新緑のなかを気持ちよく歩いた

第47回 小谷村 塩の道祭り

 

出発前に全員集合(AIでイラスト風に編集)

 

 5月3日 日曜日 晴れ

 長野県北部の小谷村で開催された『第47回 塩の道祭り』に妻とともに参加した。毎年、ゴールデンウイーク中の5月3日は小谷村、4日は白馬村、5日は大町市が主催者として、リレーしながら塩の道祭りを開催している。私が小谷村の塩の道祭りに参加するのは3回目である。前日に海外トレッキング仲間である大野さんの大町にある別宅にお邪魔しての参加である。今回は集まった6人のうち、約9kmの千国街道と呼ばれた古道を歩くのは4名で、2名は体調のことを考えて別行動を取った。

 

信州小谷太鼓で賑やかな出発式

 

 当日は朝食を摂ったあとで塩の道祭りに参加する4人と別行動の2人に分かれた。塩の道祭りへの参加メンバーは栂池高原駐車場まで自家用車で向かい、そこから主催者手配の無料シャトルバスで小谷村コースの出発会場である下里瀬基幹センター(公民館)近くの駐車場まで運んでもらった。受付で出身県を記入すると参加賞として今回歩くコースのポイントが染め抜かれた手ぬぐいが渡された。8時からの出発式では、横笛や信州小谷太鼓が高らかに打ち鳴らされ、小谷民謡での早乙女姿の踊りが色を添え、歩荷隊は賑やかに出発し、参加者は2歳3歳の幼児から90歳の高齢者までバラエティに富み、それぞれのペースで順次スタートしていった。

 

山々は軟らかくて白く輝く若葉色だった

 

 私の住む幕張ではサクラは3月下旬に満開を迎えていたが、長野県北部の小谷村ではヤマザクラや八重桜が満開の時期を迎えていた。山々の木々は芽吹いたばかりで清々しく、軟らかくて白く輝く若葉色だった。季節が冬から春へと変わるのが1カ月ほど遅いように感じられた。下里瀬の村を過ぎると杉木立のなかの急登が始まった。白馬村コースは比較的になだらかな山道を歩くのだが、小谷村コースはアップダウンの厳しい山道が続いた。

 

代官姿の小谷村村長と一緒に写真を撮った

 

 虫尾阿弥陀堂では地元の草餅が1個230円で売られていたので、私たちはひとつずつ買ってお茶を飲みながらの一休みだった。丁度、小谷村村長が代官姿でいたので一緒に写真を撮らせてもらった。小谷村役場に着いたのは歩き出してから1時間が経っていた。丁度、飛脚隊が出発式をしており、赤い締め込み姿の大人や子どもたちが元気なかけ声を挙げていた。小学生の女子は早乙女姿で可愛らしかった。

 

飛脚隊が元気に坂道を登っていった

 

 スタートから5km地点の千国諏訪神社に着いたのは出発から2時間30分が経っていた。境内には屋台テントが立ち並び、参加者めいめいが食事をとりながら催し物に拍手を送っていた。私たちは20分ほど休憩していたが、軽い食事をかねて1個400円の炊き込みご飯おにぎりを食べながら、小谷中学校生の吹奏楽の演奏に耳を傾け、その後に小谷小学校生の合唱を楽しんだ。賑やかな境内だった。ここで栄子ちゃんが体調のことを考えて、リタイヤして路線バスでゴールの栂池高原駐車場に向かうことにした。ところが祭りの役員が教えてくれたバス時刻表が平日用ダイヤで、土休日は運休と分かり、栄子ちゃんはタクシーで栂池高原駐車場に向かったのだった。

 

賑やかな千国諏訪神社境内だった

 

 千国番所と千国の庄資料館に立ち寄ったのは番所通行の証のスタンプを押してもらうためだった。今回のコースでは千国番所とゴールの2カ所でスタンプが用意されていた。千国番所では虫尾阿弥陀堂で会った代官に扮した小谷村村長に再び出会ったのだった。村長はコースを歩かずに車で移動して要所要所に姿を現すのだった。庭で甘酒と酒粕の振る舞いがあったので、水分補給の意味を込めて両方いただいた。美味かった。身体に糖分と水分が入ったので元気になった。

 

難所の親坂を越えて牛方宿まで登っていった

 

 今回の小谷村コースの最大の難所と呼ばれているのは、親坂石仏群から始まる石畳の急坂の親坂越えである。途中で「牛つなぎ石」「錦岩」「弘法の清水」などの言い伝えを確認しながら牛方宿まで登っていった。最大の難所と呼ばれている親坂越え区間だけは希望者はマイクロバスに乗ることが出来るのだった。

 

白馬三山が素晴らしかった

 

 牛方宿まで上がれば残り1.8kmの30分コースは平らな山道となり、右手に見える白馬三山から五竜岳、鹿島槍ヶ岳、爺ヶ岳、唐松岳と連なる残雪の北アルプスの展望を眺めながら若葉の道を楽しむことができ、天然記念物のカモシカにも出会った。

 

無事にゴール

 

  13時に栂池高原駐車場のゴールに無事に到着した。受付で渡されたコース案内の裏面に完歩章のスタンプを押してもらい、ゴールの立て看板の前で記念写真を撮った。今回は前の2回とは違い、度々参加者の渋滞に巻き込まれた。祭りの役員に参加者数を尋ねると「例年2500人〜3000人くらいです」とのことだったが、当日夕方の長野放送のニュースでは約2700人の参加者だったと放送された。

 

昼食は地酒と駿州蕎麦

 

 今回はお昼ご飯の店は決めていなかったが、信州蕎麦を食べようと相談していた。栂池から大町へ帰る途中で、『蕎麦処いっぷく』という店が見つかった。行列が出来ていたので3番目の待ち位置で並んでいると、30分待ちで店に入ることが出来た。私が頼んだのは地酒1合とクルミ蕎麦だった。注文した食事を待つ時間に出されたのは、キクイモの漬物とフキの煮物だった。漬物は初めての食感と味だったので、店員に漬物の種類を尋ねると、キクイモとのことだった。口当たりはショウガのようだが辛くはなく美味かった。出された蕎麦は盛りも味も良く、つけ汁のなかのクルミの量が多く、会計は地酒と蕎麦で1600円だった。偶然に見つけて入った店だったが、蕎麦の量が多い、美味い、値段が安いの三拍子で大正解だった。再び訪れたい蕎麦屋だ。

 

美味かった旬の山菜天ぷら

 

 前夜は大野さんの夫のマーチャンが揚げた山菜の天ぷらを味わった。私たち5人がお邪魔するので、あちこちの場所で山菜を採って、それを天ぷらにしてくれたのである。香りの新鮮な山菜天ぷらで、都会に住む人間にとっては、実に贅沢なもてなしを受けたのだった。

 

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