家族で出かけた小笠原旅行
ザトウクジラに乗って
1、母島で出会った野鳥たち
4月16日から21日の日程で小笠原諸島の母島と父島へ出かけてきました。父島は本土から南へ1000kmの距離にあり、母島は更に南へ50km離れています。父島へは東京竹芝桟橋から船で24時間の航海です。
特別天然記念物のメグロ
母島で出会った野鳥たちを紹介します。まず、国の特別天然記念物に指定されているのが母島だけに生息しているメグロです。体の色や大きさもメジロと同じくらいですが、メジロは眼の周りがシロですがメグロは名前が示すように目の周りがクロです。山の中にも家の周りでも度々見かけることのできる小鳥です。
次は国の天然記念物に指定されているアカガシラカラスバトです。この鳥は野猫などに捕食され数が減少している絶滅危惧種です。めったに見かけることは出来ない鳥で、父島では生息地域は入山禁止措置が取られていますが、運よく山の中で出会えて写真撮影に成功しました。
天然記念物のアカガシラカラスバト
私が母島で出会いたいと思っていた野鳥は、メグロとアカガシラカラスバトの2種類でしたので、両方に出会えて満足満足のバードウォッチングでした。
その他にも、キョウジシギ、イソヒヨドリ、オガサワラヒヨドリ、ハシナガウグイス、メジロなどの野鳥に出会えました。子育て中のメジロの姿は愛らしかったですね。山道には「小鳥の水場」が設置されており、水盤の中の水が枯れている場合は給水してやるように立て看板が立てられていました。
2、小笠原太鼓の演奏と南洋踊りの夕べ
母島から父島に戻ってきた夜に港の待合所で『小笠原太鼓の演奏と南洋踊りの夕べ』が催されました。
ラム酒の試飲会もありましたので、夕食後に3人で出かけました。
最初はティンパニィーのようなお椀の形をしていて内側の打つ場所で音色が異なる打楽器の演奏で、10人ほどの方が演奏しており私は初めて見る打楽器でした。
2番目は村の若衆が打つ小笠原太鼓の演奏でした。男女の若い衆はリズミカルに元気よく叩き、腹の底に響き渡る音は見事でした。
最後は南洋踊りでした。村長自らがメインボーカルを務めながら歌い、郵便局の方、観光協会の方、小学4年生などの村人が腰蓑を揺らしながら踊り、村長の指導により見物者全員が身振り手振りで踊りました。ラム酒の酔いもほんのりとまわり楽しいひと時でした。(^^♪
3、父島島内一周観光
私は45年前に初めて父島を訪れた時に民宿の自転車を借りて島内一周サイクリングに出かけました。当時は現在のように島内バスなど走っていませんし、信号機もありませんでした。島内は坂道が多く、登っては下りの連続で、1日がかりのサイクリングでした。
2年後に3度目の父島観光の時は民宿の自動車を借りて、前回同様に島内一周ドライブに出かけました。この時は私の親父と当時高校生だった姪が一緒の半日ドライブでした。
今回の小笠原観光は妻と息子との3人旅でしたが、父島で宿泊した民宿が偶然にも息子がトレーニングをしている三迫ボクシングジムの先輩で2月に結婚した小原選手の新妻の実家とのことで随分歓待されました。島内一周のための自動車も無料で貸していただきました。
小笠原海洋センターでアオウミガメへの餌やり
海岸線を南下する途中で、海亀を保護・育成している小笠原海洋センター、座礁船が望める境浦海岸、扇浦海岸、小笠原貞頼神社、無人島発見の碑、農業センターなどを訪ねながら小港海岸まで行き、折り返して山中に入り、中央山山頂展望台、初寝浦展望台、国立天文台小笠原観測局、旭平展望台、長崎展望台、三日月山ウエザーステーション展望台をループ状にぐるりと一周し、訪れた要所要所でツアーコンダクターの私が説明をしました。民宿を9時に出て途中の展望台で昼食を摂り15時に民宿に戻るコースとなりました。
残念だったことは天候がどんよりとした曇り空でしたので、小笠原の海の色と言われているボニンブルーの海が見られなかったことです。私にとっては3度目の島内一周観光でしたが、妻や息子にしては初めてのことなので小笠原の自然について十分楽しんだようでした。
45年前の小笠原観光は「父島丸」による航海は竹芝桟橋から船中2泊でしたが、現在の「おがさわら丸」では船中1泊に早まりましたが、45年前と同様に飛行場の設置要望が出ているようです。小笠原諸島が2011年に世界自然遺産に登録されましたから、今後も飛行場の建設は無理なようですが、東京都にありながらも父島まで丸1日かかる船旅でしか行けない、というところが小笠原の魅力となっていると思います。父島でも母島でも家には鍵が掛かっておらず、相変わらずのんびりしている所でした。
4、ホエールウォッチング
父島近海では秋から春にかけてマッコウクジラやザトウクジラを見ることが出来ます。鯨が潮を噴き上げる姿や泳ぐ姿は父島から母島に向かう船上からも度々目にしました。
三日月山ウエザーステーションからのホエールウォッチング
小笠原旅行に出かける前は父島観光として「南島上陸とホエールウォッチングツアー」に申込む予定でしたが、父島滞在中の2日間の天候が崩れる模様なので船による観光は中止し、三日月山ウエザーステーション展望台からのホエールウォッチングに変えました。
三日月山ウエザーステーション展望台は村から歩くと30分の高台にあります。夕日が綺麗に見える展望台としても有名です。その展望台から1時間ほどホエールウォッチングをしました。
最初は右奥に泳ぐ3頭の鯨が確認できました。おいでおいでをするように胸びれを立てた後に尾びれを高く上げて水面に落下させ水しぶきを上げます。何度も何度も同じ動作を繰り返し、楽しく遊んでいるようにも見えました。
次に見えたのは2頭の鯨でした。鯨は水面に潜っても哺乳類ですから息継ぎのために10分もすると浮き上がってきます。噴水のように激しく海水を噴き上げながら大きな体が浮かび上がってくるのが見えました。
三日月山ウエザーステーション展望台には私たちを含めて10人ほどの人がいましたが、鯨が見えるたびに歓声を挙げていました。天候が崩れ気味だったので海が荒れると予想していたのですが海面は比較的に穏やかだったので鯨の姿は比較的によく見えました。晴れた日にツアー船に乗って間近で鯨の巨体を観てみたいと思いましたが、それは次回の楽しみに取っておきました。
太平洋に沈む夕日
今回の小笠原旅行は息子の大のボクシングの試合後の静養を兼ねたものでした。母島で宿泊した民宿、父島で宿泊した民宿ともに食事もよく快適に過ごすことができ、3人ともに満足満足の旅となりました。