オー美会展を観に行く
西中千恵子さんの作品「薔薇」 工筆画
4月17日(日曜日)に東京・大崎駅前のO美術館で開かれている「第16回オー美会展」に出かけた。3年連続である。3年前、ネパールのアンナプルナトレッキングに出かけた際に、同行したメンバーの中にアマチュアながら各種の写真展に作品を出品されている方がおり、その方から作品展の案内状が届くようになり、それ以来毎回、作品鑑賞に出かけているわけである。今回は絵画の部が8名で39作品、写真の部が6名で30作品、陶芸の部が4名で34作品、それぞれの力作を出品していた。
私は16時頃に会場に到着した。受付に私の友人で毎回作品展の案内状を送ってくれる石間さんが控えていた。再会の挨拶を済ませ芳名録に名前を記入すると、さっそく石間さんが展示されている作品の一つひとつを絵画の部から説明してくれながら観ていった。
絵画の部の最初に展示されていた西中千恵子さんの作品は前回も出品されていたが、私は日本画とばかり思っていたのだが、正確には「工筆画」という描き方とのことで、薄く輪郭線を描いたうえで淡白な色彩でグラデーションが美しい作品である。絵画には原色をこれでもかと使う派手派手の作品もあるが、私は、西中さんの作品のような淡白な作品が好きだ。作品制作過程ではグラデーションの色彩を出すために薄く塗っては乾くのを待ち、その上に塗っていくという過程を繰り返しながら濃淡を出していくという非常に手間ひまがかかる作品であり繊細な神経を使う描画方法である。
石間さんは今回も5作品を展示していた。いずれも3年前に8000m峰であるカンチェンジュンガ峰展望トレッキングでインドのダージリン地域を訪ねた時に撮影したものである。山並みの奥にカンチェンジュンガを遠望する写真もあったが、私としては、望遠レンズでモルゲンロートに輝く山頂部を切り取った「暁光に染まる」が一番良かった。私はカンチェンジュンガ峰をまだ自分の目で見てはいないのだが、険しい山肌や氷雪に凍る稜線が浮かび上がっており、朝日に輝く神々しいヒマラヤを観ることができた。
石間さんの作品「暁光に染まる」
カンチェンジュンガ峰はいくつかのピークがある東西に長い山頂部を持っているが、その最高部を写したものと思われた。山頂にかかるレンズ雲は天候が崩れていく前兆であろうが、その雲が浮かんでいることによって、雲ひとつない快晴の空よりも写真に幅を持たせていると思った。
展示されていたほかの作品では、絵画の部の古川さんの子犬の横顔を水彩で描いた「エディー」。陶芸の部では、山室さんの「仮面A・B・C」、本母さんの信楽の「花器」が目に留まった。また、絵画の部でエッチングという銅版画を加藤さんが出品されていたが、題材は4月19日から一般公開が始まった赤坂離宮迎賓館をテーマとした一連の作品群で原版も2枚展示されていた。細密画なので製作過程は結構気を遣うのだろうなぁというのが観た感想だった。
再会した飲兵衛の4人
今回の作品展には3年前のアンナプルナトレッキングに出かけた仲間のうち、酒飲みの4人が集まった。作品展をそれぞれ30分ほど鑑賞した後は美術館そばの居酒屋に場所を移しての宴会が始まった。まずはビールで再会を祝しての乾杯。その後は、「獺祭」を皮切りに次々に日本酒の銘柄を変えながら宴会は続いていった。自宅に帰ったのは23時だった。会費は割り勘で一人7000円だったが、それにしても4人はよく飲んだと思った。当然、翌日は寝不足と深酒による二日酔いだったが、主夫として朝ごはんの準備、妻を職場に送り出した後は洗濯をし、それが済めば家庭菜園の農作業に出かけたのはいつもの流れだった。