山頂に湧く雲の流れが速かった

 

山頂に湧く雲の流れが速かった

 

5月16日(10日目) 金曜日 晴れ

ピューピュービュービューという風の音で目が覚めた。昨日に続き宗谷地方には強風波浪注意報が発令されていた。強風は11m〜13mが吹き荒れるという。利尻富士の山頂に湧く雲の流れが速かった。宿のオーナーの平澤さんは「昨日から遅れていた南西の風が吹き始めたので、山に残っている雪も急速に融けて初夏がやってくる」と話した。

 

利尻・礼文観光ガイドマップ

 

8時15分に宿の女将さんに、フェリーターミナルまで車で送ってもらった。宿から歩いて2分のところにあるスーパーニコットの隣が工事中だった。女将さんが「バスの営業所と職員寮ができるので沓形から移ってきます」と教えてくれた。稚内港とのフェリーは鴛泊港に発着しているし、利尻山登山のメインルートは鴛泊コースなので、どうして利尻島の表玄関の鴛泊にバス営業所がないのだろうと不思議に思っていたが、それがようやく解決するようだ。フェリー2等運賃は昨年よりも600円値上がりしていた。売店はもちろんのこと、券売機などでもキャッシュレス端末が増えてきた。フェリーの乗客は想ったよりも多かったが、乗船口の前列に並んだのでフェリー前方の窓際ソファ席に座ることができた。太陽は燦々と輝いていた。

 

ペシ岬を左に見て船は海上に進んだ

 

利尻島鴛泊港〜稚内港間はフェリーで約1時間40分である。出港前の船長からの船内放送では「波の高さは3mで多少の揺れを感じます」とのことだった。ペシ岬を左に見て船は海上に進んだ。海上では三角波が立っていたが、船は想ったよりも揺れなかった。

 

鴛泊港に向かうフェリーとすれ違った

 

海上で鴛泊港に向かうフェリーとすれ違った。乗船している進路に沿って海鳥が飛んでいた。海鳥の名前は分からなかったが、その数が徐々に増えていったのには驚いた。最初は20羽ほどだったが、稚内港に着くころには60羽ほどに増えていたのである。

 

稚内フェリーターミナル

 

稚内港に着くと霧が発生しており、強風とも相まって寒かった。利尻島のほうが晴れていて暖かかった。鴛泊港でフェリーに乗る前に観光案内所で利尻島来島記念絵はがきに貼る切手が買える場所を尋ねたが、郵便局でないと取り扱っていないとのことだったので、稚内フェリーターミナルに着き、売店で切手を扱っているところを尋ねると、歩いて5分のところにある北海道内に展開する地元のコンビニ・セイコーマートを教えてくれた。記念絵はがきのデザインは、サクラが咲く早春の利尻山のもので、幕張の自宅に出したものだった。

 

宗谷塩ラーメンとミニカレーセット

 

稚内空港に着くと13時15分の離陸まで1時間ほどあるので、空港内レストランに入って食事を摂ることにした。昨年は稚内名物の「おおなご丼」を頼んで失敗したので、今回は宗谷塩ラーメンとミニカレーセット1100円を頼んだ。ラーメンはサッパリした味でカレーも美味かった。

 

QR搭乗チケット

 

 今回の旅の羽田空港〜稚内空港間のチケットは、2か月前に通常料金の半額でネット購入したが、出発時刻の1日前になるとANAから前日のチェックイン可能のメール連絡が届いた。ANAアプリを起動させてチェックインを済ませ、QR搭乗券を画面表示させてスクリーンショットを撮っておけば、搭乗ゲートでQRコードを読み取らせ、そのまま機内へと進むことが出来る。搭乗手続き窓口に行く必要はなく実に便利になっている。

 

写真撮影禁止の空港のセキュリティ検査

 

空港のセキュリティ検査では、くるぶしが隠れる靴を開いている場合は、靴を脱いでスリッパに履き替えて検査を通らなければならない。今回は登山靴を履いていたので、羽田から乗る時も稚内から乗る時も、スリッパに履き替えてセキュリティ検査を通過したのだった。検査所には北海道県警の警官が立ち会っていた。

 

雲海の彼方に利尻富士が見えた

 

ANA572便は定刻通り13時15分に稚内空港を離陸し、途中で乱気流のため予定より10分遅れて15時25分に羽田第2ターミナルに着陸した。長いようで短くもあった利尻島9連泊のクマゲラ探索の旅は、想った以上の成果が出て愉しい思い出深い旅として終わった。

 

雲海を眺めながら

 

利尻島バードウオッチングツアーをネット検索すると、羽田発3泊4日で21万円、稚内空港集合の4泊5日で20万8000円というのが見つかる。今回の自分で計画したクマゲラ探索10日間の旅にかかった費用は、バス、電車、モノレール、飛行機、フェリー、宿泊、食事、温泉、酒の全てをひっくるめて11万7529円だった。旅行期間が2倍〜3倍で、費用は半分以下となるのである。旅は自分で計画して楽しむものである。来年は利尻島に礼文島を加えて14日間のバードウォッチングを計画しようと考えている。

 

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