人生最高の67歳の誕生会
テンジン・シェルパからカタのプレゼントを受ける
トレッキング中は朝昼夜の食事の他、午前と午後にそれぞれティータイムがあり、それらを通して大量の水分を取ることで高山病予防に一役かっています。高山病予防対策は次の3項目が有効とされています。
1、標高の高いところでは身体の水分がどんどん蒸発するためにがぶがぶ水を飲むこと。
標高が1000m増すごとに1日1リットル増やすこと。
2、胃の働きが落ちるので食事は腹8分目に控えること。
3、外温が下がるので身体を温かくし水分を多く取ること。
食事の時やティータイムの時に参加者は様々な話をします。私の誕生日が11月13日であり、67歳になることも話題の一つになり、ゴーキョ・ピーク登頂を終えたら、みんなで誕生会をしようと話し合っていました。ゴーキョ・ピークへの登頂は快晴のもとスケジュール通りに進んだため11月12日に登頂を果たしました。翌日の13日は一旦標高を落とすため4410mのマッツェルモまで降りました。
私はトレッキング中の飲酒について標高が3000m台ならば飲んでも構わないが4000mを越える地点では止めようと考えていました。私自身が大丈夫でも私が飲むことによって同行者の酒好きな方が飲みたいだろうと思うし、万が一にも体調を崩した場合は添乗員に迷惑をかけてしまうとので自粛していました。
夕食が終わってお茶を飲んでいると突然食堂の電気が消えました。するとコックのプラディップさんを先頭にしたスタッフが列を作ってハッピーバースディの歌を歌いながら食堂に入ってきました。プラディップさんは両手で火のついたロウソクが立ててあるケーキを持っています。やったー!と思いました。私の誕生会が始まったのです。
ケーキは私の前に置かれ、みんなが祝福の歌を歌ってくれている中でロウソクの火を吹き消し、ケーキに包丁を当てました。スタッフ一人ひとりからは旅の安全などを祈願するカタという絹の布を首にかけてもらいました。プレゼントも貰いました。添乗員の堤さんからは香炉をいただき、サーダーのパトナさんからは太陽電池で回転するマニ車をいただき、全員の署名が入ったバースディカードも頂きました。
バースディ・カードとバースディ・ケーキ
例年ですと幕張の自宅で妻とともに二人だけの誕生会をしているのですが、今年は6人の山の仲間と添乗員の堤さん、それに共に山に登っているスタッフのみなさんに祝福されての賑やかな誕生会となりました。私の誕生会として人生の記憶に残るものになりました。誕生会を祝っていただきましたが酒は無理だろうなぁ、と考えていたところ、コックのプラディップさんがお湯割りしたククリラム酒をトレーに載せて再登場してきました。添乗員の堤さんもさすがに酒は考えていなかったようですが、その場の勢いで美味しく飲ませていただきました。おかげ様で私にとって人生最高の誕生会となりました。