子どもは親の持ち物じゃあない
PTA会長 岩井 淑
PTA会長の岩井です。
全くやるせない事件が
「大学を出たらパソコンのソフトやコンピューターをあつかうベンチャー企業の社長になりたいなと思っています」と3年前の小学校卒業文集に将来の夢を描いていた利発 な少年の夢は最も信頼すべき身近な親によって無残にも砕かれました。
子どもたちはいろいろ生意気なことを言いますが、生まれてくる国も時期も環境も教育も何一つ選べません。子どもにとってはどんな親であっても頼らざるを得ないとても弱い一時期があります。
今回のような事件が発生するたびに周りの対応のまずさなどの犯人探しのようなことが報道されますが、1番重要なことは「子どもは親の持ち物じゃあない」という事実を大人がいかに自覚し子どもと対応しているかです。子どもの問題ではなく私たち一人ひとりの大人の問題なのです。
今回の事件でも虐待されていた子どもの友人たちは直感で虐待の実態を知っていました。子どもがSOSを発していた段階で学校や市がもっと違った対応をしていたら確かに今回のような悲惨な結果は防げたでしょう。だがしかし、子どもたちの一番身近にいる親がきちんとしなければ、悲しいけれど程度の差こそあれ今後も児童虐待はなくならないでしょう。親は襟を正し子どもを信頼し子どもの成長を見守っていかなければならないのです。そのなかから親と子どもの人間としての絆が生まれてくると思うのです。
2004年2月