花言葉は乙女の真心
皇帝ダリアが青空に映えた
11月11日 晴れ
皇帝ダリアが青空の下でピンクの花を咲かせていた。花言葉は「優雅」「乙女の真心」である。通常、ダリアが咲くのは夏であるが、皇帝ダリアは晩秋に花を開く。私のマンションのベランダにもピンクの花を咲かせており、家庭菜園にも株を分けた。気品のあるピンクの花をつけるが、4mから5mにも成長するので、乙女にしては大きすぎるなぁ、と思いながら仰ぎ見ているのである。
柿の実を啄むハシブトガラス
ハシブトガラスが収穫しないまま残っている柿の実を啄んでいた。最初に柿の木に飛んできたカラスが次々に仲間を呼び込み、2羽、3羽、4羽、5羽と集まってきた。スズメもムクドリもヒヨドリも近づけず、カラスの独断場であった。
あぜ道と二番穂
あぜ道を歩くとイナゴが一斉に跳びはねる。イナゴは越冬しないため、二番穂が終われば全てが死んでしまうのだが、イナゴはそのことを知らない。私は子どものころ稲刈りが近づくと、細い竹を切り、木綿袋を輪ゴムで括り付けた専用の捕獲収納袋を作ってイナゴを獲った。獲ったイナゴを熱湯に浸けたあと、翅と脚をむしり、甘く煮た佃煮が大好きだった。今でも観光地などでイナゴの佃煮が売っていると目がランランと輝く。
ポーズを決めたアオジ
アオジがチッチッ チッチッ、小さい声で鳴いていた。細い足で枝をつかみながら動こうとしない。早く私を写してよ、と訴えかけるように右を向き、左を向き、ポーズをとるような仕草で私を見つめていた。距離は2mほどの近さなのだが、決して逃げようとしなかった。
巣の前で羽を休めていたカワセミ
花見川の岸から篠竹が水面に影を落とすところがあった。そこから突然、カワセミが2羽飛び出した。つがいの夫婦だろう。偶然目にした光景であったが、絶対に巣があるに違いないと確信した。今日、注意深くそのあたりを観察すると、案の定、カワセミの雌が川面に落ちた竹の枝にとまっていたのである。私はシャッターを切った。距離にして50mはあっただろう。
魚を釣ったところを見たことがない。今日の釣果は?
釣り人が糸を垂れている。釣れても釣れなくても、のんびりと糸を垂れている。釣る場所は決まっており、いつも同じ人が、いつも同じ場所で糸を垂れている。しかし魚を釣ったところを見たことがない。今日の釣果が気になるところだが、暇つぶしにはいいのだろう。
カラスに追い回されていたトビ
空からジャアァ〜という、悲鳴のような鳴き声が聞こえてきたので、空を見上げてみると、トビとカラスが空中戦を演じていた。追いかけまわされているのは、カラスよりも一回り大きいトビのほうだった。2羽のカラスにトビが追いかけまわされていたのである。トビは体が大きいのだが、性質はいたっておとなしい鳥である。
2列縦隊で日向ぼっこをするコガモ
コガモが花島公園の池で2列の杭に整列していた。1本の杭に1羽ずつのり、整列しているように見えた。暖かい陽をうけ、首を翼の中に差し込み、日向ぼっこだ。のんびりしていていいなぁ。池の中には50cmもある大きな鯉が悠々と泳いでいる。北の国からやってくるカモ類が日増しに増えているのを感じた。
鮮やかに花を拡げていたカンナ
カンナの花が咲いていた。鮮やかな橙、赤が太陽の光を受け、燃えているように咲いていた。カンナは生命力の強い花だ。大きな体で河川敷に花を咲かせていた。風もなく穏やかに晴れあがった晩秋の日だった。
陽の光をいっぱい受けていたシロバナイモカタバミ
11月10日、気象庁は来年(2021年)1月から生物季節観測のうち動物観測を完全廃止する、と発表した。生物季節観測というのは植物観測と動物観測の2種類があり、植物観測で言えば、ウメ、サクラ、スミレ、タンポポ、ヒガンバナなどの開花日が何日か? 動物観測で言えば、ウグイス、カッコウ、アブラゼミなどが初めて泣いたのは何日か? モンシロチョウ、ツバメ、アキアカネなどを初めて見たのは何日か?という観察をしていたのだが、動物観測だけを完全廃止するという。
現在の日本では季節感が薄れ、同時に動植物への興味も薄れた社会になっているように感じるが、動植物は同じ地球という惑星に棲んでいる人類の仲間であり、動植物の棲む環境に無関心になることは、人間の環境に無関心になることと同じだと私は思う。