ユリカモメがやってきた
ユリカモメがやってきた
10月26日 木曜日 晴れ
花見川沿いを下流の海側へバードウォッチングに出かけた。午前中は家庭菜園の仕事をしていたので、出発が10時半となってしまった。雲ひとつない快晴だった。川沿いにはピンクのコスモスの花が風に揺れ、ピラカンサの実は朱色に熟していた。やがてヒヨドリが食べに来るだろう。そのヒヨドリやムクドリが林の中に集まり、騒がしく相談している。
太陽に照らされて銀色に輝いていた
ススキの穂が太陽に照らされて銀色に輝いていた。まるでお年寄りの白髪のように見えた。総武線の電車が鉄橋を渡っていく光景がススキの穂の向こうに見えた。ススキの穂を鋏で切り取っている男性がいた。今晩は縁側にススキと団子を飾って十三夜の月を見るのだろうか。
熟すピラカンサの実
ピラカンサの実が赤く熟していた。芝生広場では保育士と子どもたちが追いかけっこをしていた。のんびりした風景だが、ウクライナやパレスチナでは今も戦争が続き、小さな命が毎日失われているのも現実なのだ。どうしようもないまどろっこしさを感じる。ガザはイスラエルによって蹂躙されるだろう。すごい数の死者が出るに違いない。問答無用でイスラエルとハマスの間での即時停戦が必要なのだ。アメリカのバイデン大統領は停戦を呼びかけずにイスラエルを支援するという。何という愚か者なのだろう。昨日は『国境のない医師団』東京事務所から、ウクライナ、パレスチナ、コンゴ、ブルンジ、モロッコ、リビアの紛争地や災害地からの活動レポートが届いた。私にできる行動として『国境のない医師団』に5000円のカンパを送った。
コサギが獲物を捕らえた
2羽のコサギが堰堤に佇んでいた。そのうちの1羽が潮の引いた浅瀬に舞い降りた。しばらくすると立て続けに小魚に狙いを定めて狩りを始めた。素早い首の動きと嘴の一撃である。コサギとの距離が100mほど離れているので、細かいところは分からなかったが、動作から想像すると次々に獲物を捕らえて飲み込んでいるようだった。
キョウチクトウが、今が盛りと咲き誇っていた
夏の花の代表であるキョウチクトウが、今が盛りと咲き誇っていた。ピンクの花は美しいが、その木は猛毒を秘めている。「美しいバラにはトゲがある」はよく言われる言葉だが、「美しいキョウチクトウには毒がある」
天は二物を与えずか!
オナガが10数羽の群れになって餌を探して木々を移動していた。オナガはカラスの仲間だが、黒い帽子を被り、胸と腹は白く、薄い青色の翼と尾は長く、スタイリッシュな姿をしている。姿はかっこいいのだが、鳴き声はグェーッグェーッといただけない。天は二物を与えずか!
悠々と泳ぐボラ
50cmほどのボラが群れて泳いでいた。ボラは成長とともにオボコ→イナッコ→スバシリ→イナ→ボラ→トドと名前が変わる出世魚である。これ以上は大きくならないの「とどのつまり」はトドが語源とされている。小さいボラは川底の泥などを食べているので、食べても泥臭い匂いと味がするが、90cm級の大きなボラは美味しい。花見川の河口に来るとボラが群れを作って泳いでいた。大きなスズキやエイが泳いでいる姿も見られた。
赤い嘴に白い体のユリカモメがやってきた
赤い嘴に真っ白い体のユリカモメがやってきた。冬鳥である。花見川河口の下水処理場からの排出水により、川底が撹乱されることによって浮き上がってくる餌を目当てにユリカモメやヒドリガモが群れている。冬鳥の数はまだ少ないが20羽ほどのユリカモメと10羽ほどのヒドリガモが混じり合いながら餌を求めていた。
有毒なナンキンハゼの実
葉っぱが紅葉し青い外皮が弾けて白い実が私を呼んでいた。硬い実を噛ってみると、爽やかだが何とも言えない味がした。Googleで調べてみると「ナンキンハゼ」という植物で、有毒なので触れば皮膚がかぶれ、誤飲すると嘔吐・下痢・腹痛を起こす、と書いてあった。飲み込まなくて良かった。
悠々と泳ぐスズキ
検見川の浜に着くと海は静かでベタ凪だった。海鳥は1羽も確認することができなかった。どこかに翔んでいって休んでいるのだろう。富士山は雲のなかだが、東京スカイツリーはスッキリと立っていた。SUPの練習をしている初心者が防波堤内を漕いでいる。とても気持ちよさそうだ。
検見川の浜でひとり宴会
浜辺の草はらに座って、ひとり宴会を始めた。箸を持って来なかったので、流れ着いている篠竹を折って箸の代わりとした。ササならば毒はないから大丈夫だ。平日なので海を見に来ている人も少ない。羽田空港に着陸する飛行機が次々に目の前を横切る。その飛行機と競争するかのようにカモメたちが翔んでいる。1時間ほど草はらで大の字になって昼寝をした。とても気持ちのいい時間が過ごせた。
日傘をさすカップル
日傘をさしているふたりのシルエットが浮かび上がった。最初は女のひとだろうと思ったが、体型からみて男と女のカップルだった。そういえば最近は男も日傘をさすようだ。ふたりの若者に「こんにちは」と元気よく挨拶された。ふたりは額に汗をかいていた。話してみるとふたりは我孫子に学校があって、木更津の家に帰るところだという。我孫子からここまで40km。これから木更津まで60kmを自転車でこいで行くという。元気な若者だ。「車に気をつけて事故に遭わないようにな。がんばれ若造・ガッツだぜ!」とエールを送った。素晴らしい若者がいるものだ。なんだか嬉しくなってしまった。
コスモスが風に揺れていた
大きな犬の毛づくろいをしている男性がいた。「シベリアン・ハスキーですか?」と声をかけると、「シベリアン・ハスキーに似ているけれど、アラスカン・マラミュートという犬だよ」と答えが返ってきた。名前からいっても北極圏で飼われている犬だろう。私と男性がしばらく話していると、小さなポメラニアンを連れた母娘がやってきた。犬同士は初対面であっても、犬同士の挨拶で鼻を近づけたり、身体の匂いを嗅いだりしている。ポメラニアンが馴れ馴れしく近づきすぎるので、アラスカン・マラミュートが短い唸りの声を発するようになった。男性飼い主によると警告の声だという。
十三夜の月が上がってきた
自宅には17時に戻ってきた。出会った野鳥は、ヒヨドリ、キジバト、ムクドリ、スズメ、ドバト、オナガ、カワウ、セグロカモメ、ハシボソガラス、ダイサギ、コサギ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、ハクセキレイ、ユリカモメ、アオサギ、イソヒヨドリ、ウミネコ、スズガモの20種類だった。