みんなちがって、みんないい

2003年度、幕張中学校卒業式でのPTA会長挨拶


                                PTA会長 岩井 淑


卒業生のみなさん、卒業おめでとうございます。
保護者のみなさん、子どもさんの卒業おめでとうございます。
PTA会長の岩井です。
PTAを代表してひとことお祝いの言葉を述べます。

最初に金子みすずさんの『私と小鳥と鈴と』いう詩を読みます。

短い詩ですので聴いてください。

 

『私と小鳥と鈴と』     金子みすず

 

 私が両手をひろげても、

お空はちっとも飛べないが、

 飛べる小鳥は私のように、

 地面(じべた)を速くは走れない。

 

 私がからだをゆすっても、

 きれいな音は出ないけど、

あの鳴る鈴は私のように、

 たくさん唄はしらないよ。

 

 鈴と、小鳥と、それから私、

 みんなちがって、みんないい。

 

金子みすずさんは3才の女の子を残して26才の若さで亡くなられました。

75年前のことです。

詩の最後のフレーズは「鈴と、小鳥と、それから私、みんなちがって、みんないい」です。

 

このフレーズに気がついた人がいるかもしれません。

そうです。昨年大ヒットしたSMAPの『世界にひとつだけの花』という歌の中のフレーズに「 そうさ僕らも 世界にひとつだけの花 1人1人違う種を持つ その花を咲かせることだけに 一生懸命になればいい No.1にならなくてもいい もともと特別なonly one 」というところがあります。

金子みすずさんの詩が75年の時空を越えてよみがえり、たくさんの人々に迎えられました。ふたつの詩に共通しているところは、一人ひとりの個性を大切にして行こうよ、というメッセージです。

 

君達が卒業記念に書いた寄せ書きが広報誌『幕張』NO2として家庭にも配られたので読みました。

 

「思いやりのある医者になりたい」と書いた粕谷忠道君

「スポーツドクターになってレアルマドリードの専属トレーナーになる」と書いた佐藤晃彦君

「イラストレーターになってがんばる」と書いた村田茉莉花さん

さらに

「さらば幕中、さらば先生、さらば友よ、そして母さん、生んでくれてありがと――」と感謝のメッセージを書いた高藤将太君

 

君達が書いた寄せ書きを全部読みました。ひとつとして同じものはありませんでした。

みんなちがって、みんないい。

 

今日は君達の中学校生活の最後の日です。最後の日は同時に明日に向かっての出発の日です。自分の目標に向かってそれぞれ自分のペースで突き進んでください。


保護者のみなさん、目をつぶれば1才で歩き出した子どもがあっちにぶつかり、こっちで怪我をし、発熱し心配した日々が蘇ってきます。保育所、小学校、中学校と子どもたちは成長しましたが、子どもたちはたくさんの思い出を私たち親に残してくれました。そういう意味で私は子どもたちに感謝しています。今日で子どもたちは義務教育を卒業し自分の未来に希望を持って新たな道にチャレンジしていきます。これまでどおり子どもたちの成長を見守り、子どもたちを信頼し、子どもたちを支援していきましょう。

 

青少年健全育成委員会の水沼さんをはじめとして幕張2丁目町内会会長からたくさんの地域の方々が見えられています。温かい目で時には厳しい目で子どもたちを見守っていただきありがとうございました。中学校は卒業しますが殆どの子どもの生活している地域は幕張地区です。これからも引き続きよろしくお願いします。

 

最後に横山校長先生をはじめとし、用務員の高橋さんやPTAの鳩さんを含め30人ちかい人たちが毎日、子どもたちをあるときは叱咤し、あるときは激励してくれました。本当にありがとうございました。感謝しています。

 

卒業生のみなさん、お父さんやお母さんたちはこれからも君たちを見守り、君たちを信頼し、君たちを応援していきます。自分の力を信じ、目標に向かって思いっきりやってください。

期待しています。

 

これでPTA代表しての挨拶を終わります。

                           2003年3月12日

 

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