快適なハイキングだった足和田山

素晴らしい富士山が見えた足和田山山頂
登山計画書
幕張駅516→602御茶ノ水駅615→高尾行き特快→705西八王子駅709→大月行き→750大月駅755→河口湖行き→850河口湖駅905→富士急行バス:新富士駅行き→928紅葉台入口バス停下車\4330
紅葉台入口バス停930→40分→1010紅葉台1165m→15分→1025三湖台1202m→75分→1140足和田山1355m・1200→70分→1310一本木バス停
一本木バス停1323→富士五湖周遊バス23分→1346河口湖駅\1140
1月19日 月曜日 晴れ
2026年が明け、初めてのハイキングは富士山を眺めようと思い、富士五湖のひとつである西湖の南に位置する足和田山(標高1355m)へのハイキングを計画した。土日祝日を避けて平日の月曜日に企画し、5時前に幕張の自宅を出た。御茶ノ水駅・西八王子駅・大月駅で乗り換えて河口湖駅に向かった。大月駅手前の簗川駅でヘリコプターの音が聞こえたので上空を見上げると、1週間前に発生した山火事消化のために活動する自衛隊のヘリコプターだった。延焼防止消火用の水を投下して基地に戻るようで、ヘリコプターに吊されたオレンジ色の袋が揺れていた。

河口湖駅前は外国人観光客で溢れかえっていた
富士急線河口湖駅に着いたのは8時50分だった。明日が暦の上では大寒で、日本列島には今シーズン最強かつ最長の寒波が襲来し、日本海側には大雪が降っていた。河口湖でも冷え込んでいて、駅前の電光掲示板に表示されている気温は3.8℃だった。朝早いのに駅前は外国人観光客で溢れかえっていた。駅前の4番バス停で乗車するバスを待っていると、外国人女性からスマホのバス予約チケットを見せられて「三島行きのバスはどこから出ますか?」と尋ねられた。一緒にバス停を探したところ三島行きは6番バス停からの出発だった。女性は安心したのか笑顔でお礼をいい6番バス停に向かった。

河口湖駅から眺めた富士山
私は4番バス停から新富士駅行きバスに25分ほど乗車し紅葉台入口バス停で降りた。ここが今回の登山口で、ここから紅葉台に登り、更に三湖台から足和田山まで歩いて富士山を思う存分に眺めたあと、一本木バス停に降りる約4時間のコースである。富士急線富士山駅や河口湖駅のホームからは素晴らしい富士山が眺められたのだが、紅葉台入口バス停で降りたときには富士山の大半が雲のなかに入ってしまっていた。

植えられたカエデには食害防止ネットが巻かれていた
スマホでYAMAPの登山地図を読み出し、GPSをセットして歩き出した。頬に当たる風が冷たい。今日の天気予報では最低気温はー1℃、最高気温は9℃となっていた。歩いている道路の両脇にカエデが植えられている。そのカエデの幼木を増えすぎたシカの食害から守るために防護用のネットが巻かれている。子鹿のバンビは可愛いが、全国でシカが増えすぎて、あちこちで問題を起こしている。ピョーピョーという鋭いシカの鳴き声が届いてきていた。

巣箱が山道の脇に取り付けられていた
自衛隊演習地から砲弾の腹に響く音が聞こえてきていた。落葉広葉樹の葉が落ちきった林のなかを黒いネクタイをしめたシジュウカラや褐色の胸毛のヤマガラが枝から枝へと伝わっていく。私は落ち葉を踏みしめながら紅葉台へと登って行った。巣箱が山道の脇に取り付けられていたので、果たして利用されているのかどうかを確認するために蓋を開けてみると、利用された形跡はなかった。巣箱は登山者が歩く山道脇に取り付けるのではなく、野鳥たちが安心して利用できるように山道から10mは距離を置くべきだろう。

「関東の富士見百景」に選ばれている紅葉台についた
歩いている途中で予定コースから外れていることがGPSで分かったので、獣道を登って予定ルートである東海自然歩道に戻った。木の階段で整備された山道を登っていくと、林の木の間越しに西湖が見えた。「関東の富士見百景」に選ばれている紅葉台(標高1165m)に着いたのはバス停から歩きだして40分が経っていた。展望レストハウスは平日のためか閉まっていた。正面に見える富士山の左側3分の2は雲に隠れており、右側3分の1だけが姿を現していた。太陽は雲間から顔を出し始めており、シカの鳴き声が絶え間なく届いていた。この紅葉台の富士山絶景ビューポイントは、木の高さが4〜5mほどの高さで伐られており、富士山がよく見えるようになっていた。東から西へと風が吹いており富士山の山頂部が見えだしていた。徐々に富士山がその姿を現していくので、30分も経てば富士山が全貌を表すだろう。

富士五湖の説明文とクマ出没注意の表示
広場には環境庁・山梨県がたてた富士五湖の説明文があった。その説明文には「富士五湖は富士山の噴火で流出した溶岩流が川をせき止めてできたと言われており、東から山中湖・河口湖・西湖・精進湖・本栖湖と富士山を取り巻くように位置している。目の前に広がる西湖の広さは4番目で2.1ku、深さは2番目で90.9m、西湖・精進湖・本栖湖は地下で通じていると言われているため、常に同じ水位標高902mです」とのことで、その看板に「クマ出没注意」と「熊を目撃したら」という日本語と英語の注意書きが貼られていた。最近はどこでもクマ・クマ・クマであるが、1月になったのでクマたちは冬眠(仮眠)に入っているだろう。

三湖台展望台から眺めた富士山
山道は徐々に標高を上げていた。三湖台(標高1202m)に着くと、広い展望台になっており、テーブルやベンチが置かれ東屋も建っていた。展望台の中央に円形の山名表示盤が置かれ、周りの山々の名前が表示されていた。台地の名前となっている「三湖とは西湖・精進湖・本栖湖の3つがこの台地から見えていたということで三湖台の名がついた」とのことだ。西の方を見ると青木ヶ原樹海の向こうに精進湖と本栖湖が見えた。

青木ヶ原樹海の向こうに精進湖と本栖湖が見えた
「青木ヶ原樹海の魅力」という説明文を読んでみると、青木ヶ原樹海は約1200年前の貞観噴火の溶岩流の上にできた広大な森林のことで、上から見ると樹の海のようなので樹海と名付けられ、常緑針葉樹が優先する若い森には溶岩洞穴に棲むコウモリをはじめ、クマ・シカ・イノシシなどの大型動物、ネズミやモグラなどの小動物、オオルリやフクロウなどの鳥類、カミキリムシなどの昆虫類など生物の格好の住処となっている、と説明されていた。

木漏れ日のなかを気持ちよく歩くことができた
三湖台から足和田山に向かう山道は木漏れ日のなかを気持ちよく歩くことができた。落ち葉を踏むカサコソ・ガサゴソという足音が付いてくる静かな雑木林のなかを歩いて行った。ブナ・ミズナラ・コナラの林のなかをコガラの群れが通り過ぎていった。先ほどはホオジロの姿も確認できた。昨年はブナの実やドングリの実が不作で、森のなかで生活する動物たちの餌が少なく大変だったようだ。静かな林のなかでは落ち葉を踏みしめる音とザックにつけたクマ鈴だけが鳴っていた。

山道はところどころ凍り、霜柱は5cmにも成長していた
山道はところどころ凍っており、日が差すことによって霜柱が溶け出して黒いシミとなっていた。大きな霜柱は5cmにも成長しており、霜柱を踏むとジャリジャリ・ブスブスというような音がした。霜柱は昼に溶けて夜の寒さで固まるのを繰り返えしながら少しずつ成長していく。スリップしないように足元に気をつけながら歩いた。都市生活をしていると霜柱を踏んで歩くという体験があまりないが、子どもの頃は冬になれば霜柱を踏みながら出かけるのは当たり前のことだった。その体験が久しぶりにできて気持ちがいい明るい山道だった。

足和田山山頂には木造展望台が建てられていた
足和田山(標高1355m)の山頂に着いたのは正午少し前だった。紅葉台入口バス停を出発してから2時間15分が経過していた。足和田山は五湖台とも呼ばれており、古い標識には五湖台と表示されているものが多かった。山頂には木造の展望台が建てられていたが、富士山側の樹が伐り払われているので展望台に上る必要は無かった。富士山は素晴らしい姿で見えたが、惜しむらくは富士山頂のてっぺんに雲が少しかかり、その上に太陽があるので富士山が逆光となっているのだった。30分ほど休憩することにした。

富士山を眺めながら大福餅を食べた
登山口から一度も休憩を取っていなかったのでベンチにザックを置き、正面に見える富士山を眺めながら弁当を広げることにした。弁当といっても行動食なので、大福餅が2個、魚肉ソーセージが1本、塩分タブレットが3個、キンカンが5個だった。これまで水を1滴も飲まなかったので喉が少し乾いていたが、気温が低かったためにほとんど汗はかかずにやってきた。

山頂にかかっていた雲が飛んで富士山山頂が見えた
30分の休憩中に山頂にかかっていた雲が飛んで富士山山頂が見えるようになった。素晴らしい景色である。昨日、急に富士山展望ハイキングを思いつき、河口湖周辺の天気予報を確認し、YAMAP登山地図で計画書を作って家族に共有し、山梨県警に登山届を提出し、万一の遭難捜索に備えてココヘリに情報提供し、防寒具、ヘッドランプ、行動食、ツェルト、スマホ予備バッテリーなどの準備をし、今朝は4時起きで出かけてきた甲斐があった。雪をかぶった富士山が見たかったのである。大正解だった。山頂には私の他に誰もいなかった。独り占めの富士山だった。

足和田山入口のシカやイノシシ侵入防止ゲート
下山口の一本木バス停のバス通過時刻は13時23分だった。その10分前にバス停まで降りてきた。下山口にはシカやイノシシが住宅地に侵入しないよう防止する網ゲートが設置されていた。富士五湖周遊バスに乗って河口湖駅に着いた。チケット売り場で新宿バスターミナル行きのバス券を求めると14時発が買えた。駅構内で缶ビールと地酒『開運』のワンカップを買って、14時発の特急直通バスに乗った。座席は窓際の10Dだった。特急直通バスは途中での乗り降りがないので、新宿までの所要時間は1時間20分である。行動食の柿ピーやソーセージをツマミに飲んでいると、談合坂サービスエリアを通過する時に自衛隊のヘリコプターが見えた。機体には山火事消火用バケツを吊り下げていた。山火事鎮圧のために毎日ご苦労様である。

今回のハイキングデータ
今回のハイキングは、気温が低かったものの天気は晴れ、最高の富士山が見られて満足満足の山旅だった。ひとりで出かける日帰りハイキングは、「そうだ!富士山を見に行こう」と思い立ったら、すぐに出かけることができるのが利点である。