本当に傾いているピサの斜塔
ヨッコラショ
社会や理科の教科書に載っていたピサにある斜塔が緑の芝生の向こうに建っていました。歩道の右側はお土産屋が軒を連ね観光客がたくさん来ています。斜塔は白い塔なのでとても清潔そうに見えました。最上階には人影も見えます。
ピサの斜塔はガリレオ・ガリレイが「落下の法則」の実験をした塔として有名です。隣のドゥオモの鐘楼として12世紀後半に着工されたのですが3層目まで出来上がったときに傾き始めたため工事は中断され、最終的に8層の最上層が完成したのは14世紀の半ばとのことですから約200年もかけて建てられたことになります。全く気の長い話です。他の教会建築でもいえることですが、今回のイタリア旅行ではヨーロッパの人たちの気の長さというかスケールの長さにビックリすることがたびたびありました。
芝生のドゥオモ広場にはドゥオモと斜塔と洗礼堂の3つの建物が建っていました。この3つの建物と広場の均衡美からドゥオモ広場は別名「奇跡の広場」とも言われているとのことです。そういわれてみるととてもバランスのいい景色だと思いました。ドゥオモの中を見学したあと洗礼堂に入りました。そこでビックリしたことが起きたのです。
40人ほどの観光客が洗礼堂の内部に入ったときに入り口の扉が閉められました。入場券のもぎりをしていた20才代の女性が中央に進んできたので何か説明でもするのかな、と思っていたところ彼女は天井を仰ぎ見たあと声を出し始めました。その声が洗礼堂内を山のこだまのように反響し何人もの人たちの輪唱のように聞こえだしました。全く予期せぬ出来事でしたから観光客全員が彼女の声に耳を傾けていました。彼女の歌が終った時に全員から感動の拍手が自然と出てきました。本当に貴重な体験が出来てよかったと思いました。
洗礼堂