ウメにウグイス

 

ピンクの花が咲いた枝

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ウメにウグイスのトリック

 

 3月2日 晴れ

息子と妻を送り出したあと、花島公園のバードウォッチングに向かった。今回はジェットボイル、ガス、インスタントラーメン、ソーセージを入れたザックを持った。花島公園に向かう途中で、今年になって初めてウグイスのホーホケキョという囀りを聞いた。それも1羽だけでなく、あちこちらから聞こえてきていた。

 

木の枝に止まっている鳥

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ウグイスの雄が姿を現した

 

花島公園に着き、野鳥観察の水場に行ったところ、多数のバードウォッチャーが集まっており、カメラマンの数は10人にのぼった。何を撮っているのかと尋ねたところ、ウグイス、ルリビタキの雌、ジョウビタキなどがやってくるとのことだった。私もベンチに腰掛けて待っていると、チャッチャッチャッという地鳴きとともにサザンカの木にウグイスの雌がやってきた。

 

ピンクの花に止まっている鳥

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ウメの花にやってきたウグイス

 

縁起物の言葉として「梅に鶯」というのがある。この言葉を写真で撮ろうとして、竹竿の先に赤いウメの花を差し、その枝や花に小鳥の餌となる2cmほどの大きさのミルワームという虫を付けて、野鳥を呼び寄せていたグループだった。こういう手段によってウメとウグイスの写真を撮っていたのか、と改めて感じいったのである。自然のままならば本来ウメの花にはウグイスは来ないのだが、トリック写真によってウメにウグイスの写真を撮っていたと知ってビックリ。

 

花にとまる蝶

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ミルワームを食べるウグイス

 

野鳥を呼び寄せるためにミルワームを枝や花に付けていた人と話してみた。そのかたが言うには「野鳥への餌付けについては様々な考えがあることは知っています。餌付けは絶対だめだという意見もあります。ハクチョウやカモ類にたいしての餌付けが各地で問題になっています。ですからこの場所での餌付けにこころよく思っていないかたもいると思われます。そういうかたは写真を撮らずに、別の日にこの場所にやってこられればいいのかなと思います。私は1週間に1日程度やってきて、餌付けをしながら撮影しています」とのことだった。私は初めて出会ったかただった。

 

木の枝

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餌付け用のミルワーム(虫)

 

また「ミルワームは愛玩用の小鳥を販売しているペット屋で売っていて、プリンのようなプラスチックケースに入っており、それを買ってきて1週間ほどパンくずを与えて太らせてから野鳥の呼び寄せ用に使っている」とのことで、「ミルワームが動き出して落ちないように、半分にちぎってから枝や花に付けている」とのことだった。実際にそのように虫を付けると、20分間隔ぐらいでウグイスがやって来ていたのだった。

 

木の枝に座っている猫

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カワヅザクラの蜜を吸うメジロ

 

想いもかけずにウメにウグイスのトリック写真を撮り終えたので、撮影場所から離れてジェットボイルでラーメンを作って食べたあと、上の芝生広場のカワヅザクラが3分咲きだったので、そちらでヒヨドリやメジロが蜜を吸いに来るのを待った。暖かな日だったのでサクラの花の下のベンチに座って待っていると睡魔に襲われてきた。なかなかヒヨドリもメジロもやってこなかったが、待つこと30分で最初のメジロが2羽やってきた。

 

カワヅザクラの蜜を吸うメジロ

 

2羽のメジロは枝から枝へ、花から花へと移動し、嘴を花芯に突っ込み、花粉で嘴を真黄色に染めながら蜜を吸い、3本の桜の木を移動していった。撮影したメジロの写真を確認すると、メジロの舌は結構長いことが分かった。そのあと30分ほど待ったが、.ヒヨドリの鳴き声は聞こえてくるのだが、サクラの花にはやってこなかった。

 

動物, 水, 食品, 鳥 が含まれている画像

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シジュウカラの水あび

 

自宅に戻る途中で神場公園に寄ってみた。水場の脇にヤブツバキが咲いていた。ベンチに座って待っていると、ジュクジュクジュクという鳴き声で黒いネクタイを締めたシジュウカラがやってきた。ヤマガラもチーチー鳴きながらやってきた。ヤマガラは木の枝に留まりながら、拾ってきた木の実の殻を割っているようだった。シジュウカラもヤマガラも神場公園ではよく見かける野鳥である。

 

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ヤマガラの水あび

 

次々にやってきたシジュウカラの1羽が水際に降りて水あびを始めた。3度4度と羽をばたつかせて水あびを繰り返していた。シジュウカラが飛び去ると、木の枝からシジュウカラの水あびを見ていたヤマガラが、安全を確認したかのよう水辺に降り立ち水あびを始めた。ヤマガラも3度4度と羽をばたつかせて水あびをやっていた。終えたあとは枝の上に舞い上がり、羽をばたつかせて濡れた翼から水を切っていた。野鳥にとっては翼の清潔が命なのである。

 

木の枝に止まっている鳥

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ポーズをとるカワラヒワ

 

野鳥観察というものを改めて考えてみると、バードウォッチングというものは健康的な趣味だと思う。野鳥観察する際には、野鳥の細かい仕草を観るために、できれば双眼鏡があった方がいいのだが、無くても構わない。自然の四季の移ろいのなかで、野鳥を見つめながら鳴き声を聴く。野鳥の動きを写真に撮りたければ、カメラと望遠レンズを用意し、野鳥の可愛らしい仕草を写真に収める。その写真でカレンダーを作ってもいいし、印刷して部屋に飾ってもいい。野外で新鮮な空気を吸い、太陽の下でウォーキングをしながら美しい野鳥を観察できる。このことに喜びが感じられれば、実に健康的な趣味だと思う。

 

ピンクの花が咲いている木の枝に止まっている鳥

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ウメの花にやってきたウグイス

 

今回はメジロを撮影する前に想いもかけずに、ミルワームという虫で野鳥を呼んで撮影している人たちに出会った。その場所で撮った写真が今回の「ウメにウグイス」というテーマである。自然のままではウメの花にはウグイスはやってこない。ウメの花とウグイスという美しいものどおしを結び付けるための材料として小鳥の餌であるミルワームを使っていたのだった。

 

ピンクの花が咲いた枝

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ウメの花にやってきたウグイス

 

以前、北海道の羅臼にシマフクロウの撮影に出かけたことがあった。そこでもシマフクロウをオショロコマという魚で餌付けていたし、冬の間はタンチョウヅルにも伊藤サンクチュアリで餌を撒いていた。オジロワシやオオワシの撮影時も魚を撒いて呼んでいた。自然界に野鳥の餌が少なくなっている時季に、餌を撒いて野鳥を呼びよせ観察したり、写真を撮ったりするのもひとつの方法かと思うが、本来の姿ではないということを押さえておく必要があると思う。

 

木の枝に止まっている鳥

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メジロの舌は長いのだ

 

今回出会った野鳥は、キンクロハジロ、コガモ、カルガモ、ハシブトガラス、スズメ、ムクドリ、ウグイス、ハシボソガラス、ツグミ、シジュウカラ、オオバン、キジバト、オナガカモ、ヒヨドリ、モズ、メジロ、ハクセキレイ、ドバト、ヤマガラ、カワラヒワ、シロハラ、アオサギ、コサギの23種類だった。

 

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