千葉市水墨画同好会連合会展が始まった
3作品を展示した
千葉県立美術館で『第53回千葉市水墨画同好会連合会展』が7月13日から18日の予定で始まった。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大によって、展覧会は中止されたので2年ぶりの開催である。前日の12日、会場準備のために幕張公民館に6人が集まり、展示作品を2台の車に積み込み県立美術館に出かけていった。9時30分から準備が始まった。幕張同好会は前回と同様に各会場の壁面計測係になっていた。床面からの高さ1350mmに作品額の中心線を印し、出品する同好会ごとに6室→5室→4室→7室の順番に展示スペースを確定していった。1時間で各室の壁面計測を終えると、私たち幕張水墨画同好会の作品展示に移っていった。
パイネの角(アルゼンチン)
私は毎回山旅の絵を描いて展示している。今回は3点を展示した。『パイネの角』は昨年(2020年)2月に南米パタゴニア地方に行った際のアルゼンチンで出会った景色を描いたものである。空に突き上げる2本の角を描いた。昨年2月は海外旅行が許可されていた最後の月で、翌月から新型コロナウイルスの感染拡大によって全ての海外旅行が禁止されて現在に至っており、南米への旅行再開のメドは立っていない。
聖なるマチャプチャレ(ネパール)
『聖なるマチャプチャレ』は2013年11月にネパールのアンナプルナ山群のベースキャンプまでのトレッキングに参加した時の景色である。マチャプチャレは地元では聖なる山として崇められ、国内外の登山隊に頂上に登ることを禁止している山であり、今でもって未踏峰の山である。快晴のもとでマチャプチャレのベースキャンプで椅子に座り、山を眺めながらコーヒーをゆっくりの味わったことが昨日のように思い出される。
モンテ・ビアンコ(イタリア)
『モンテ・ビアンコ』は2017年7月にヨーロッパアルプスに聳えるモンブラン山群を一周するトレッキングに出かけ、フランスのシャモニーから出発し、イタリア、スイスを歩き、出発点のシャモニーに戻ってくる行程だった。モンブランはフランスとイタリアの国境に聳えている山で、フランス語で「白い山」を意味し、1年を通して雪と氷に覆われており、フランス側から見える山頂は丸く穏やかな印象を受けるが、イタリア語ではモンテ・ビアンコとなる。イタリア側からは穏やかな山容はがらりと変わり、ゴツゴツした岩峰が目立つ岩の塊の山となる。山の風景は眺める方向によって違った印象を受けることは多々あるのだが、フランス側とイタリア側でこれほど違っているのも珍しいと思った。3点の絵とともにトレッキングで写した写真を出品票の横に貼りだした。
眺望(早瀬律子先生)
私が水墨画を描くようになったのは、千葉市主催で2014年4月〜12月まで開かれた「いきいきプラザ高齢者福祉講座」のなかの水墨画講座16回に参加してからである。その水墨画講座の先生が早瀬律子先生だった。早瀬先生は千葉市水墨画同好会連合会展には、毎回大型の水墨画を描いて出品されている。今年の作品は『眺望』と題した山岳画だった。講座が開かれていた時に、スイスにも滞在したことがあると話されていたので、その当時のマッターホルンを描いたものと思われた。カラマツ林の向こうに聳える山容は見事だった。
今年の連合会展は「連合会創立50周年記念」と銘打っているが、水墨画を趣味として描いている人たちの年齢層が高齢化しており、おまけに昨年来の新型コロナウイルスの感染拡大によって、各同好会の開催状況も低調のため、展示作品数は2年前の2019年7月の445点から今回は259点とガクンと少なくなっていた。外出を自粛する高齢者が多いため仕方のないことだと思う。