南米旅行で想ったこと
2020年2月10日から22日までの南米アルゼンチン・チリ・ボリビア旅行の感想を10回のレポートで海外旅行のページで簡単に述べたが、改めて今回の旅を振り返ってみた。
今回の旅の目的は3つあった。
第1は、青白い氷河を間近で見ること。第2は、鋭く尖ったパイネの角を見ること。第3は、ウユニ塩湖の絶景を見ること。であった。幸いにも好天に恵まれ、目的だった3項目は全て達成でき、実にラッキーだった。おまけに様々な野生動物に出会えた旅でもあった。
第1の氷河については、アルゼンチンのロス・グラシアレス国立公園内のウプサラ氷河とスぺガッツィーニ氷河をクルーズ船に乗って間近に見た後、場所をぺリト・モレノ氷河に移し、氷河の迫力と崩落を充分に体験できて非常に満足だった。私はパキスタンにある世界で2番目の標高であるK2に出会うため、バルトロ氷河を遡ったことがあるが、その氷河は周囲の山から崩れてきた小石で覆われ、青白い氷河は見えずに河原を歩いているようだった。私はまだ青白い氷河の上を歩いたことがなかった。今回の旅で氷河の上を歩きたいと想っていたが、65歳までという年齢制限で歩けなかったことは残念だった。しかし、クルーズ船による氷河への接近と崩落を見ることができ、更にぺリト・モレノ氷河の崩落の大轟音を聞き、凄まじい水しぶきを間近に見ることができ非常に満足だった。
氷河クルーズ
第2のパイネの角については、チリのパイネ国立公園内のクエルノス・デル・パイネを始めとするパイネ山群の大展望をハイキングを通して十分に満喫できた。宿泊したペオエ湖畔のホテルはロケーションも抜群だった。私の好きな作家の一人である椎名誠のパイネ体験記を読んでから、パタゴニアには一度は行ってみたい場所となっていたのだ。今回の旅は、風と氷河の大地=パタゴニアを充分に実感する旅だった。好天に恵まれ、天に突き上げているパイネの角は2本とも逞しかった。椎名誠は大地の牙という表現をしていたが、角よりも牙のほうが実際に見た感じを表現していると感じた。更に暴力的とも言える強烈な風も充分に体験できた。
パイネの角
クエルノ・エステ
第3のウユニ塩湖については、娘が東京藝術大学大学院卒業記念旅行に友人とウユニ塩湖に出かけ、素晴らしい景色に感動し、父さんも絶対あの雨季の水面に映る景色を体験するべきだ、と強く推薦していたこともあり、今回の旅に入れることになった。実際に体験した結果は素晴らしいのひとことであった。人工物が全くない湖面の上に、空に浮かぶ雲、湖の周りの景色、車、観光客、などが水面に上下対象のシンメトリーに映る景色は実に感動的だった。その景色が朝方の日の出であり、日中の雲であり、夕方の夕焼けの絶景であった。また南十字星を始めとする満天の星の煌めきも言葉を失う感動であった。不思議だったのは道路標識も全くない水面を4輪駆動車は時速10km〜15kmで走るわけだが、目的地まで地元ガイドの勘だけで走っているようにみえ、この辺りは浅いとか深いとか、おおよその水深を当てていたからである。おそらく複数の遠くの山の形や方角を頭の中で組み合わせて地図を作っていたのではないかと判断した。それはモーターボートを操縦する時の感覚に似ているように感じられた。
ウユニ塩湖の夕焼け
更に目的には挙げていなかったが、様々な野生動物と出会えたのも思い出深いものとなった。それは、グアナコ、アルマジロ、マゼランガン、コンドル、レッサーダフィ、ピューマ、ハチドリ、チンチロ、フラミンゴ、などであり、直接自分の目で見て姿を確認し、動物たちの動きを観ることが出来たのであった。
パタゴニアを代表するグアナコ
今回の旅はいつも海外に一緒に出かけている4人で出かけた。次はニュージーランドの旅に出かけようと相談している。帰国後、旅で買ってきたワッペンの中からパタゴニアとボリビアの2つを旅で着ていたベストの胸ポケットに縫いつけた。妻が自分のザックに着けるので1つ欲しいというので、パタゴニアのフィッツロイをデザインしたものをプレゼントしたら、すぐに縫いつけていた。