秩父・寳登山へ臘梅を見に行く
宝登山・西臘梅園
2月10日、快晴だったので秩父の長瀞にある寳登山神社にお参りし、寳登山山頂に登って臘梅を観るハイキングに出かけた。当初、1週間前の2月4日に予定していたが、妻の身体が重くだるいとのことで延期していたが、ウイークディに一人で出かけることにした。翌日は「秩父鉄道ハイキング」が開催予定なので混雑を避け、前日を選んで出かけて行ったのである。秩父線長瀞駅までは幕張から熊谷で乗り換えて3時間の距離である。長瀞駅に下車すると駅前から寳登山神社への参道が真っ直ぐに北に伸びている。神社まで徒歩15分とあるので歩き出す。
寳登山神社は、秩父神社、三峯神社、と並んで秩父3神社のひとつに数えられており、創建から1900年の歴史を重ねているという。2011年に136年ぶりの社殿改修工事が終了したばかりで、社殿に施されている彫刻類が創建時の極彩色に復元され実に艶やかに輝いていた。現在は、寳登山は、宝の山に登る、という実に縁起のいい字だが、以前は祭神となっている伝説の日本武尊を山火事から救ったという神犬の霊力と火防・盗難除けから「火止山」の字が使われていたという。現代の人々に都合いいように漢字の当て字を変えてしまったのだ。実に現金な話である。
136年ぶりで改修が済んだ寳登山神社本殿
私は時間の関係上、山頂までの登りはロープウェイを使った。片道460円。乗車時間は5分で山頂直下まで到着する。徒歩だと90分の時間だ。ロープウェイ内のガイドで今年は例年にない寒さが続いたため開花が遅れ、東臘梅園の花は殆ど咲いていないが西臘梅園は咲きだしています、との説明があった。
山頂駅前からは秩父の峰々が見事に展望できた。特に鋸形の特徴ある両神山が目に止まる。両神山は以前登った山なので懐かしい。あの鋸型の山頂を右から左へと連続縦走した日が思い出された。寳登山山頂に向かう登山道の足元には黄色に輝く福寿草が暖かな日を浴びながら柔らかい笑顔をほころばせている。途中の東臘梅園はガイドの説明通り、花は殆ど咲いていなかった。それでも木の根元に「和臘梅」「素心臘梅」「満月臘梅」の3種類が表示されていたので、パンフレットを参考にしながら少し開花し始めた花を確認していった。
私は臘梅の花を見るのは初めてである。「梅」の字が付いているので最初は梅の仲間と思ったが、ロウバイ科ロウバイ属で梅とは全く異なるという。名前の由来はロウ細工の梅の花に似ているという説と、陰暦12月(臘月)に梅に似た花を咲かせるという説があるとのこと。多分、後者の説だろうと推察する。
西臘梅園に着くと、こちらは黄色く色づいていた。黄色の花のトンネルを抜け山頂に向かうと、大勢のハイキングに来た人々が昼食を始めたところだった。50人くらいはいただろうか。私は山頂表示版の下で写真を2枚撮ったあと、団体グループから離れて持参したバナナとスポーツドリンクの食事を始めた。次々に登山者が蝋梅の花の下から登ってくるのを見ていると明日のハイキングは大賑わいとなるのだろうなぁと思った。
山頂からの下山に寳登山神社奥社の脇を通ったので鳥居の前に鎮座する狛犬を見たが、通常の神社で控えている獅子犬ではなく三峯神社と同じ山犬(狼)の形をしていた。山頂からのハイキング道は「関東ふれあいの道」に指定されているのだが整備維持がされておらず非常に荒れていた。翌日の「秩父鉄道ハイキング道」は自動車道を歩くようになっていた。