝のロードワーク、夕方からのジムワークをこなし、親元を離れて8人で一部屋の寮生活という環境のため授業中に度々居眠りや宿題をしている姿が目に入り、不快な思いをなされたのは間違いないと思います。それは自分自身の将来に対する信念の弱さであり、自己に対する甘えであったという事実を自覚すると本当に申しわけありません。しかし、この特殊な生活環境と自分が大いに尊敬している我がジムの会長の姿を見て、何にたいしてもどんな時でも感謝の気持ちを強く抱くことの大切さを知りました。
感謝は常にそばにあり、どんな状況でも、たとえば校長や幼児に対しても、就職先で目上の方に褒めて頂いた時、熱心に授業をして頂いた先生方への感謝を感じます。その授業を9割座って受けている自分たち生徒とは違い、よりよい学習環境のことを常に考えサポートに力を注いでくれた校長先生と教職員の方々への感謝も感じます。特に自分は人一倍自己主張が激しく自由奔放だったため確実に他の生徒の3倍はご迷惑をおかけしたと自分自身自覚しているしだいです。更に気難しい自分と共に笑ったり怒ったりして10代最後の大切な2年間という時間を共有してくれたクラスのみんなと後輩たちにも思い出とともに感謝を感じます。そしてこの多くの人との出会いと卒業を目出度く迎えるにあたって20年間自分の自由を見守ってくれ、いつも背中を支えてきてくれた両親への感謝は言葉ではとうてい表せないほど常に強く抱いています。
感謝はうわべだけではいくらでも重ねることはできます。しかし、自分の中で心の底から抱くとなるとどれだけ素直な気持ちを謙虚な姿勢で接するかと、その気持の大きさと自分の抱いた感謝に対する行動は変わってくると自分は思います。自分自身まだまだ相当な若輩者のためこの感謝の気持ちを形で表現することに力不足です。ですが、自分が今、真剣に命をかけて取り組んでいるボクシングというものを大成することが感謝の人への気持ちであり、多くの人の期待にこたえることが、そのことにつながると信じています。
卒業と同時に調理師として尊敬する先生方と同じ立場に立つことに不安と心配を抱く反面、目標である背中が本当に遠くではありますが見えてきたことへの喜びを強く感じます。この千葉調理師専門学校で過ごした時間を無駄にしないため卒業を機にこれまで以上に精進することを生徒代表として誓います。最後に学園のご発展と校長先生をはじめ先生方のご健康とご活躍をお祈りするとともに心より熱く御礼申し上げ謝辞とさせていただきます。
平成21年3月14日 調理高等国際科 岩井 大
卒業式後のホールで
前日、オカンに電話し「オヤジに写真を撮るのに気をとられずに謝辞をきちんと聞いてくれるよう」伝言を頼みました。卒業式が終わりホールで友だちと話しているときにも何人ものお母さんから「謝辞は良かったよ。」「涙が出てきちゃった。」「私の息子もあなたのように考えて進んでくれたらなぁって思ったよ」という言葉をかけてもらいました。そしてクラス仲間は夕方から「卒業お祝い会」を計画していたのですが、私はジム練習があるので出席できないことを伝えてありましたから、夕方とは別に仲間と昼食会でお祝いをしました。仲間って良いなぁって感じます。
翌日、オヤジとオカンと3人で海浜幕張の韓国焼肉料理「いしび」で卒業祝いの食事会をしました。大盛りご飯にオーダーカットの上焼肉をリクエストしました。食事をしながらオヤジ、オカンと卒業式のことやボクシングのことを話しました。オヤジも私が考えた「謝辞」はなかなか良かったと褒めてくれましたし、大はそんなことを考えていたのか・・と言っていました。オヤジも感動したとのことでした。私はこれからも謝辞で述べたようにボクシングに全力を注ぎ込む気持ちです。同時に面倒を見ていただく中華料理店「柵柵」で自分自身に恥じない働きをしていきたいと思っています。