クリスマス寒波

 

 

昨年同様に北海道のほぼ中央に位置する上川郡層雲峡温泉に3泊4日の温泉湯治に出かけた。昨年は私一人で出かけ4泊5日の湯治兼スキー旅であった。今回は群馬のお袋、弟に妻の彰子を加えた4人旅だった。3泊4日でも4泊5日でも旅費は同じだが妻の仕事の関係で3泊4日となった。

 当初、晴れたならば黒岳スキー場で今シーズンの初滑りを楽しむ予定であったが、2日目はクリスマス寒波に見舞われ吹雪状態でロープウェイもリフトもストップしホテルに缶詰状態となった。3日目は寒波が東に去ったため青空が望めたが3人が旭川市に出て「松尾ジンギスカン」を食べたいので付き合って欲しいとの声に、今回はスキーは諦めて同行することになった。

 ホテル大雪の無料シャトルバスで旭川駅まで1時間20分。途中、雪も降らず空は快晴であった。車窓から見える白一色の雪景色にあちこちでカメラや携帯電話のシャッター音が聞こえてくる。関東地方からやってくる旅行者にとって一面の雪景色は珍しいものなのだ。凍結した道路を走る車の姿は殆どなく美しい景色が続いていく。旭川駅に到着すると店の場所が分からないためにタクシーを
拾い目的のジンギスカン店に向かった。

 11時半に店に入ると客は私たちが最初である。畳の部屋に4人席のテーブルが18席用意されていた。メニューを確認すると全て味付けジンギスカンである。野菜のついたセットを2人前と単品の肉を2種類2人前、合わせて白菜キムチときのこセットを注文し生ビールで乾杯である。普通は焼いた肉に好みの味のタレをつけて食べるわけだが、今回初めて味付けジンギスカンというのを食べた。肉が新鮮なために美味い。味も辛くはなく柔らかい肉の味が分かる味付けだった。最初は店の方が野菜の置き方や肉の置き方を教えながら焼いてくれた。美味かった。

 ビールが済めば地酒の純米吟醸と銘打った「大雪の蔵」720mlを頼んでみた。これは当たりだった。喉元を過ぎる感覚と僅かに残る香りが心地よい。実に美味い酒だった。話も弾む。1時間半の食事時間もあっという間に過ぎていった。店から旭川駅までの戻りは10分ほど雪道を歩いたが、晴れの割には人通りも少なく駅前から真っ直ぐに伸びる遊歩道にはブロンズ像も置かれ静かな散歩だった。ブロンズ像の脇でポーズを真似て写真を撮った。これも旅の記憶として残るだろう。

                      2010年12月27日