真っ白なオモダカの花が咲いていた

 

真っ白なオモダカの花が咲いていた

 

早朝バードウォッチングを続けている。登ってくる太陽を見ながら、思いっきり深呼吸をすると、身体全体に生命力が湧いてくるように感じられる。新鮮な空気の中で、真っ白い清楚なオモダカの花が咲いていた。オモダカは田んぼなどに生える水生植物で、花びら1枚の大きさは1cmほどの小さな花である。間もなく稲刈りが始まろうとする田んぼに咲いた真っ白い花は目を引くが、地味な花なので殆どの人は、その存在を知らないだろう。おせち料理にクワイの煮物があるが、同じオモダカの仲間である。

 

獲物をジッと待つアオサギ

 

 アオサギは日本に棲むサギ類で最大である。大きなグワァーという鳴き声を出す。飛んでいるときは長い首をZ型に折り畳み、脚は後ろに伸ばしたまま、ゆうゆうと大きく羽ばたく。堰堤の上や岸辺で身動きせずに獲物が姿を現すのをジッと待つ。ジッと待つ姿は野鳥の雰囲気を消し、あたかもその場所に以前からあった物体のように身じろぎしないのである。30分経過、1時間経過しても、動かずに獲物を待っている場合がある。実に辛抱強いと感じる。この時も30分ほどジッと動かずにいたが、獲物は捕えられなかった。

 

川面にカルガモの姿が目立つようになった

 

 ガァガァ鳴くカルガモの声が花見川の川面に流れる日々が多くなってきた。子育てを終えたカルガモの家族が、川面を泳ぐ姿が観られるようになったのである。多いときは14羽、15羽を数えるときもある。休憩中のように見えても、眼だけは常に周りの状況を確認している。弱い動物であるだけに、常に外敵の存在を意識するという、危機管理の基本を常に行っているのである。

 

オニヤンマの産卵

 

 オニヤンマが産卵を続けていた。トンボの産卵はオスの尻尾にメスが着き、連結しながらメスが池や流れの緩い岸辺に卵を産み落とす場合が多いのだが、このオニヤンマは単体で卵を産んでいた。ホバリングしながらリズミカルに柔らかい泥の中に尻尾の先の産卵管を差し込んで産卵しているのだった。産んだ卵が流されないようにする産卵方法である。1度の産卵で30回〜40回ほど尻を着けていた。孵化したヤゴは水中で生活し、時が来ると近くに生えている枝に攀じ登り、トンボへと脱皮し、大空へと飛び立つのである。いちど飛び立つと、決して後戻りはせずに前にだけ進むだけのトンボの飛び方となるのである。しかし、自然は実に不思議の世界である。サナギが似ても似つかぬチョウになり、水中に棲むヤゴも大飛躍してトンボに変身するのである。

 

トウガンの花とミツバチ

 

 トウガンの黄色の花が咲いていた。その花にミツバチが飛んできた。しばらく見ているとミツバチは花の中心に留まりながら蜜を吸っていた。ミツバチの足に着いた花粉がトウガンの受粉を助けるので、お互いにWIN−WINの関係が成りたっている。蔓には緑のラグビーボウルのような実が生っていた。因みにカボチャの仲間であるトウガンやユウガオの皮は、包丁の刃がたたないほど硬い。私の家庭菜園に夕顔が実をつけたが、あまりにも皮が硬いので、コンクリートに落として割ってから包丁を入れたほどで、調理にひと苦労である。

 

カメを捕らえたアオサギ

 

 アオサギが獲物を狙っていたので、何を狙っているのかしばらく見ていると、なんと獲物はカメだった。カメの足を嘴で咥えたものの、カメは硬い甲羅の中に身体を入れてしまい、アオサギは何もできなくなってしまった。その結果、アオサギはカメを諦めて、咥えていた嘴から放したのである。

 

ベンケイガニが横切る

 

 花見川沿いではベンケイガニがたくさん見られる。大きいのは甲羅が3cmもある。早朝や夕方には河川敷のサイクリングロードや遊歩道に上がってきて、我が物顔で歩きまわっている。その結果、自転車に轢かれてあえなく昇天してしまうものもいる。ベンケイガニは子どもたちにとっては大切な遊び仲間である。

 

稲穂に鈴なりになるスズメ

 

 稲穂は黄金色に実り、収穫期を迎えている。農家は天候を観ながら、あちこちの田んぼで稲刈りが始まっている。人間にとって重要な時期を迎えているが、その稲穂を食べるスズメたちにとっても同じに重要な時期なのだ。数十羽という数のスズメたちが稲穂の上に降り立っている。近くによればペチャクチャ実に騒がしいスズメたちの食事風景である。

 

アブラゼミの時期が過ぎようとしていた

 

 雨の日が多く天候が不順であった今年の夏が過ぎ去ろうとしている。桜並木で我が世の夏を謳歌していたセミたちも次々に退場している。アブラゼミの鳴き声も徐々に聞こえなくなった。今年の夏に樹に産み付けられた卵は来年に孵化し、土の中に潜って3年〜17年も地下生活をする、という。成虫になる時期が来ると早朝に地上に這い出て木に登り、背中を割って成虫となり、1週間〜1ヶ月で死んでしまう。その短い成虫の時期に、オスはメスを求めて歌うのである。セミは成虫になってからも、カラス、ハチ、クモ、ネコ、そして人間の子どもなどの外敵が多いので、生きていくのも大変である。

 

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