若者の眼は鋭い
ゴイサギの眼は鋭い
1月9日 晴れ
ゴイサギの若鳥が水辺で佇んでいた。ゴイサギの前にはカルガモが2羽ゆったり羽根を休めていた。ゴイサギは水辺の近くに棲むサギである。鋭い眼は水面を凝視し水中の獲物を狙っているように見えた。私はしばらくの間ゴイサギを見つめていたが、獲物はいないようだった。ゴイサギの若鳥を見ると高校時代の同級生の小林くんを思い出す。小林くんは山のほうに住んでいた。
ゴイサギの若鳥を見ると小林くんを思い出す
高校1年の夏休みに入る前日、小林くんから山に棲むミゾゴイというサギの雛を3羽もらったことがあった。翌日鳥小屋を建てて毎日、魚・蟹・昆虫・ミミズなどの餌を捕って育てた。3羽は元気に育っていたが、40日間の夏休みが終わり、学校が再開されるとミゾゴイの餌とりができなくなるため放してやった。しばらく屋敷の周りで餌を探していたが、そのうちに姿が見えなくなった。ミゾゴイはゴイサギの若鳥と同じ色をしており、翼を広げると1m以上になる大きなサギで、猫も避けて通るほどだった。小林くんは高校を卒業すると大学進学も会社への就職もしないで、両親がやっていた豆腐屋を継いだ。高校卒業後、小林くんとは会うことはなかった。小林くんは20代前半で結婚したが、30代で亡くなってしまった。ゴイサギの若鳥を見るたびに、背が高く明るく朗らかだった小林くんのことを思い出す。
突然、「野球やサッカーは禁止します」の立て看板が立った
先月まで子どもたちがサッカーボールを蹴って遊んでいた広い芝生の広場に突然サッカー禁止の立て札が立った。びっくりした。私の子どもも遊んだ広場で、昨年暮れには無かった看板である。大人たちがサッカーボールや野球ボールは危険と判断し、ボール蹴りやキャッチボールで遊ぶ子どもたちの遊び場を奪ってしまった。子どもたちの歓声が広場から消えた。子どもたちに必要なのはボール遊びやかけっこができる広場なのだ。子どもたちを広場から締め出して、大人たちは何を考えているのだろうか。
ただいま食事中のマヒワ
黄緑色の可愛いマヒワが10羽ほどの群れで枝から枝へと渡っていた。マヒワは10月ころに北の国から渡ってくる冬鳥である。枝にぶら下がりながらアクロバティックな姿で花穂を食べているようだった。私たちは逆立ちしながら頭を下にして食事などはできないが、野鳥たちはいとも簡単にやってのける。素晴らしい身体能力だと思う。体が小さく動きが早い野鳥を望遠レンズで撮影するのは難しい。
年明け早々に田起こしが始まった
赤いトラクターがエンジン音を響かせて田起こしをしていた。2番穂をすき込んで肥やしにしているのだった。この辺りの田植えは4月下旬の連休に行われるので、田植えの前にもう一度耕してから水を張り、6条植えや8条植え田植え機で苗を植える。
メジロが追いかけっこをしていた
花見川河口に向かって往復10kmを歩いていた。花見川右岸の黒松の防風砂林の脇で、チィーチィーという小さな鳴き声とともに凄いスピードでメジロの追いかけっこが始まった。メジロは枝から枝へちょこちょこ渡っていく場合と、急転回も含めて凄いスピードで移動する場合がある。今回はメジロの2羽が追いかけっこをして遊んでいるように見えた。メジロは愛玩用として飼育できる最後の野鳥であったが、2012年4月から禁止された。
ただいま食事中のシジュウカラ
シジュウカラがヨシの茎につかまり、茎の中に棲んでいる虫を見つけ出して食べていた。ヨシの茎をくちばしでトントン突つきながら、その中に棲む虫が驚いて微かに動く音をキャッチし、茎を食い破って中に潜んでいる虫を食べるのである。実に巧みにやってのける。凄い能力だと思う。
ただいま食事中のオオバン
オオバンが堤防に上がって食事中だった。草を食べているのである。オオバンは水の中に逆立ちをしながら海藻類を食べる時もあるが、オウバンの食事のほとんどは草である。時たま川岸の近くの畑に上がり、ブロッコリーやダイコンの緑の葉を食べている場面に出くわすこともある。
土休日はスタンディングボードサーファーが多い
土日祝日は花見川河口から上流5kmにある汐留橋までスタンディングボードサーファーが上ってくる。先日の日曜日には13人のサーファーに出会った。サーファーたちが上ってくると、羽を休めていたカモたちは沖の方へ飛び去ってしまい、観察できる数が少なくなってしまうのである。
立入禁止の防波堤の突端で釣り人が投げ釣りをしていた
幕張の浜で足もとに打ち寄せる波音を聞きながら遠く富士山を眺める。今年の富士は雪が少ないようだ。波間にはヒドリガモやオオバンなどが揺れている。立入禁止の柵を乗り越えて防波堤の突端で釣り人が投げ釣りをしていた。私はダウンジャケットのポケットからスキットルを取り出し、肥後守で切ったサラミソーセージをつまみにウィスキーをクイッと飲み下す。雲ひとつない空から陽光が燦々と降りそそぎ、実に穏やかである。バードウォッチング休憩時のひとこまである。