可愛いシマリスに出会えた

 

利尻富士町のマスコットキャラクターのシマリス

 

 5月13日(7日目) 火曜日 晴れ

利尻島でのクマゲラ観察と撮影も残すところ3日となった。6時30分に宿を出てクマゲラ観察テントに向かった。昨日は9時55分と13時40分が抱卵の交代時刻で、1回目の交代間隔は3時間55分、2回目は3時間35分だった。観察テントに向かって歩いていると、足元に何かちょろちょろ動くものがいた。何だろうと思って確認するとシマリスだった。つぶらな瞳で私を見ていた。すぐにササ薮のなかに消えてしまったが、しばらく待っていると再び姿を現し、後ろ足で立つモデルポーズをとってくれた。ラッキー。それにしても可愛い動物である。シマリスは利尻富士町のマスコットキャラクターの「りっぷくん・りっぷちゃん」になっている。

 

 

利尻富士町のマスコットキャラクターのシマリス

 

観察テントに着いたのは7時35分だった。昨日の抱卵交代時刻は9時55分だったので早すぎるかと想うが、過去の交代で1番早かったのは7時55分だったために、早めに観察テントに着くようにしていたのである。昨日までは鳴き声が聞こえなかったツツドリが朝早くからポンポンポンポン鳴いていた。ツツドリはカッコウの仲間で夏鳥として利尻島にやってきたのだ。アカゲラの機関銃のようなダダダダダダダというドラミングの音も聞こえてきていた。私の頭上でピィッピィッピィッピィッとアカゲラが鳴いていた。

 

メスが巣穴から首を出して周りを確認していた

 

巣穴ではメスが抱卵中のはずだが、観察テントについて1時間経過したが変化はなかった。テントのなかで横になって待機しているが、気温は12℃と低いので結構寒かった。テントに着いてから2時間経過したが、相変わらず変化はなかったが、昨日の交代時刻からそろそろオスが交代にやってくるのではないかと想い、寝ていたのを座り直して巣穴を注視することにした。メスが巣穴から首を出して周りを確認していたので、オスがやってくるかと緊張したが、巣穴に引っ込んでしまった。

 

メスが急に巣穴を飛び出してしまった

 

9時50分 オスが巣穴の下に来ないうちに、メスが急に巣穴を飛び出してしまった。すぐにオスがやってきて巣穴に潜り込んだ。昨日と5分違いだったが、ほぼ同じ時刻に抱卵交代が行われた。13時に戻ることにしてテントを出て周りの野鳥観察をすることにした。

 

エゾエンゴサクの蜜を吸うエゾオオマルハナバチ

 

利尻山の旧登山道を歩いて3合目まで行くことにした。足元にはヒメイチゲやエゾエンゴサクが咲いていた。ヒメイチゲの白い花は1cm〜1、5cm、茎の高さ10cmほどで1輪だけ花をつけ実に清楚である。体のまん丸いエゾオオマルハナバチが、エゾエンゴサクの水色の花の蜜を吸うと、ハチの重さで小さい花だと地面についてしまう面白い光景に出会った。エゾオオマルハナバチはクマバチと同じくらいの大きさで、体が大きくて怖い感じがするが、おとなしい性質なので人を刺すようなことはない。自然観察は色々な場面に出会えるので面白い。

 

クマゲラの食痕がたくさん見られた

 

クマゲラの主食はアカアリや虫である。登山道を登っていくと、枯れた大木の幹を掘り返して虫やアリを探したクマゲラの食痕がたくさん見られた。クマゲラの体はカラスよりも大きい。その大きい体を維持するのに小さなアリなどを食べていて大丈夫なのだろうか。不思議だ。

 

クマゲラのメスが目の前の枝に止まって鳴いた

 

北麓野営場と甘露泉水の分岐点まで登ってきて周りを眺めていると、キョーンという鳴き声と共にクマゲラが森の奥から飛んできて、10m先のアカエゾマツの枝に止まった。私を無視しているように鳴いていた。大胆な行動である。

 

クマゲラのメスが目の前の枝に止まった

 

クマゲラが枝に止まっていたのは1分間ぐらいだろうか。体勢を反対方向に変えても鳴いていた。再びキョーンという鳴き声を残して、ポン山の森の奥へと飛び去った。逆光だったが写真は撮れた。ラッキー。その後も森の奥からキョーンキョーンキュルルという鳴き声が届いていた。

 

メスが交代にやってきて巣穴の下に止まった

 

観察テントに戻ったのは12時20分だった。1時間後ぐらいに交代があるだろう。おにぎりを2こ食べてから横になって交代を待った。クマゲラは巣穴のなかで、パートナーが交代にやってきたことがどうして分かるのだろうか? と不思議だったが、今までの観察でキョーンキョーンという通常の鳴き声ではなく、キュルーキュルーと甘えるような鳴き声が、パートナーがやってきた交代の合図だということが分かってきたので、その鳴き声が聞こえるまでは、横になっていても大丈夫だった。メスが交代にやってきて巣穴の下に止まったのは13時20分だった。まもなくオスが巣穴から飛び出し、入れ替わってメスが巣穴に潜り込んだ。だいたい予想した時刻だった。クマゲラ観察5日目にして、だいたいペースが分かってきた。写真を撮ったがササ薮のなかのテントからなので、ササが邪魔してオスの体に緑色がダブってしまった。

 

ササが邪魔してオスの体に緑色がダブってしまった

 

今日の交代は9時50分と13時20分だった。1回目の間隔は3時間50分、2回目は3時間30分だった。これから推測できるのは3時間半くらいが、このペアの交代間隔だろう。クマゲラのペアによって2時間交代、3時間交代、4時間交代など色々な交代間隔があるのだろう。今日はこれでクマゲラ観察と撮影を終え、あとは温泉に入っていっぱいである。

 

温泉館内のコインランドリーで洗濯だった

 

利尻富士温泉に着くと、温泉に入る前に館内のコインランドリーに行き、たまった洗濯物を洗った。洗濯は300円、乾燥は200円、洗剤は100円、合わせて600円だった。温泉にゆっくり浸かり、座敷で飲んでいる間に洗濯は終わった。

 

今日の晩ご飯(5月13日)

 

今日の晩ご飯は、おにぎり弁当、味玉、キムチ3種盛り、ビーフン、焼き餃子、冷奴、蕗の薹のお浸し、ビールはキリン一番搾り500ml、サッポロ黒ラベル500ml、地酒は増毛の国稀・鬼ころし、だった。野外観察は体力勝負なので夕ご飯は、がっつり飲んでがっつり食べる。いつもの窓際の席から利尻富士を眺めながら、至福の時がやってきていた。

 

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