大きく羽ばたくミサゴに出会った
大きく飛翔するミサゴ
10月20日 木曜日 快晴
久しぶりの快晴である。船橋三番瀬のバードウォッチングに出かけた。今日の船橋港の最大干潮時刻は7時22分となっていた。三番瀬に着いたのは8時20分を回っていた。いつものように草はらにザックを置いたあと、比較的にシギ・チドリ類が集まっている東防波堤側から野鳥観察と撮影に入った。干潟には貝掘りをしている人が5人、バードウォッチャーは4人いた。
片脚立ちしながら休んでいるダイゼン
ハマシギの20羽ほどの群れの中に9羽のダイゼンが休憩していた。多くの水鳥は休憩する時は座ってしまうか、片脚で立っているかのどちらかである。片脚で立っているのはバランス的にも難しいと思うのだが、水鳥たちは簡単そうに片脚で立っている。ダイゼンも片脚で休憩していたのだが、私が近づいていくと、そのまま片脚でケンケンしながら私から遠ざかっていく。両足で歩いた方が楽で早いと思うのだが、片脚でケンケンする姿は滑稽であった。
船橋三番瀬から望む富士山
富士山が青い姿で登場していた。富士山をバックにハマシギが餌を探しているところを撮った。その側にはダイゼンがおり、遠くからミヤコドリの甲高い鳴き声が聞こえてきていた。今日は快晴なのでとても気持ちがいい。9時の段階でバードウォッチャーは5人である。やがてゴムボートを持った人たちがやってきた。海はベタ凪なのでボートは気持ちよく滑るだろう。オレンジ色の旗を付けた4隻のボートは漕ぎ出していった。きっと楽しめるだろう。
干潟の忍者シロチドリ
シロチドリがいた。シロチドリは潮干狩りの人が掘った穴の中に隠れていて、その穴から干潟をじっと眺めている。小さなコメツキガニなどの底生生物が干潟に姿を現した途端、素早く穴から飛び出て獲物めがけてまっしぐら。頭の良い捕獲戦法である。それはあたかも忍者が物陰に隠れて敵を倒す時に似ている。
餌を探すミヤコドリ
9時半を過ぎると潮が徐々に満ちてきた。潮の満ちるスピードは想ったよりも早い。潮が満ちてくるのに一生懸命貝掘りをしていて分からずにいると、干潟に取り残され、その結果、亡くなる事例も多い。今年もこの船橋三番瀬で2人が亡くなられている。今日はミヤコドリが群れておらず、2、3羽、多くても5羽ぐらいの群れだ。単独で行動しているものも多く見受けられた。30mほどまで近づくのが限界で、常にこちらの動きを見ながらキュウィキュウィキュウィという甲高い警戒音を出しながら餌を探していた。
ミヤコドリの群れと降り立つカモメ
東堤防側の撮影を終えて西堤防側に移っていくと、100羽ほどミヤコドリの群れが餌を探していた。いつも西堤防側でミヤコドリは餌を探している。船橋三番瀬は東西1kmという狭い干潟なのだが、その干潟の中でも鳥の種類によって餌場が分かれているのも面白いことである。ミヤコドリに混じってカモメの姿も5、6羽確認できた。
ミサゴの飛翔
2人のバードウォッチャーが空を見上げていた。私も空を見上げてみると、鷹の仲間のミサゴが翼を広げ、円をかきながら上昇気流を捉えていた。下から見あげると白く細長い翼の紋様が目につく。上空に高く舞い上がっていくには、ロケットのように一直線で上っていくことは出来ず、上昇気流を捉えながら、あたかも螺旋階段を上っていくように円を描きながら徐々に上っていくのである。ミサゴは魚を食べる水辺の鷹である。
野外授業の子どもたち
今日も野外授業で三番瀬に棲む底生生物を学習している小学生のグループがあった。赤い帽子と白い帽子をかぶっているので、前回出会った小学生と同じぐらいの学年だと思われた。観察が終わると先生が言った。「捕まえた生き物は、この水たまりの中に全部放してください」と。子どもたちは捕まえた生き物を水の中に放していた。白い帽子のグループは帰っていったが、赤い帽子のグループは30分ほど残って学習館のスタッフの話を聞いていた。
餌を探すオオソリハシシギ
ハマシギの群れの中にオオソリハシギが餌を探していた。潮はますます満ちて来ていた。その上げ潮に乗って小魚がぴょんぴょんジャンプしているのが見えた。ダイサギたちはどこかへ行ってしまった。ハマシギは波打ち際で盛んに餌を探している。小さなピヨピヨピヨという鳴き声と共に餌を探し続けていた。
ミユビシギ(前)とハマシギ(後)
ミユビシギの大きさはハマシギと同じくらいだが、白くてぽっちゃりしている。通常、鳥の指は前に3本、後ろに1本、合わせて4本なのだが、ミユビシギは3本しかないために、その名がつけられた。白くてぽっちゃりした可愛い野鳥である。ミユビシギはハマシギと一緒に群れていることが多いが、ハマシギの体型は細っそりして少し茶色がかっておりミユビシギとは見分けがつく。
コメツキガニを捉えたハマシギ
随分潮が満ちてきたので12時に撮影を終えた。8時30分から12時までの3時間30分の撮影だった。すでにバードウォッチャーは私だけで、他はすべて帰った。草はらに戻って、雲ひとつなく晴れ上がった青空のもとで1時間ほど宴会をした。富士山は薄く消えかかっていた。
飛び立つミヤコドリ
今日出会った野鳥は、モズ、ヒヨドリ、ドバト、ダイゼン、ハマシギ、ダイサギ、ミヤコドリ、シロチドリ、アオサギ、ソリハシシギ、オオソリハシシギ、カモメ、ミサゴ、ハシボソガラス、ハクセキレイ、ミユビシギの16種類だった。これから冬鳥も徐々に増えていくだろう。