丸のみが得意です

 

貝を食事中のホシハジロ

 

 1月25日 晴れ

 真っ赤な眼と茶色の頭をしたホシハジロの雄が潜水を繰り返していた。水に潜って貝を探しての食事中だった。運よく二枚貝を探し当て、嘴で挟んで水面に浮上すると、そのまま貝を飲み込んでしまった。胃の中の砂嚢で硬い貝を砕くようだが、ずいぶん丈夫な胃だと思う。私もピスタチオを殻ごと食べ、鳥や豚の軟骨をバリバリ食べるが、胃もきっと丈夫なのだろう。名前がイワイなので「胃はいい」って親父ギャクだなぁ。

 

縄張りを見回るモズの雄

 

 年が明けると繁殖のためにモズの雄によるテリトリー(縄張り)の宣言を意味する高鳴きが聞こえてくる。キィーキィーキィー、キキキィという鳴き声というよりも叫びである。3月ころから高鳴きではなく囀りとなり、高く美しい声でメスを獲得しようと一生懸命になる。めでたくカップルとなると繁殖に入る。モズの「はやにえ」というバッタやトカゲなどを木の枝やバラ線に刺した保存食を見ることがあるが、はやにえはモズの雄にとっては大切な蛋白源であり大きく美しい囀りのもととなる。はやにえを雌に貢いで食い逃げされるのはモズの世界でも起こるが、同じようなことが人間界でも起こることがある。

 

メジロの眼は意外と鋭い

 

 自宅の前の空き地が藪となっている。10年ほど前までは地主が1年に1度か2度は草刈りをしていた。理由は分からないが草刈りをしなくなったため、今では草木が伸び放題である。この藪こそが野鳥にとっては絶好の住処となっている。庭木の枝にミカンなどを刺しておくと、10分もしないうちにメジロがやってくる。私が見ていてもおかまいなくミカンを貪り食べている。今の時期になると食べ物が欠乏し、メジロにとっては大変なごちそうなのだろう。2羽でやって来ると、1羽がしばらく食べたあと、交代して食べていたのには驚いた。食べ物を仲良く分けているようだった。一見優しそうに見えるメジロだが、アップにしてみると目は意外と鋭いのだ。

 

キンクロハジロの雄の髪型は寝起きのようだ

 

 キンクロハジロがゆったりと水面に浮かんでいた。キンクロハジロは冬鳥として幕張にやってくる。雄は白黒のツートンカラーなので、とても目立ちやすい。雌は灰色から焦げ茶である。目は黄色くて小さく、雄の頭は寝起きしたばかりのようにボサボサで、後ろに垂れ下がる冠羽が特徴である。 群れていることが多く、水に潜って貝や小魚を食べるが、昼間はのんびり寝ていることが多い。

 

腹がへった! 木の葉っぱを食べるヒヨドリ

 

 テレビ東京系で輸入雑貨商の主人公が、商談終了後に訪れた町の食堂に入って飯を食べる『孤独のグルメ』という番組がある。その主人公の台詞に「腹がへった〜」というのを契機に食堂を探し始めるが、野鳥たちも腹がへった〜、と思いつつ食べ物を探しているのだろうか。冬の時季、果実は消え、昆虫も消え、野鳥たちの食べ物が無くなっている。乱暴者のヒヨドリが木の葉っぱ何枚も何枚も食べていた。木の葉っぱで飢えをしのいでいるようだ。私との距離は3mほどだったが、私の存在を無視するように一心不乱に食べていた。野鳥たちは生きるのに必死である。

 

クロネコ・ヤマト

 

 私のバードウォッチングコースに、右耳に傷を持つ黒猫がいて、私はクロネコ・ヤマトと名付けている。もちろんノラだが、定期的にキャットフードを与えている人たちがいるので、自分のテリトリーに居ついている。右耳はナイフで切られたような鋭角な傷なので、猫同士のケンカにしてはおかしい気がする。捨てられる前の飼い主に、虐待されていたのではなかろうか。近寄っていくと直ぐに逃げる。人にはなつかないようだ。身体も大きくなく、どのような過程を経てノラになったのだろうか。人には人生があるが、猫には猫生があるのだろうか。

 

ユリカモメの舞い

 

 ユリカモメが舞っていた。ユリカモメはカモメの仲間では1番小さなカモメである。群れでいるときが多く、1羽が飛び立つと他も次々に飛び立つ場合が多い。ユリカモメは幕張に冬鳥としてやって来る。写真は逆光で撮ったために黒く写っているが、嘴と脚は赤く、白いカモメである。

 

セグロカモメ(奥)とユリカモメ(手前)

 

 ユリカモメの群れを見ていると、その中に1羽のセグロカモメが混じっていた。セグロカモメは大型のカモメである。黄色の嘴の下側に赤い斑点があるのが特徴である。この赤い斑点は子育てをするとき、雛が赤い斑点をつつくと餌を催促した合図となり、親鳥は胃袋に蓄えてきた餌の小魚を吐き出して雛に与えるのである。セグロカモメはカラスくらいの大きさで、ユリカモメと並んでいると、それぞれの大きさが分かる。セグロカモメもユリカモメも冬鳥として幕張にやってくる。

 

風を捕えたウインドサーフィン

 

 空は快晴だったが西風が強く、検見川の浜に三角波がたっていた。絶好のウインドサーフィン日和だった。稲毛ヨットハーバーの隣から風を捕えたウインドサーフィンが次々に出ていった。帆で風を捕えるとサーフボードが浮き上がり、波を蹴立てて進むさまは水中翼船のようで、遠くから観ていても気持ちの良いものだ。

 

雪化粧した富士山

 

 なかなか雪化粧しなかった富士山だが、1月中旬の寒波でようやく本来の冬の姿を見せてくれた。幕張の浜から望む富士山は、丹沢山塊の向こうに5合目より上を出して聳え立っている。風が強い日は靄を吹き飛ばしてくれるので堂々たる富士の姿を見ることができる。

 

戻る