千葉県スポーツ推進委員研究大会に参加
千葉県スポーツ推進委員研究大会開会式
毎年12月に千葉県下の各市の持ち回りで「千葉県スポーツ推進委員研究大会」が開催されており、今年は12月4日日曜日に柏市民文化会館と柏市中央体育館で行われた。今年のスローガンは「広めよう スポーツの輪 健康の輪 そして地域の輪」−輝く笑顔のためにーというもので、幕張地区からはスポーツ推進委員8人のうち休日出勤の1人を除き7人が参加した。
会場の柏市民文化会館へは幕張から乗用車2台に分乗し16号を北上し1時間で到着した。会館開場時刻が9時だったため1時間近くの待機となったが、千葉県各地から集まってくる委員たちで2ヶ所ある入口は人であふれかえっていた。入場口で渡された大会案内冊子を確認すると参加人数は848人となっていた。
大会内容は、開会式、式典、分科会、昼食、歓迎の集い、講演、閉会式という流れとなっていた。開会式で一番驚いたことは初めて「君が代」の国歌斉唱がなされたことだった。私は千葉県スポーツ推進委員研究大会に参加するのは今年で3回目だが、今回で33回を数える千葉県スポーツ推進委員研究大会で初めての出来事だと地区責任者は話していた。
分科会は2つに分かれ、第1分科会はパネルディスカッションで「柏市の魅力ある生涯スポーツの取り組みーだれもが、いつでも、どこでも、いつまでもー」、第2分科会は実技研修で「転ばぬ先のラジオ体操!!−健康維持のためにー」というもので、幕張としては第1分科会に参加した。
柳沢和雄筑波大学教授をコーディネーターとしてパネリスト2名、発表者3名で1時間30分の時間枠で行われた。発表内容は、第1が「柏市スポーツ推進委員協議会の概要」、第2が「体力年齢診断の取り組み」、第3が「みんなで楽しむニュースポーツまつり」というものだった。
パネルディスカッション「柏市の魅力ある生涯スポーツの取り組み」
私が興味を持ったのは第2発表の「体力年齢診断の取り組み」のなかで、測定結果を本人に伝えたあと、その後につながる指導をどう続けていくのか、ということが結果的に健康年齢を引き上げていくという位置づけだと思う。私が今年千葉市のチャレンジシニア教室を受講した際に体力測定結果をなぜ本人に公開しないのかを担当者に問い合わせた経過があったが、公開しない千葉市などは論外であって、重要なのは本人に公開した後の指導なのだと思う。その指導を本人が納得し体力維持向上に取り組んだ結果が健康年齢の向上につながり、それが成人病予防にもつながり結局は医療費低下につながっていくというものになっていくと思う。その点を明確にしていかないと体力年齢測定もその場限りのものとなってしまうと思うのである。
次に興味を持ったのは第3発表の「みんなで楽しむニュースポーツまつり」のなかで、当初のスタート時は障がい者、高齢者の参加に焦点にあてた取り組みだったが回を重ねるごとに参加者の減少と会場への送迎に関する問題がでてきたため、第7回(平成19年)からは参加対象を障がい者、健常者、高齢者の区別をなくし市民一般全てに拡大し、「バリアフリーでみんなで楽しむニュースポーツ」と変更すると同時に、幼児、高齢者、障がい者へ配慮しつつ、誰でも楽しめるスポーツゲームを考え出しながら現在も継続中との報告であった。
スポーツは身体を鍛えるという体育の側面もあるが、そのこと以外に人生を楽しむという側面からは余暇であり文化であるので、若い時だけでなくどのような年齢であろうと楽しむことが重要だという視点からスポーツを考えていくことが必要だと思う。柏市の取り組みは重要な点を提起していると思った。
昼食時の「歓迎の集い」は柏市で活動しているチアダンスチームである柏ゴールデンホークスによるダンス発表だった。このチームは小学生から社会人までの年代ごとチームで構成されクラブチーム世界大会にも度々日本代表として参加している優秀なチームとのことで、発表された演技を見ても厳しい練習を積んでいることが伝わってくるものだった。特にデュエットで踊った演技者のシンクロナイズされた演技は力強く素晴らしかった。
チアダンスチーム「柏ゴールデンホークス」の演技
午後の部の講演会は「地域スポーツと指導者の役割」と題して元プロ野球選手の小宮山悟さんの講演だった。小宮山さんは柏市出身で、芝浦工大柏高、早大、ロッテ、横浜、大リーグメッツ、ロッテという選手生活のあと、野球解説者、野球評論家、Jリーグ理事などの経歴を持っている方だった。1時間の講演時間だったが実にざっくばらんな話し方で会場からは度々笑い声が起こり面白かった。話の中心になったのは指導者として一番重要なのは、指導される対象者にスポーツの楽しさを教えることに尽きた。
スポーツのなかには様々な競技があるが、その競技を楽しいと感じることができた人は成長進化するが、つまらないと感じた人は延びないし結果的にはそこから離れて行ってしまうだろう、指導者として大切にしてほしいことは子どもたちが楽しいということが感じられる指導者になって欲しいというのが、小宮山さんが体験した結果を通しての指導者の在り方だと思う、というものだった。納得した。