カワヅザクラの蜜を吸うメジロ
カワヅザクラの蜜を吸うメジロ
3月2日 土曜日 曇り
ウメの花が満開なので久しぶりに花見川沿いを花島公園までのバードウォッチングに出かけた。今回のバードウォッチングの目的は、ウメやカワヅザクラの花の蜜を吸いにくる野鳥の観察と撮影である。9時に自宅を出発するが、気温が7℃と低いので完全防寒の姿である。
キンカンを食べに集まるヒヨドリ
いつもキンカンをいただく場所に行くと、ヒヨドリが群れてキンカンを食べていた。喜びの声を挙るヒヨドリたちと一緒に、私もキンカンをポケットに詰めた。3月に入るとキンカンもそろそろ終わりの時期となるが、採る人がいないので、まだまだたくさんの実が熟している。ここのキンカンは私と野鳥しか食べないのだ。その実を頬張りながらバードウォッチングを続けた。
田んぼのあぜ道にピンクのホトケノザが一面に咲いていた
キンカンをいただく隣の畑にもバラスが運び込まれた。耕作をやめて宅地として売ったようだった。高齢化のために畑を手放す人が多いのが現実である。田んぼのあぜ道にピンクのホトケノザが一面に咲いていた。ひとつひとつは小さな花だが、集団となるとピンクの絨毯を敷いたようだった。
カワヅザクラの蜜を吸うメジロ
汐留橋から亥鼻橋まで1kmに渡って桜並木が続いているが、ソメイヨシノのなかに5本だけ早咲きのカワヅザクラがある。ソメイヨシノの蕾はまだ硬いが、カワヅザクラは花を咲かせている。亥鼻橋近くの最後の5本目を通り過ぎたところで、竹藪のなかから出てくる1羽のメジロを見た。このメジロはカワヅザクラの蜜を吸いに来たのではなかろうか?と想い20mほど戻ってみると、果たしてそのメジロは必死になって密を吸っていたのである。私の勘は当たった。
カワヅザクラの蕾を食べるヒヨドリ
メジロの観察と撮影をしばらく続けていると、今度はヒヨドリがやってきた。ヒヨドリも蜜を吸いにきたのか?と観察していると、ヒヨドリは蜜を吸うのではなく、サクラの蕾をちぎって食べ始めたのである。まだ軟らかい蕾はヒヨドリにとっては格好の餌になるようだった。当然のことにメジロは暴れん坊が来たので、一目散に飛び去って行った。太陽が時たま顔を出すだけで冷たい北風が吹いてとても寒かった。
カワエビを捕らえたカイツブリ
カイツブリは潜水の名手である、と同時に水中生物を捕獲する名手でもある。大きさは25cmほどで丸い身体をしている。今回観察していると潜るたびにカワエビを捕らえて浮き上がってくるのである。カワエビの大きさは7cm〜8cmほどだろうか。
カンヒザクラの蜜を吸うヒヨドリ
亥鼻橋から神場公園までの間に20本ほどのカワヅザクラが咲いている。そのなかに1本だけカンヒザクラがある。カワヅザクラよりも一層赤味を増した花が咲いている。ヒヨドリがやってきて嘴を花に差し込んで蜜を一心に吸っている。1羽が去ると他の1羽がやってきて、同じように蜜を吸っている。サクラの花は上を向かずに下を向いて咲くので、蜜を吸うためには枝をしっかり掴んでぶら下がり、首を反転させてアクロバチックな形で吸わなければ蜜を吸うことができない。必死になって蜜を吸う姿が暴れん坊の可愛い姿と言えるだろう。
ネコヤナギの花が咲くと春である
ネコヤナギの花が咲きだした。子どものころはネコヤナギの花穂を「 ちんころ」と言った。灰色の丸くて細長い蕾から白く小さな花が咲きだしたのだ。この花が咲くと春である。
林床で餌を探していたキジバト
3羽のキジバトが林のなかで落ち葉を剥がしながら、落ち葉の下に潜む虫や木の実を食べていた。3羽は家族なのだろう。こちらが近づいても気にせずに一心不乱に食べていた。ずいぶんお腹を空かせているようだった。
遊具広場で遊ぶ子どもと見守る家族
12時に花島公園遊具広場に着いた。ここには5本の白梅が花を咲かせており、野鳥が蜜を吸いに来るかは分からないが、30分ほど待機することにした。2本のウメの花はすでに盛りを過ぎており、残り3本が満開だった。なかなか太陽は雲に隠れて顔を出してこないが、家族連れが次々にやってきて、子どもたちが遊具で遊んでいた。30分ほど待機してみたが野鳥はやってこなかった。
撒き餌を食べにきたアオジのオス
花島公園芝生広場の奥の野鳥観察場所に着いたのは12時50分だった。そこでも30分ほど待機することにした。観察場所の岩の上にアワの実が撒かれており、すぐにアオジのオス1羽とメス2羽がやってきた。私が座っているベンチから10mほどの距離だった。
撒き餌を食べにきたアオジのメス
観察場所のすぐ近くのサザンカの茂みにヒヨドリが1羽たむろしていて、なかなかその茂みから離れようとはしなかった。ヒヨドリが居座っていれば、小さな野鳥たちが餌場にやってくることはない。30mほど離れたところで音楽をかけながら体操をしていた女性が去ると静かな時が流れていた。アワの実が置かれてある岩の上で1羽のアオジのメスがじっと佇み動こうとはしなかった。気温が低いのでアオジは福来雀のように羽毛を膨らませていた。
カワヅザクラの蜜を吸うメジロ
林床で餌を探していたシロハラが、体の大きなキジバトに追われていた。ここでも体の大きなものが幅を利かせている。野鳥観察場所に30分ほど待機して出会ったのは、アオジ、キジバト、シロハラの3種類で、ルリビタキは姿を現さなかった。場所を上部の芝生広場に移した。芝生広場には見事なカワヅザクラが咲いていた。そのカワヅザクラにヒヨドリとメジロが蜜を吸いに来ていた。3人のカメラマンが望遠レンズでメジロを狙ってシャッターを押していた。
狩りに失敗したカワセミ
カワセミが水面を見下ろしながら獲物の小魚を探していた。しばらくするとズボッという水音がしたのでカワセミに眼を戻すと、カワセミが獲物めがけて水中に突っ込んだのだった。水中から飛び出してきたカワセミの嘴には獲物の姿はなかった。狩りに失敗したのだった。そのあとしばらく観察していたが、首を上下に動かすだけで再び水中めがけて飛び込むことはなかった。
2年前、ロシアのウクライナ侵攻が始まった
親水公園のウメの花を見に行った。少しピンクがかった花が満開だった。2年前の2月24日、親水公園のウメの花の蜜を吸うメジロを撮影していた時に、ロシアによるウクライナ侵攻のニュースが流れてきたのだった。ロシアはとんでもないことをやりだしたと思った。あれから2年の月日がながれたが、ロシアのウクライナ侵攻の終結は見通せない状態が続いている。30分ほど待ったがメジロはやってこなかった。
さえずるセグロセキレイ
ウメの木の下でメジロ待っている途中で現れたのはセグロセキレイだった。セキレイ類は川の流れのそばに棲んでいる野鳥で、上流部にキセキレイ、中流部にセグロセキレイ、下流部にハクセキレイと棲み分けている。花見川沿いにはキセキレイ、セグロセキレイ、ハクセキレイの3種類が棲んでいるが、やはり一番多く出会うのはハクセキレイで、キセキレイとセグロセキレイには殆ど出会うことがない。今回はセグロセキレイに出会えたのでラッキーだった。15時で今回のバードウォッチングを終えた。
ツバキの実を獲物と間違えたツグミ
今回の6時間のバードウォッチングで出会った野鳥は、ヒヨドリ、ムクドリ、ドバト、ハクセキレイ、ツグミ、ハシブトガラス、オオバン、コガモ、キンクロハジロ、ホシハジロ、ハシボソガラス、スズメ、カワウ、カワセミ、カイツブリ、カルガモ、アオジ、シジュウカラ、バン、アオサギ、キジバト、メジロ、コジュケイ、シロハラ、セグロセキレイの25種類だった。