『未来予想図』
〜ア・イ・シ・テ・ルのサイン〜
キャンパス内の慶太とさやか
私の職場はJR線「さいたま新都心」駅から歩いて4分の近距離に位置している。駅の反対側に「MOVIXさいたま」という今流行の集合映画館ある。職場から歩いて7〜8分である。そのような環境なので毎週1本の映画を見るようにしている。仕事は18時に終わるので18時20分頃から上映開始される映画を選んで勧賞することになる。映画を観終わり帰宅すると23時頃となる。その日は酒を飲まないので1週間に1日の禁酒日が出き、結果的に身体にも好影響を与えているようだ。
最近1ヶ月で見た映画は『未来予想図』『北極のナヌー』『ALWAYS続三丁目の夕日』『ヘアスプレー』という映画である。その中で『未来予想図』について感想を書いてみよう。
映画のあらすじは次のようになっている。大学生の「慶太」と「さやか」は学園祭の自主映画制作スタッフに結婚式の新郎新婦役に強引に引きずり込まれて出会う。その後、偶然キャンパス内での再会。二人は夢を語りあい、お互いを理解しあいながら恋人同士に。卒業記念に慶太が尊敬するスペインの偉大なる建築家・ガウディの教会建築物を見に出かけ、10年後に再び二人でスペインの地に来ることを約束しあう。やがて大学を卒業し慶太は建築設計事務所に就職。さやかは編集者希望だったが希望通りに就職できず印刷会社のOL生活。さやかは気分の乗らない印刷会社を辞め、やっとのことで雑誌編集者の卵になる。そのような中、慶太に帰国日未定でスペインへの出張が命ぜられる。
さやかと別れたくないためにスペイン出張を断ろうとする慶太の心を見抜き、慶太の夢を壊さないように、さやかは心にもなく慶太とは最初から結婚のことなど考えていない、と突っぱね結婚指輪をポケットに忍ばせていた慶太に背を向けて去ってしまう。・・・涙が出できたねぇ。心と反対のことを言いながらの別れはつらいねぇ。・・・慶太は失意を胸にスペインへ赴任。やがて月日は流れ、さやかは母親が倒れたことを契機にもう一度自分自身を見つめ直し、学生時代に慶太と訪れたスペインの工房や教会の建築現場を訪れるが、慶太は結婚したと勘違いし失意の心で帰国する。
さやかは若者に人気があるが取材拒否を重ねる頑固な花火技師のインタビューに成功する。その記事をまとめあげ花火技師が精魂込めて製作した「恋の叶う花火」の打上げの夜にスペインから慶太が帰国し、さやかと劇的な再会を果たす。二人でスペインを訪れてから10年の歳月が流れようとしていた。ア・イ・シ・テ・ル・・・のサインと共に、今度こそ自分を見つめ相手を見つめ成長した二人の新たな出発が訪れた。ハッピー、ハッピー、メデタシ、メデタシ。
『未来予想図』が純愛映画ということでは、竹之内豊がイタリアのフィレンツェを舞台に主演した『冷静と情熱のあいだ』に似ているなぁという感想だ。自分の夢に向かって突き進むことと、愛している人が自分の存在がブレーキとなって夢を断念しようとしたときに、愛しているからこそ自分から身を引いて相手の夢を実現させようと思う気持ちが複雑に混ざり合って、別れたくないけれど別れざるを得ない。そのことが心のしこりとなり、その後の人生に影のようについて回っているが、お互いを思う気持ちは深く続いており、劇的に再会するクライマックスで頂点に達する。お互いの心が固く結ばれていることを確認した二人は新たな道に歩みだしていく。
映画を観ていて感動した場面が2ヶ所あった。1番目はさやかが心に思っている「アイシテル」という気持ちと正反対の行動を取った別れのシーン。2番目は二人が再会を果たす花火の夜のシーン。この2つの場面に感動したねぇ。最初のシーンは悲しい場面だけれど、最後のシーンは嬉しい場面で映画もハッピーエンドだったから映画を見終わったあとも心の中は暖かだった。映画はハッピーエンドの方が良いね。
記憶に残った言葉は「大事なことって、ちゃんと言えるチャンスが少ないんです」っていう言葉だね。夫婦間、親子間、恋人間、友達間、あらゆる人間関係において、大事なことをキチンと伝えるタイミングって割と少なく、あの時に言っておけばよかった、などとあとから後悔することが多いんだよ。映画自体は若者のラブストーリーだけれど、その中で描かれているのは、「夢」「希望」「恋愛」「親子」「友達」「仕事」・・・であり、これらの問題は若者だけの問題ではなく、あらゆるひとの問題であり、自分の周りの人間関係を改めて考えさせるものだと思う。「大事なことって、ちゃんと言えるチャンスが少ないんです」っていう言葉を大切にしていきたいと思う。