絶好調だった『第45回 塩の道祭り』 

小谷村千国越えコース

 

山と湖の風景

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サクラと残雪の北アルプス(右から唐松岳、五竜岳、鹿島槍ヶ岳)

 

 5月3日 晴れ

『第45回 塩の道祭り』の小谷村コースに参加した。「塩の道」とは、新潟県糸魚川から長野県松本城下までの約30里(120km)を結んだ道であり、信州側では「糸魚川街道」と呼び、越後側では「松本街道」 と呼ばれた千国街道(ちくにかいどう)のことである。千国街道は明治時代中期に『日本アルプス 登山と探検』という本で世界に日本アルプスを紹介した元宣教師のウォルター・ウエストンが日本海から太平洋までを横断した時に通った道でもある。私は「日本縦断てくてく一人旅」で、糸魚川の親不知子不知の断崖絶壁を見おろす場所に設置されているウォルター・ウエストンが椅子に座った銅像に出会い、ビックリしたことを昨日のように思い出すのである。

 

紫の花の家

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出発の朝、別荘の前で記念写真

 

千国街道は塩の道とも呼ばれており、小谷村では8つの塩の道ハイキングコースが整備されている。そのなかの約9kmの千国越えコースと呼ばれているのが、お祭りで歩くコースとなっている。毎年5月の連休で開催されている「塩の道祭り」に、海外トレッキングで出会った仲間が集まって参加しているのである。今回は、武者夫妻がコロナウィルス感染、本多さんが歯の治療、堤さんが仕事、樋浦さんが体調不良で、それぞれ参加を見合わせたので、参加者は大野さん、私、妻の3名と少なかった。千国越えコースは大野さんが4回目、私と妻は2回目だった。

 

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「おたり太鼓保存会」による太鼓が烈しく叩かれた

 

大野さんの別荘を7時に出発し、栂池高原スキー場の第1駐車場からシャトルバスに乗り換え、塩の道祭り会場近くで下車し、田んぼ道を歩いて会場の小谷村役場に向かった。会場では9時の開会式前の「おたり太鼓保存会」による太鼓が烈しく叩かれていた。朝から雲ひとつなく晴れ上がり、絶好のハイキング日和となった。私たちは開会式を待つことなく8時50分に会場をスタートして9kmの山道を歩き出した。祭りは参加して楽しむのが基本なので、私は侍の仮装で参加した。美しい残雪の白馬三山の景色を見ながらゴールまで歩いて行くのだ。

 

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ふんぐりけーさねぇよーに捻挫をしないように)

 

村はずれに置かれた「ふんぐりけーさねぇよーにあるくだェー(捻挫をしないように歩きなさいよ)」という懐かしい方言の激励言葉と、おじいさん、おばあさんの人形に見送られて山道に入ると、すぐに急登だった。またたく間に汗が額から吹き出してきた。最初の休憩場所では『笹団子発祥の地』の旗をなびかせながら、笹団子が売られていたので、大野さんが買ってきた。作られたばかりで温かな笹団子を美味しくいただいた。快い微風が頬を掠めながら吹いていた。あまりにも暑いので着物の下のTシャツを脱いでしまった。

 

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出発を待つ赤ふん飛脚隊

 

私は絣の早乙女姿が可愛い小谷中学校の女生徒たちと話し込みながら歩いていった。子どもたちは私の袴に私の名前が刺繍されているの目ざとく見つけると、「岩井さん、岩井さん」の連呼で瞬く間に私は人気者になってしまった。ある少女は「私のお父さんを知っていますか? ●●というのですけど・・・」、またある少女は私が被っているカツラを指さして「そのヘアスタイルは自分でセットするのですか?」と話しかけてくる。天真爛漫な彼女たちはゴールまで歩いていくと言いながら、「途中の千国諏訪神社の境内で私たちは踊りを踊るので、簡単な踊りだから一緒に踊って・・・」と言ってくる。いやはやなんとも、楽しい子どもたちである。

 

建物の前に立っている男性のグループ

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中学生、高校生、小谷村の3者ブラスバンドよる合同演奏

 

紫色の腕章をつけた報道カメラマンが「写真を撮っていいですか?」と聞いてきたので、 OKを出した。今回のハイキングに侍の仮装姿で参加しているのは私だけのようだった。歩き出して2時間経ったところでコースの中間地点の千国諏訪神社に到着した。境内には屋台がたくさん出ていた。屋台のなかに地ビールのクラフトビールが売られていたので、餅をツマミにしながら飲んだが、コップが想いのほか大きかったので飲み応えがあった。これで燃料を入れたので、俄然馬力が湧いてきた。舞台ではキンキラキンの衣装に陣笠をかぶった村長が挨拶をし、中学生、高校生、小谷村有志の3者合同ブラスバンドによって、情熱大陸、イッツ・スモール・ワールドなどが演奏された。

 

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悪代官がピッタシの小谷村村長と記念写真

 

諏訪神社を超えると間もなく千国の庄資料館・千国番所跡だった。番所跡には諏訪神社で挨拶をした小谷村村長が記念スタンプを押していた。3人並んだ真ん中が悪代官と呼ぶのがピッタリの小谷村村長である。せっかくなので記念に一緒の写真を撮った。明るくて気持ちのいい村長だった。

 

木のそばに立っている人たち

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若葉のなかを登っていく

 

石畳が敷かれた親坂と呼ばれた坂を「なんだ坂こんな坂、なんだ坂こんな坂」と掛け声をかけながら登って行った。今回のコースで一番きつい場所だったが、それでも周りの新緑に全身を包まれながら身体が緑に染まるようだった。親坂を登りきると牛方宿に着いた。

 

草の上を歩いている人と犬

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残雪の北アルプスが素晴らしい

 

牛方宿を過ぎると再び山道となったが、その山道の右側に開かれた場所があり、青空のもとでの残雪の北アルプスの白馬三山、唐松岳、五竜岳、鹿島槍ヶ岳、爺ヶ岳、蓮華岳と連なる景観は見事のひとことに尽きた。今回も素晴らしい景色を観ることができて満足のハイキングとなった。

 

建物の前に立っている女性たち

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気持ちよくゴールした

 

13時20分に朝、シャトルバスに乗った栂池高原駐車場にゴールした。8時50分のスタートだったので4時間30分の気持ちいいハイキングだった。ゴールのあとは近くのお店でビールを飲みながら昼食を摂り、そのあとは「八方の湯」温泉にゆったりと入って汗を流した。そこでも湯上りには当然のようにビールだった。汗をかいたあとのビールは本当に美味い。

 

ブロッコリーの入った食べ物

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最高の山菜天婦羅に舌鼓を打った

 

大野さんの別荘に帰ったあとは今回の2番目のイベントである山菜天婦羅での夕ご飯となった。大野さんのパートナーのまあちゃんが腕に寄りをかけて天婦羅を揚げてくれた。コゴミ、フキノトウ、ヤマウド、タラの芽、コシアブラなどの揚げたての天婦羅が次々にお皿に盛られた。採ってきたばかりの新鮮な山菜の香りと、焼酎を入れてパリッとした衣が、サクサクな歯触りが美味さをいっそう引き立てた。満足満足の夕ご飯だった。来年は白馬村コースを歩く予定である。

 

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