メジロの食事

 

白いバックグラウンドの前に立っている鳥

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食事中のメジロ

 

今年は例年になく寒い日が多いのだが、2月の中旬を過ぎると寒さも徐々に緩み、ウメのほのかな香りが漂い、サクラの蕾も膨らみ赤茶色に変わってきている。花見川沿いを花島公園までの往復10kmのバードウォッチングに出かけた。バードウォッチングに出るたびにキンカンをいただく畑の隣は耕作放棄地なので、ヨシが伸び放題である。ヨシはすでに枯れているのだが、そのヨシのなかで黄緑色の小さな野鳥が動いていた。双眼鏡で確認すると小さな野鳥はメジロだった。

 

木の枝に座っている鳥

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ヨシの皮を剝ぎながらのメジロの食事

 

何をしているのか確認すると、ヨシの茎に止まりながら、葉の付け根のところを嘴でむしり、中に産み付けてある平たい卵のようなものを食べていたのである。何かの昆虫の卵だろうか。冬は餌が少ないためにヨシの中に産み付けてある卵や、孵化した小さな虫を食べていたのである。ヨシの茎の皮を剥がして確認してみると、卵は薄茶色でコロッケのような形をしており、2〜3mmの大きさで10個ほどが密集していた。幼虫は薄黄色で大きさは2〜3mmで手に取ると、もぞもぞ動き出した。初めて見たメジロの食事風景だった。

 

木の枝に止まっている鳥

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ツバキに群がり蜜を吸うメジロたち

 

東小学校交差点を降りた所に白いツバキの花が咲いていた。そこにチーチーチーという小さな鳴き声とともにメジロが5、6羽飛んできた。メジロの目的はツバキの蜜を吸うことである。ツバキの花は終末期に入っているのだが、メジロにとっては大切な甘い蜜なのだろう。メジロは逆さになるなどのアクロバティックな動きをしながら必死に蜜を吸っている。同じ小さな野鳥でもコゲラ、シジュウカラ、メジロなどはアクロバティックな動作をするが、スズメなどはあまり見かけない。採餌方法に違いがあるからだ。スズメは主に地上に落ちている稲穂や草の実を食べるが、メジロやコゲラなどは樹上で虫などを食べるからである。

 

白いバックグラウンドの前に立っている鳥

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ツバキの蜜を吸うメジロ

 

メジロの舌はストローのように筒形をしており、先端は箒のようにボサボサしているのだが、花芯に舌を突っ込んで蜜を吸うため外からは見えない。また、体重が10gと軽いためにツバキの花などに爪を立てて掴まりながら密を吸うこともできるのだ。やはりメジロはヨシに産み付けた卵や孵化した虫を食べる姿よりも、花の蜜を吸う姿が写真になる。もう少しの辛抱でウメやサクラなどの花が咲き、メジロたちも甘い蜜をたくさん吸うことができるだろう。頑張れ!メジロたち。

 

木の枝に止まっている鳥

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ヨシ原のなかのオオジュリンの雄

 

 今の時季はヨシ原の中でメジロをたびたび見かけるのだが、メジロに混じってオオジュリンの雄がいた。オオジュリンには北海道を「日本縦断てくてく一人旅」で歩いていた時に、子育て中のペアに出会ったことがあった。私がたまたま巣の近くを通ったようで、けたたましい警戒音を出しながら私を睨んでいたことを思い出した。夏羽と冬羽は全く違うので、最初はオオジュリンとは分からなかったが、自宅に戻って調べた結果で判明した。メジロと同じようにヨシの葉が出る部分を嘴でほじくりながら、茎と皮の間に潜んでいる幼虫や卵を探していた。ヨシ原のなかで動く野鳥の写真に撮るのはとても難しい。理由はヨシが邪魔をして、野鳥にピントを合わせるのがひと苦労なのである。

 

水の中にいる鳥

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マガモの羽づくろい

 

マガモのつがいが水面に浮かんでいた。マガモを花見川で見るのは久しぶりだった。マガモの雄は伊達男だ。黄色の嘴と緑に輝く頭と首。首にも黄色のリングが目立つ。雌は灰色一色で実に地味である。雄は水あびをしたあとは嘴を使いながら大切な羽を丁寧に羽づくろいをしていた。カモ類は主に夜に活動するので、昼間は水面に浮かんで首を翼の中に入れて寝ていることが多い。赤茶色い頭のホシハジロや白黒ツートーンカラーのキンクロハジロがそばで寝ていた。しばらくするとカイツブリが1羽やってきた。隣ではカルガモが盛んに羽ばたきながら水あびをしていた。

 

草の上にいる鳥

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廃棄野菜の中で餌を探すムクドリ

 

ムクドリが廃棄された野菜に群がって食事中だった。ムクドリは雑食性である。ギャーギャーギャーギャー鳴き声をあげながら、時には隣で食事中のものと喧嘩しながら野菜を食べていた。「餌を見つけたぞ〜」とでも叫んでいるのだろうか。鳴き声を聞いて次々に仲間が飛んできた。10羽ぐらいいただろうか。とにかくうるさく鳴き叫ぶ鳥である。私が育った群馬ではムクドリのことを鳴き声から「ギャーギャー」という名前で呼んでいた。

 

草の上にいる鳥

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餌を探すキジバト

 

キジバトが水辺の草を分けながら餌を探していた。首の水色と黒の縞模様と翼の茶色の鱗模様が目立つ。キジバトは家族単位で生活しているため、1羽でいることはあまりないのだが、家族とはぐれてしまったのだろうか。1羽だけで草の実を探しながら歩いていた。その横ではオオバンが水あびをし、バンが水草を啄んでいた。

 

草の上にいる鳥

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餌を探すツグミ

 

 農作放棄地で餌を探している冬鳥のツグミがいた。ツグミは渡ってきたばかりのころは樹上で木の実などを食べているが、慣れてくると地上に降りて餌を探すようになる。野鳥の歩き方には両脚でピョンピョン跳ねながら移動していくタイプと、右脚と左脚を交互に出して歩きながら移動していくタイプがある。スズメなどは両脚でピョンピョン跳ねながら移動するタイプだが、ツグミやハトは右脚と左脚を交互に出して移動していくタイプである。ちなみにカラスの仲間は両方の歩き方ができる。

 

屋外, 水, 草, ボート が含まれている画像

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標準貫入試験資料の採掘作業が行われていた

 

花見川の3ヶ所でボーリング調査が行われていた。調査目的を見ると「標準貫入試験資料の採掘」だという。各地層にパイプを打ち込んで地中の土を引き抜き、その深さごとの土の資料を集める作業だが、軟弱地盤の場所に鉄パイプで櫓を組んで採掘機械を設置し、作業をするのもなかなか大変のように思われた。調査責任者として千葉県職員がいたので内容を訊ねると、護岸工事をどのような施工方法でやるかを検討中で、その基礎資料となる地層構造について3箇所でボーリング調査をしており、得られた土壌を分析し、これからの施工方法を検討していくことになる、とのことだった。突然の質問にも丁寧に答えてくれた責任者は20代と思われた。頑張れ若人!

 

今回の野鳥観察で出会ったのは、ヒヨドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ツグミ、メジロ、キジバト、キンクロハジロ、オオバン、オカヨシガモ、カルガモ、モズ、カワウ、アオサギ、マガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、スズメ、カワラバト、シジュウカラ、ウグイス、カシラダカ、ムクドリ、バン、チュウサギ、ハクセキレイ、ハシビロガモ、コガモ、シロハラ、クロジの29種類だった。

 

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