元気いっぱい、わくわくキャンバス
バドミントンで遊ぶ子どもたち
千葉市立幕張東小学校で小学校3年生から6年生を対象とした「平成25年度わくわくキャンパス」がスタートした。千葉市立の116全小学校で「放課後子ども教室」として開設されているもので、6月から9月までの前期(T期)で8回、10月から2月までの後期(U期)で15回の合計23回が木曜日の放課後に計画されている。
千葉市教育委員会生涯学習振興課の資料によると、「千葉市教育委員会においては、放課後等に小学校の余裕教室、体育館、校庭等を使用して、安全で安心な子供の活動拠点(居場所)を作り、地域住民や保護者の方々の参画を得て、小学生を対象に、学習やスポーツ・文化芸術活動、地域住民との交流活動等を行うことにより、子どもたちが地域社会の中で、心豊かで健やかに育まれる環境づくり「千葉市放課後子ども教室推進事業」を勧めております。」と制度概要が書かれている。
6月6日、第1回目が開かれた。保護者への「わくわくキャンパス」の概要説明と子供たちを交えての顔合わせ自己紹介がなされた。私は、甥が結婚する彼女の子どもが幕張東小学校に在校しており、彼女が働いているために「わくわくキャンパス」に保護者として参加できないために私が代理として参加した。私は母親の代理で出席していること、地元の自治会役員をしていること、東小学校のPTA会長をしていたこと、などを話した。第1回目の顔合わせを終えたあと、「わくわくキャンパス」の責任者は、第2回目以降も協力者として出席してくれるよう私に依頼してきたので、私は了承した。
6月20日、第2回目は2週間後に開かれた。卓球・バドミントン、室内ゲームが行われた。参加した子ども数は約50人ほどだった。私は体育館で行われた卓球・バドミントンの方に参加した。卓球指導は75歳の方が、バドミントンは3人の幕張中学生が行った。参加者数が多いのでどうなることやらと思っていたが、参加した子どもたちはそれぞれが相手を見つけ遊びだした。初めてバドミントンをする子どもは羽を打つことが出来ない。こうにするんだよ、と手を取りながら教えてやると、一気に子どもたちの顔に驚きと喜びの笑顔が出る。何度も何度も失敗しながら徐々に上手くなっていく子どもたちの様子が見て取れる。卓球にしても同じだ。最初はラケットの持ち方も知らなかった子どもたちが相手と交互に打ち返しながら遊ぶようになっていく。子どもたちの順応性は高い。
1時間の遊び時間の残り10分ころになったとき、2人の女の子がやってきて「教室に戻っていい?」と話しかけてきた。「どうしたの?」と理由を聞くと、「ヘボ!下手!って言われて、つまらなくなってしまったから教室に帰りたい」とラケットを持って萎れていた。私は「最初から上手な人は誰もいないんだよ。みんな最初は下手でヘボなんだよ。そんなことを言われても気にすることはないんだよ。おじさんが一緒に行くから、もう一度卓球をやろうよ」と言うと、2人の子どもは頷き、納得し、顔も元気となり卓球台に戻り、順番を待って卓球を再会した。その後、卓球台の方を注意して観ていると「ヘボ!下手!」などと言っていたのは、子どもではなく保護者の母親の一人であった。いろいろな保護者がいるもので、言葉ひとつで子どもたちの心が傷ついたり励まされたりすることがあることが分かっていないのであろうと思った。
6月27日、第3回目は「なぎなた」が計画されていた。臨時授業で6時間目が実施されるとのことで、わくわくキャンパスの時間は15時20分〜16時までの40分と設定された。私は午前中に農業教室で出かけていたが、午後は空いているので今回も協力者として参加した。
私は薙刀の練習風景を見るのは初めてだった。体育館に行って倉庫から薙刀を40振り搬出した。薙刀を指導されるのは大曽根先生。子どもたちが集まってくる前に大曽根先生と話した。それによると東小の近くにある「すがはら幼稚園」が設立されたのは38年前で、翌年に子どもたちの健康と礼儀や躾のために薙刀授業を取り入れたという。大曽根先生は自分の子どもが「すがはら幼稚園」に通園していた関係で、子どもと同時に一期生として薙刀教室に参加したという。それから37年継続し過去には日本選手権や世界大会にも出場優勝し、現在は千葉県を代表する指導者になっているという。いやはや、ここにも凄い人がいるものだ。出会ってみないと分からないことだ。私が日頃から感じていることだが、自治会活動についても同じことが言えるのだが、サラリーマンを終えたあとも地域社会と関係を持ち色々な人と出会うことを通じて新たな発見があり自分自身への刺激がありいいものだ。
薙刀というスポーツについて大曽根先生に聞いてみたところ、薙刀は今や世界選手権を開くほど拡がっており、剣道よりも技の種類も多いという。私が知っている薙刀は弁慶の持っていた薙刀であり、義経との1000本目の剣を巡っての五条の橋の上で戦いであった。実際に先生の話を聞きながら子どもたちが練習しているのに混じって一緒にやっていると「正座」や「礼に始まり礼に終わる」の所作が基本動作として繰り込まれているのは武道としての剣道や以前やっていた居合とも共通していた。
7月4日、第4回目は「卓球・バドミントン、室内ゲーム」が計画された。責任者から午前中に連絡があり、わくわくキャンパスが終わったあとも第5回目に計画されている「ペットボトルの風車作り」の事前準備を手伝って欲しいとのこと。先週もわくわくキャンパスが始まる前に手伝っていたのだが、ペットボトルの底に穴を開けるのは結構な力とコツが必要であり、子どもたちにキリや千枚通しを使って穴を開けさせるのは無理である。
50分ほど体育館で子どもたちが元気に遊んだあと、教室に戻り1時間ほどペットボトルのキャップと底への穴あけ作業を手伝った。お母さん3人と私とで作業を行ったが、お母さんたちも穴あけに慣れておらず、力のいる底への穴あけはほとんど私一人の作業であった。その結果、右手の手のひらの中央にマメができた。それにしても最近、子どもたちの下校時間になると校門前に子どもたちを迎えるための親の姿が目立つようになった。ニュースで報道されているように子どもたちへの理不尽な事件が度々発生している。その自衛手段のために自宅から親が子どもを迎えに来ているのだ。屈折した社会では弱い者へ皺寄せが現れるという嫌な風潮が続いているものだ。