朝は晴れていたのだが、やがて吹雪に

志賀高原スキー

 

朝は晴れていたのだが・・・

 

今シーズン3回目のスキーは志賀高原スキー場に出かけた。2月16日から19日までの3泊4日の日程で、初日は4名で、2日目からは3名の参加だった。志賀高原スキー場は日本最大のスキー場で、16スキー場の集合体で標高が高いために雪質が良く、1998年の第18回冬季オリンピック長野大会の時もアルペンスキー競技が志賀高原で開催された。

 

高天ヶ原ゲレンデで遊ぶ人は少なかった

 

2月16日 日曜日 曇り

八王子駅前で8時半に待ち合わせをした。八王子に集合するのは、ポパイ吉原、ロシア人のイワン・ミヤマノビッチ・サトウ、それに私の3人である。ポパイ吉原の10年ものの車に乗り込み、関越道から長野道を通って志賀高原へ向かった。途中、横川サービスエリアでトイレ休憩を済ませた。長野県山ノ内町に入ると、ようやく周りに雪が見えるようになった。山ノ内町は温泉に入る野生ニホンザルが有名で、野猿公苑にニホンザルを観にきた観光客で駐車場はいっぱいだった。私たちが志賀高原で常宿にしているのは、高天ヶ原温泉にあるホリデープラザ志賀高原ホテルである。ホテルには13時少し前に着いた。気温はー6℃だった。

 

定宿は高天ヶ原温泉にあるホリデープラザ志賀高原ホテル

 

早速、乾燥室から宅急便で送った荷物を部屋に持ち込んでスキーウェアに着替えた。チケットは全山共通のシニア3日券をWeb予約してあったので、チケット売り場でスマホ画面のQRコードと年齢確認のための運転免許証を見せて発券してもらった。料金は1万8200円だった。Web予約をしないで直接買うと、1万8800円だったので600円割引されたことになった。

 

寺子屋山山頂の樹氷モンスターの出来はイマイチだった

 

初日なのであまり遠くには行かずに、志賀高原の中央エリアで滑ることにし、高天ヶ原ゲレンデ、一ノ瀬ゲレンデを滑り寺子屋山ゲレンデに向かった。寺子屋山山頂の樹氷モンスターの出来はイマイチだった。最近は雪が降っていないせいだろう。曇り空とはいえ、北アルプスの蓮華岳、爺ヶ岳、鹿島槍ヶ岳、五竜岳、唐松岳などの山々が白い屏風のように連なっていた。

 

寺子屋山山頂から眼前に北信五岳が見えた

 

眼前には北信五岳の斑尾山、妙高山、黒姫山、戸隠山、飯綱山がポコポコ見えた。寺子屋山ゲレンデは右、中央、左と3コースに分かれているので、それぞれを滑ったあとに休憩し、休憩後に再び中央、左コースを滑って連絡リフトで一ノ瀬ゲレンデに戻ってきた。一ノ瀬から高天原ゲレンデを滑り降りて16時にホテルに戻った。初日としてはまずまずの足慣らしだった。

 

今回のメンバーでの1日目の夕食

 

ホテルの部屋に入ると群馬の旅烏・裕一之介が到着していた。裕一之介は福井県勝山スキー場で滑ってきたとのことだった。雪質は日本海側だけに湿って重かったとのことだ。勝山は恐竜の発掘で有名なところで恐竜博物館があり、JR福井駅前には巨大な恐竜のオブジェが設置されている。私は日本縦断てくてく一人旅で福井駅前を歩いていて、巨大な恐竜が突然目の前に現れたのでビックリしたのを昨日のように思いだす。

 

顔面保湿用の白仮面パックで遊ぶ

 

 夕食に食堂に向かうと、3年連続でカットビ娘に出会った。彼女は東京から志賀高原直通高速バスでやってきており、ホテルにはスキー用具を預けている常連で、スキーのシーズンのインとアウトには両親を連れてやってきて、本人はスキーを楽しみ、両親は温泉と休養を楽しんでいるとのことだ。夕食を終えて私たちが部屋で飲んでいると娘がやってきて話に加わった。記憶力と頭の回転が速い子で何かを質問すると即答するのが度々だった。やがて裕一之介が顔面保湿用の白仮面パックを取り出してみんなに配り、それを顔に貼りながら話を続けたのだった。

 

ホテルの風呂は高天ヶ原温泉を引いている

 

2月17日 月曜日 晴れのち曇りのち吹雪

スキー2日目である。天気予報では今シーズン最強の寒波が1週間ほど居座ると出ており、今日から崩れる予報が出ていた。午前中は大丈夫だろうと想い、横手山にシャトルバスで向かった。横手山第1リフトで下車し、第1リフト、第2リフトを乗り継ぎ、山頂直下の第3リストまでたどり着いたところ、強風のために第3リフトは運行中止となっていた。早くも寒波の影響が出ていたのだ。山頂に行くことができず、山頂の向こう側の渋峠ゲレンデで滑ることができなくなったのだった。滑りやすい渋峠ゲレンデで遊んだあと、横手山山頂のパン屋でビールを飲みながら食事をすることを目的にやってきたわけだが、それができなくなり非常に残念だった。そのため横手山ゲレンデを滑り降りて熊の湯ゲレンデに転進することになった。

 

熊の湯ゲレンデも、わさわさ雪が降ってきた

 

熊の湯ゲレンデの白樺コースを滑ったあと、馬の背コースを滑り降りるころには、先ほどまで見えていた横手山山頂はすっかり雲の中に姿を消してしまった。急速に雪が降りだしたのだ。熊の湯ゲレンデでも雪がわさわさ降りだした。レスキュー隊のスノーボートに乗せられて救助されているスキーヤーに出会った。レストラン「ベルドール」で早めの食事を済ませ、ジャイアントゲレンデに戻ることにした。レストランで頼んだのはチャーシューメンで1500円だった。チャーシューは柔らかく美味しかった。雪はますます強くなっていき、ゲレンデの上部は見えなくなっていた。

 

ゴンドラでジャイアンツゲレンデ下まで移動した

 

レストランから熊の湯ホテルまで移動し、12時24分のシャトルバスに乗って山の家に向かった。山の家バス停で降りてゴンドラでジャイアンツゲレンデ下まで移動した時は、シャワーのような雪と強風とでホワイトアウト状態となっていた。いやはやなんとも。西館山に向かうためにリフトを乗り継いだが、雪と風は増々ひどくなり吹雪状態だった。とても滑る状況ではないので西館山・高天ヶ原ゲレンデを降りることにし、ゲレンデ上部に着いたが全く下が見えない状態だった。ほうほうのていで14時にホテルに戻ってきた。天候には勝てないので、こういうこともあるさ。

 

朝夕の食事はブッフェ形式

 

2月18日 水曜日 吹雪のち曇り

朝起きた時から吹雪状態だった。気温はー14℃だった。いよいよ寒波襲来である。強烈な雪が降っていた。3日目となったので身体に疲れが随分溜まっていたので、今日はゲレンデに出ないで温泉と休養にあてた。仲間のポパイ吉原とミヤマノビッチ・サトウは吹雪のなかを出て行った。

 

風呂上がりの1杯と1冊の本があれば十分だ

 

私は温泉に入ったあとは昼寝をし、目覚めたら持っていった角幡唯介が著した『旅人の表現術』を読み出した。角幡唯介は早稲田大学卒業後、新聞記者から探検家になった人物で、開高健ノンフィクション賞、大宅壮一ノンフィクション賞、梅棹忠雄・山と探検文学賞、新田次郎文学賞、講談社ノンフィクション賞、毎日出版文化賞書評賞、本屋大賞、大佛次郎賞などを受賞している現代の日本を代表する探検家でありノンフィクション作家である。本の内容は3部に分かれており、ノンフィクション作家、小説家、写真家、直木賞作家たちとの対談が5人、単行本から文庫本になるときの解説が8冊、雑誌などに掲載された冒険や探検に関する記事が6本からなっている。

 

3日目の夕食は赤ワインで乾杯

 

 夕食時に食堂責任者に訊くと、明日からは200人を超す中学生の団体が入ってくるという。今年は団体客が多いとのことだった。ホテルの食事は朝夕ともにブッフェ形式だが、

私たちは1日目が赤ワイン、2日目は白ワイン、そして3日目は赤ワインの乾杯でスタートだった。以前は吾一ワインを飲んでいたが、最近は吾一ワインを置いていないので、塩尻アルプスワインを飲んでいる。

 

2月19日 木曜日 雪のち曇り

朝起きた時の気温は昨日と同じー14℃だった。朝ごはんを食べたあと、雪ですっぽり覆われた車の掘り出しにかかる。雪の深さは40cmあっただろうか。フロント、ウィンドウ、両サイドを掘り出したが、前輪が空回りしてなかなか前に進むことができなかった。前輪の氷のところまで掘り進み、なんとか前に出そうとするが前輪がスリップして抜け出せない。後側も掘り出し、後ろに回って力いっぱい押すがなかなか抜け出せない。気を持ち直して後ろから押し出す2回目で、やっと動いたのは掘り出し始めてから30分たっていた。―14℃のなかの作業で耳や手は凍えるように冷たく痛くなるし悪戦苦闘の結果、疲れてしまった。

 

車の掘り出しに悪戦苦闘の30分だった

 

9時に『間山温泉・ぽんぽこの湯』に向かう途中で「道の駅・北信州やまのうち」に寄り、温泉饅頭とリンゴをお土産に買った。10時過ぎにオープンされたばかりの「ぽんぽこの湯」に着いた。入湯料金の550円のチケットを買って入ったが、フロントも昨年に比べて随分様変わりしていた。ビールの自動販売機は撤去されていたが、持ち込みの缶ビールを湯上がりに飲んだ。

 

間山温泉・ぽんぽこの湯の看板は同じだけれど・・・

 

「ぽんぽこの湯」は中野市の公営から民営に変わり、キャンプ場の新設や食堂のメニューも変わってしまい、手造り感がなくなり美味しそうなものがなかった。昔はひなびた田舎の温泉だった。入り口には手打ちのそば打ち場があり、おじいさんやおばあさんが家で作った焼き餅や漬物を持ち合って1日ゆったりのんびりしていたが、大広間の座敷は縮小され居心地が悪くなった。

 

戸隠手打ちそば処・善八

 

長居は無用なので食事を摂るのをやめて、長野高速道入り口近くの『戸隠手打ちそば処・善八』に向かった。善八で頼んだのはランチメニューのなかから「とろろめしとぶっかけそば」だった。私たちが入店したときは、お客は3人だけだったが、お昼時だったので次々に入店してきた。おじいさんとおばあさんのふたりでやっている店だが、石臼手挽き十割そばがうりの、ここらあたりでは有名店のようだ。

 

JA直営の農産物産店『オランチェ』でお土産を買った

 

高速に乗る前にJA中野市直営の農産物産店『オランチェ』に入り、行きに買った干し柿が甘くて美味かったので、干し柿を探したが今回は出ていなかった。ギンナンとリンゴをお土産に買って帰途についた。志賀高原では大雪が降っていたが、高速道路からは青空のもとで富士山が美しく見られた。

 

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