最後の千葉市水墨画同好会連合会展
最後の連合会展に出品した3作品
『第54回千葉市水墨画同好会連合会展』が7月12日(火)〜18日(月)まで千葉県立美術館で開催されており、今回は199人の会員が369点を出品している。半世紀に渡って千葉市内の水墨画を趣味とする人たちを牽引した連合会であったが、会員の高齢化に伴い地域の同好会も解散するところが出てきており、連合会を維持するのが難しくなり、連合会展も今年が最後となった。
遥かなるエベレスト
私は水墨画を学びだしてから海外トレッキングに出かけた時の体験にもとづいた山の絵を描いてきた。今回は3枚の絵を描いた。1枚目はエベレストである。チベット側から見たエベレストは以前に描いたことがあるので、今回はネパール側から見たエベレストである。カラパタールという5550mの山頂に登った時のものである。この山頂はエベレストベースキャンプよりも標高が高く、エベレストの展望台としては最高の場所である。
遥かなるキリマンジャロ
2枚目に描いたのはアフリカのタンザニアに聳えるキリマンジャロである。キリマンジャロはシラ峰3962m、キボ峰5895m、マウエンジ峰5149mの3つの山からなりたっており、そのなかの最高地点であるキボ峰の山頂に向かってトレッキングをしていく途中の情景を描いたもので、三角屋根の簡易宿泊所や現地のポータと肩を組んだ絵を描いた。この時の登山は苦しかったけれど、キボ峰の最高地点である5895mのウフルピークまで登ったのはいい思い出である。5895mという高さは私の40年を超える登山経歴のなかで最高地点でもある。
遥かなるマウエンジ
3枚目は2枚目に描いたキボ峰の隣にあるマウエンジ峰を描いたもので、夜中からキボ峰の山頂に向かって登っていくと、真っ暗な夜が徐々に明けてきて、朝日がマウエンジ峰から登ってきた光景は生涯忘れえぬ光景となった。私は描いた作品の脇に実際に出かけていったことを示すために、描いた絵と関連する私が写っている写真を添付している。
寺島さんと作品
今回の連合会展には幕張水墨画同好会からは6人の会員が作品を展示している。寺島さんは20年以上水墨画を描いているが、今回は、滝、参門、寄りそって、の3点を出した。寺島さんは作品の中に人物を入れるのを得意としている。
野中さんと作品
野中さんは農家と平等院の2作品を展示した。野中さんの水墨画歴も10年を超えている。水墨画同好会は水墨画を趣味とする人たちの集まりなので、絵が上手か下手かではなく、絵を描くのが好きな人たちの集まりであり、自分の描いた作品を展示することで満足できれば、それで十分なのである。
星さんと作品
星さんは墨彩画の3点を展示した。墨彩画というのは水墨画に絵の具や顔彩などで色を付けたものである。今回の作品名は、瀑布共鳴、夏の輝き、桂林夕景である。星さんは精密な水墨画を得意とし、今回はいずれも顔彩で着色した作品を出した。
早瀬先生の「源流」
私が千葉市の生涯学習講座のひとつとして水墨画教室で教えてもらった早瀬先生は、今回も大きな絵を2枚出品されていた。その1枚が『源流』と題する墨彩画であった。雄大な絵だと思った。