利尻島、クマゲラに会う旅へ

 

早春のピラミダルな利尻富士

 

 5月7日(1日目) 水曜日 晴れ

昨年に続き再び利尻島に天然記念物のクマゲラを探す旅に出ることにした。昨年は5月23日から1週間だったが、今回は昨年出会った利尻島の地元ガイドの意見を参考にし、日程を早めて5月7日〜16日までの10日間を計画した。クマゲラは国の天然記念物に指定され、北海道と北東北の原生林にのみ生息している国内最大のキツツキで、警戒心が強くて生息数が減少しているため、環境省の絶滅危惧種に指定され、保護が必要とされている。体長は約45cmでカラスよりも大きく、真っ黒い体をしており、雄は頭頂部がベレー帽をかぶったように赤く、雌は後頭部のみが赤い色をしている。

 

ANA搭乗ゲートに向かう

 

羽田空港第2ターミナルに着いてチェックインしようとすると、稚内行きANA571便の搭乗口が57番から47番に変わっていた。手荷物検査場Aから入ると47番はいちばん端なので、空港内を10分ほど余分に歩かなければならなかった。さらに離陸が15分遅れたのだった。乗客は定員の2/3程度だった。

 

翼の王国

 

私が事前に指定した機内席は10Bだった。この席は非常時避難口の横にあり、客室乗務員が離陸前の確認にきて、横に置いてあるザックを見て、「この場所は緊急時の避難通路となるので、ザックを座席の下に入れてください」と言われたが、私のザックは座席の下に収まらなかった。若い客室乗務員はチーフに相談して戻ってくると、「そのままでいいです」ということになった。

 

窓から見た利尻富士

 

稚内までの1時間50分の飛行時間には、ANAの機関誌『翼の王国』5月号を読んで過ごした。稚内空港着陸直前に左側窓から利尻富士が見えたが、去年よりも雪が多かった。寒そうだ。昨年よりも半月早いが雪の量がずいぶん違う。

 

稚内空港に着いた

 

稚内空港に15分遅れて着いた。空気は冷たかったが薄日が差していた。空港からも利尻富士が見えた。稚内フェリーターミナル行きバスは、定刻より20分遅れて発車し、約30人の乗客だったが、終点まで乗っていたのは4人だった。

 

アマポーラ宗谷に乗船し利尻島に向かった

 

14時30分発のハートランドフェリーのアマポーラ宗谷に乗った。利尻島や礼文島の観光シーズンは、雪が消えて花が一斉に咲きだす6月から本格的になっていく。5月前半の船内はガラガラ状態だった。

 

フェリー船上から見た利尻富士

 

稚内港を出港しノシャップ岬を回り込むと、前方左側に利尻富士が姿を現した。海上には薄日が差し、海は凪いでいたので、船酔いする人はいないようだった。1時間40分後に利尻島鴛泊港に着いた。

 

9連泊する『利尻ぐりーんひるinn』

 

宿は昨年と同じ『利尻ぐりーんひるinn』である。宿は港までの送迎をしているので、事前に迎えの車を頼んでおいたら、宿のオーナーの髭面で日に焼けた平澤さんが迎えに来てくれた。平澤さんが言うには、「今年は例年になく雪が多く、寒かった昔に戻ったような景色だ。最近は暖かいので今の時期では雪が消えていたけれど今年は違う」とのことだ。ざっと眺めてみても4合目から上が雪という印象を受けた。昨年登ったポン山や小ポン山にも雪が残っていた。

 

昨年と同じ8人のドミトリー部屋の4番ベッド

 

宿に着いて宿泊手続きをとって料金を精算し、夕ごはんは仕出し弁当屋が4日間しか島にいないので、4日分の弁当代を払って2階のドミトリー部屋に入った。宿の女将さんから昨年と同じ4番ベッドを指定され荷物を置いた。

 

宿から2分のスーパー・ニコット

 

今日の相部屋宿泊者は私を入れて3人だった。30代と思われる人が部屋にいたので少し話をした。彼は利尻島で1泊し、明日は午前中にレンタサイクルで恋人の丘あたりを回り、お昼を食べたら15時の飛行機で札幌に戻るとのことで、これからネットで探した居酒屋に飲みに行くと言った。彼は居酒屋で飲んだあと、居酒屋で紹介されたガールズバーに繰り出したとのことだった。私は近くのスーパー・ニコットにつまみと酒を買いに出た。

 

今日の夕ご飯(5月7日)

 

今日の夕ご飯は「仕出し・さくらば弁当」から届いた幕の内弁当(昨年は1250円だったが、今年は1400円に値上がりした)とスーパーから買ってきたニシンの菜の花漬け、冷奴、ハンバーグだった。ビールはサッポロクラシック500ml、サツポロ極ゼロ500ml、地酒は特別純米・まる田だった。

 

宿の前から見た利尻富士

 

利尻富士が見える窓際の席に座り、ゆっくりビールを飲み地酒を味わった。食堂にフランスからやってきた20代と思われる女性がいたので、私の片言の英語と日本語で話をしてみると、彼女は日本全国を観光で回っており、沖縄・博多・姫路・大阪・京都・名古屋・東京・日光・仙台・苫小牧・札幌・美幌を回り、利尻島は2泊の予定で、今日はサイクリングで島50kmを一周したとのことだ。ずいぶんアクティブな女性で、利尻島は最高と言っていた。

 

昨年話をしたオランダの青年セバスチャン(24年5月24日)

 

昨年はオランダから来て日本各地の観光をしていた青年セバスチャンと話をしたが、外国から来る人は日程に余裕を持って日本観光をしている感じを受ける。それに比べて日本の若者は給料が安いせいもあり、精神的にも貧しい生活をしているように感じる。

 

沈む夕日が綺麗だった

 

飲んでいるうちに雲が消え、青空が広がってきていた。ここから眺める利尻富士はピラミダルな素晴らしい姿をしている。食事の途中で外にでて夕日を眺めた。日が沈むとともに輝きを増してきた月は、半月よりも少し大きい形をしていた。19時には雲が消えて素晴らしい利尻富士が見えた。かっこよく綺麗だった。この場所は最高のロケーションだと思う。2週間天気予報によれば10日(土)11日(日)に少し雨が降るものの、残りは晴れか曇りだった。明日は4時起きでクマゲラ探しに出かける。

 

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