野鳥の王者・キジの赤仮面とヒバリのさえずり

 

赤仮面を被ったようなキジのオス

 

 5月1日 快晴

 朝方までの雨も上がったので花見川を遡って花島公園までバードウォッチングに出る。田おこしが始まった田んぼからは長閑な蛙の声が聞こえてくる。風が強いため花見川の川面は波立ち、キジの甲高い鳴き声が対岸の休耕田から聞こえてくる。キジの声はすれども姿は見えずの鳥なので写真に撮りたいものだと思う。

 

 すっかり青葉と変わった桜並木のトンネルを歩いている時にウォーキングをしている方から木の枝でちょこまか動いている野鳥の名前を聞かれたので、キツツキ科のコゲラとホオジロ科のアオジの名前を教えた。その方は、なるほど、という感じで2種類の野鳥を興味深げに見ていた。

 

 天戸大橋まで歩いて来ると橋のたもとに薄紫色の桐の花が満開に咲いていた。綺麗な花だと思う。桐の花を見るたびに5月の第2日曜日の母の日に走った安中遠足侍マラソンを思い出す。スタート点から5kmほど走った原市地区に大きな桐の木があり、その桐の花が見事に咲いているのを見るのが私にとっては年中行事だった。しかし、侍マラソンは今年から申し込み方法が変更となり、申込の初日と2日目はスキーに出かけていて申し込めず、3日目に申し込んだときは既に定員を超したため募集は打ち切られていた。誠に残念であったが今年の出走は出来なかった。

 

田んぼの畦道でキジのオスに出会えた

 

 花島橋の手前の芝生の公園で片足のムクドリが餌をついばんでいるのに出会う。右足を何らかの事故により切断したようで片足でぴょんぴょん跳ねながら歩いていた。たとえ片足になろうとも逞しく生きていく姿があった。周りの雑木林には山藤が咲き、ウグイスの鳴き声があちらこちらから聞こえてくる。花島公園の周りは藪が多いのでコジュケイの鳴き声も頻繁に聞こえてくる。

 花島公園に到着し八重桜を見上げながらテーブルにガスボンベを出しコッフェルでお湯を沸かしだした。そこから広場の周りにあるベンチに腰掛けて休んでいる方々が見えるが殆どが年配者だ。もっとも私も65歳なので一応高齢者の枠組みに入っているのだが、本人は全く高齢者の自覚はない。

 

草の上にいる鳥

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振り返ったキジのオス

 

 帰りは亥鼻橋から左岸を歩き、行きにキジの鳴き声が聞こえていたあたりの休耕田にやってくると、何と田んぼの畦道にキジの雄がいるのを確認した。前回とは違いカメラには500mmの望遠レンズが取り付けてあるので焦点を合わせてシャッターを押した。撮りたい撮りたいと思っていたキジの雄の写真をとうとう撮影することが出来たのである。黄色い目と真っ赤な顔、緑の頭と紫の首、胸や背中は太陽の光を浴びて光っていた。日本の野鳥の中で最も派手なスタイルが野鳥の王者である雉の雄である。

 

 5月8日 くもり

 花見川を上流の神場公園まで歩いた。5月の連休も終わり随分田植えも終わっている。汐留橋までの間で海鳥には1羽しか出会えなかった。最近は水辺の鳥との出会いが少ない。潮が上がってきているのが分かる。汐留橋のたもとで4人がルアー釣りをしている。そのうちの3人はフライだ。時たまボラの稚魚が釣れるが釣り人はヒットと釣り上げる感触を楽しむようで、釣り上げた魚はすぐにリリースしている。しかし一度釣られた魚は唇に傷がつき、たとえリリースしても病気になることが多い。私は一度釣った魚は食べることにしているので遊びとしての釣りはしないことにしている。私は花見川のような汚れた川では釣りはしない。釣った魚が食べられないからだ。

 

草の上にいる鳥

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美しい声でさえずり続けるヒバリ

 

 ホバリングしながら天空でさえずるヒバリが草むらに降りたことを確認したので行ってみると、暫くして野草の穂に掴りさえずりだしたヒバリが目についた。私との距離は20m程だった。500mmの望遠レンズを向けてシャッターを押した。風が強かったので羽は逆立っていたが何回も風によってバランスを崩しそうになりながらも美しい声でさえずり続けていた。春の長閑な田園風景にヒバリの声は実に似合うと思う

 

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