第56回 幕張地区文化祭
K2 平出さんと中島さんを悼む
K2 平出和也さんと中島健郎さんを悼む
10月19日 土曜日 曇りのち晴れ
幕張公民館を使って活動しているグループが、毎年秋に行っている『幕張地区文化祭』が10月19日、20日に開催された。今年は56回目の文化祭だった。開催に向けて2回の全体会議を開き、前々日と前日には会場設定を行い、開催当日を迎えたのだった。1日目の開会式は9時20分から2階の講堂において行われ3人が挨拶した。1番目に実行委員長の竹内さん。2番目に公民館館長。3番目に5丁目町内会会長。3人とも安全で怪我のないように文化祭を楽しんでください、とのことだった。
寺島さんの作品「絆」
9時30分から展示の部がスタートした。私たち水墨画同好会の作品は2階の講習室に展示された。今回は4人の会員の1人が入院中のため、3人の作品展示だった。若干少ないが合わせて10作品を展示した。水墨画を描き始めて30年を超える寺島さんは3作品の展示。1つめは掛け軸で鷹と松を描いた「狙う」。2つ目は「雪原の狐」という獲物を探す狐。3番目は「絆」という年を重ねた夫婦が談笑している姿。寺島さんが描く絵はいつもほっこりさせてくれる。
野中さんの作品「静寂」
野中さんは88歳で水墨画歴は20年のベテランである。3作品を展示し、1つ目は5合目から上に雪をまとった「富士」。2つ目は「静寂」。鐘楼を描いたのだが鐘が吊るされていなかった。釣鐘がないのは戦時中に銅の供出にあって、そのままなのだろう。3つ目は「牡丹」。寺島さんも野中さんも墨絵だけを描き、墨絵に色を加えて墨彩画にすることはない。
バルトロ氷河の夕焼け
私は4作品を展示した。そのうちの3作品はパキスタンのバルトロ氷河を遡ってコンコルディアまで行った時のものだ。1つ目はバルトロ氷河から望んだ夕焼けのマッシャーブルム。2つ目は夕焼けのK2。今年の7月27日にK2の未踏の西壁を登っていた世界的な登山家である平出和也さんと中島健朗さんが7500m付近から滑落死した。ふたりはNHK−BSなどの山番組に度々出演していたので、映像を通して馴染みの登山家だった。そのふたりへの鎮魂を込めて描いた。3つ目は同じパルト氷河で出会うムスターグ・タワーである。中国とパキスタンの国境にそびえる孤高の峰を描いた。4つ目は今年5月にクマゲラを探しに出かけた最果ての利尻島に聳える利尻山である。
2日間、文化祭説明員をしていた
見学者にバルトロ氷河トレッキング状況を説明すると、特に受けたのが食料肉のためにヤギ2頭を連れていって、途中の川岸で絞めてその肉を食べた話をすると、初めて聞いた人がほとんどだった。スーツにネクタイ、手には扇子を持った紳士がやってきて、「今は亡くなった親父が幕張水墨画同好会の会員でした。当時の親父が描いた絵が今も家に飾ってあり、一度でいいから文化祭を見に行ってと言われていたけれど、なかなか来る機会がなくて初めて見にきました」という方もいたので10枚展示してある作品の説明をした。公民館での練習日を書いたチラシを渡して、興味があれば練習日に覗きに来てください、と伝えた。その方は神田外国語大学の生徒と親しく話をされていたので、大学教授のようだった。
金谷さんの「コロの散歩」
同じ講習室に入っている『あすなろ会』は16枚の絵を展示していた。会の代表の脇田さんは2枚の絵を展示していた。「バラ3種」というピンクと黄色と紫のバラを描いたボタニカルアートのものと、「秋の夜長」というランプと赤ワインと静物を描いたものだった。展示されている16枚のなかで私が興味を持ったのは2点で、1点目は秋山さんが描いた「益子焼」は、益子焼きの質感が出ている丁寧な絵だと感じた。2点目は金谷さんの散歩をする小犬を描いた「コロの散歩」で、淡い水彩が子犬の表情とも相まって素晴らしいと感じた。
安藤さんの「屋根まで飛んで」
同じく講習室に入っている『幕張カメラサークル』は24枚の写真を展示していた。そのなかで印象に残ったのは、金子さんの「花菖蒲園」という実籾本郷公園に咲くショウブを撮ったもの、安藤さんの日光戦場ヶ原の草紅葉を撮った「枯秋」。それに安藤さんの子どもがシャボン玉を吹いている「屋根まで飛んで」という3点だった。
木工クラブで1500円のスマホ置台を買った
多目的室では、『木工クラブ』『組紐クラブ』『墨彩会』『千葉友の会』の4つのグループが展示していた。墨彩会の作品のなかでは、和田さんの「わんぱくっ子 土鈴」、九城さんの「両手に花」、そして墨彩会代表の宍倉さんの「トビウオ」の3点が目に着いた。
組紐クラブは展示即売を行っていたが、いずれも1つ2500円くらいだった。ひとつの作品を編み上げるまでに相当の時間がかかるのだろうが、少し高い値段のように感じた。
木工クラブも展示販売を行っており、1500円のスマホ置物、2000円のペーパー入れ物、300円の竹製しゃべる、などが売られていた。私は1枚の板からスマホ置物を作る過程が展示されていたので興味深く眺めた。完成された3作品のなかから、ネコの足形のものを買い求めた。自宅で使っているが将棋の中継を見るにはなかなか便利である。
ふみの会の絵手紙コーナーは100枚が展示されていた
第2会議室では、ふたつの『書道クラブ』と『ふみの会』の作品が並んでいた。
『書道クラブ』で展示されていた作品は、いずれも達筆すぎるので何が書いてあるのか分からなかったが、横の書き下ろし文を読むと大体の意味は分かった。
『ふみの会』の絵手紙コーナーには約100枚が展示されていた。描かれた題材は自由で、アンパンマンの絵もあった。作者が自分の好きなものを素直に書いている感じがした。なかには描くのではなくアジサイの花びらを、そのまま貼り付けたものもあった。発想が自由である。
妻は女性コーラスで5曲を歌った
10時から講堂でグループの発表が始まった。発表する種目は、大正琴、気功体操、舞踊、カラオケ、女性コーラス、フラダンス、ヒップホップダンス、ウクレレ演奏、ハンドベル演奏、日舞、よさこい、など様々に分かれていて、1日目は13団体が発表した。そのなかで5番目に発表したのが『レディス クァイア』という女性コーラスである。この女性コーラスのなかで私の妻が14人の仲間とともに歌った。5曲を歌ったが、家で「コンピューターおばあちゃん」の練習をしていたので、曲が耳に残っていた。一緒に聴いていた水墨画の仲間は「歌自体が高いレベルで、素人ではちょっと入れないレベル」という印象を語った。
美味しかった「太巻料理クラブ」の祭りずし
調理室では前日から『太巻料理クラブ』の祭りずし(バラの花、花椿の2個入り)の準備が進んでおり、400円の前売り予約券100枚は販売開始30分で完売となり、私は予約券を買えなかったので、当日売り分で家族分の3ケースを買ったのだった。
第1会議室は『ガールスカウト』が担当する喫茶室となり、1杯150円のカップコーヒーを買うと、手作りケースに入ったチョコレートがサービスで付いてくるのだった。バンダナを頭に巻き、エプロン姿の小学生たちがキビキビ動いていた。私も一杯注文すると水墨画展示室まで運んでくれたのだった。
和室では『幕張中学校茶道部』の生徒が「お茶席」を設けてお茶のサービスをしていた。
テラスでは『ラグラスの会』がサクラソウ、パンジー、ハボタン、ビオラなどの花の苗の即売会を行っており好評だった。
工作室では食事をしながら、大型テレビに映し出される講堂での各クラブの発表を、ライブ中継で観ることができるのだった。
子どもたちのヒップホップダンス
午後一番から始まったのは、ヒップホップダンスで保育園の子どもたちの元気なダンス。その子どもたちの踊りを録画するために、お父さんやお母さんが会場に入ってきたので、会場は溢れ出すように満杯だった。こういう年少時からダンスに慣れ親しんでいれば、成長した時にも感覚的に体が動いていくのだろう。テレビなどで若いグループが男女を問わずにダンスを披露しているが、小さい時からダンスを学ぶことにより体が覚えていくのだろう。
ウクレレ演奏と歌
ウクレレ演奏と歌の『アロハフレンド』は、男性はアロハシャツ、女性はムームーを着て演奏と歌を披露していたが、アロハとは関係ない「サン・トワ・マミー」や加山雄三の「お嫁においで」などを歌っていた。会場は満杯だったので、「幸せなら手をたたこう」などは、会場の人たちが合いの手を入れながら実に賑やかだった。
激しい踊りの『CHIよREN北天魁』
1日目のフィナーレは、『CHIよREN北天魁』で、演目は「よさこい鳴子踊りを通じたまちづくり」というもので、神田外国語大学の学生たちが中心になったよさこい踊りを披露した。35分の持ち時間の最初と最後に自分たちの激しい踊りを演じ、なかではコントを演じながら、「ふるさと」や「七つのカラスの子」などの唱歌が歌われ、スライドを映しながら100年間の歴史を振り返り、これからの未来に向かってより良い町を作っていこう、というメッセージが送られた。毎年トリをとるのが『CHIよREN北天魁』のよさこい踊りである。見ている全員に元気を与えてくれると思った。2日目も講堂では13グループの発表があった。