野の鳥は野に

 

あおさぎ (2)1

最初の1枚・アオサギ 20081230

 

 2009年1月

最近カメラを片手に花見川沿いにバードウォッチングに出かけることが多い。契機は昨年の2008年10月、「上高地の自然」をテーマにした20人ほどの集まりに参加しボランティアガイドの方の話を聞いた。その際、フロアで無料配布していた「日本野鳥の会」のPR誌『野鳥』を手にとって見た。その瞬間に不思議なことであるが「野鳥」という言葉を造語し「日本野鳥の会」を創立した中西梧堂の本や高野伸二の『野鳥図鑑』を熱心に読んだ中学生の頃のことが歳月という時空を超えて一瞬のうちに遡ってきた。PR誌『野鳥』を自宅に帰る電車の中で読み続けた。当時、「日本野鳥の会」に入ろうと思っていたが、生活の忙しさにかまけて年月ばかりが流れていたことを思い、自宅に着くなり直ぐにインターネットで「日本野鳥の会」のホームページにアクセスし本部直轄会員としての入会手続きをとった。

 

木の枝に止まっている鳥

自動的に生成された説明

モズのメス

 

私が育った群馬県松井田町は自然に囲まれ、近くに流れる碓氷川は清流の名に恥じず、夏は毎日川遊びに出かけ鮎を追い鰍を突いた。冬は川幅一杯に全面氷結した氷の上に乗り、氷の下に流れる水や泡を見たものである。また花を育て野鳥を捕まえ自分で作った籠や小屋で飼った。周りの自然の中でも野鳥は特に好きで鳥類図鑑を買い、生態を調べノートに記録し将来鳥類に関する本を出版したいと考えていた。しかし社会に出て働くようになったのに伴い自然との会話も途切れ、いつしか身の周りは自然とは切離された生活となり花や野鳥のことも徐々に遠い存在となっていった。

 

木の枝に止まっている鳥

自動的に生成された説明

おなじみのスズメ

 

 「日本野鳥の会」に入会したのを契機に昨年の12月末に突然バードウォッチングに出かけようと思った。毎月後楽園ホールのリングサイドで若者たちの熱戦を写しているデジタルカメラ(Canon Power Shot)を片手に花見川に出かけたのである。最初の1枚目の被写体がアオサギでありズームにしてみると実に迫力ある写真が撮れた。私とアオサギの距離は10m位だったと思う。アオサギの足元を2匹のカルガモが泳いでいるのもカメラに収めた。その日のうちにバン、カワウ、ホシハジロ、ヒヨドリ、スズメ、ムクドリ、ハクセキレイ、ツグミ、を撮った。新年にも出かけ、シジュウカラ、コガラ、キジバト、モズ、カワラヒワ、イソシギ、オナガガモ、カイツブリ、をカメラに納めた。カメラで野鳥を撮るのは難しい。野鳥は止まってくれず常に動いている。ピントを合わせるのも一苦労だ。でも楽しい。

 

シジュウカラ

 

 バードウォッチングは野鳥の姿を確認しやすい木々の葉が落ちた冬がいい。天気の良い日にのんびり野鳥を観察しながらカメラに納める。ゆったりした時間が流れる自然との対話。人間も動物として自然の一部であり大きな自然の中で過ごすことにより心身ともに健やかな本来の姿を取り戻すことができる。昨年までは私が作成している家族のホームページの表紙は高山植物の花が多かったが今年からは野鳥シリーズに衣替えすることにした。人生の楽しみがまたひとつ増えた。

 

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