日本で一番早くオープンする大雪山系黒岳スキー場
スキーはいいなぁ
大雪山系黒岳スキー場
北海道で1番早くオープンするスキー場は大雪山系黒岳スキー場である。例年11月中旬にオープンしている。場所は北海道中央に位置する上川町の層雲峡温泉にある。阪急交通社企画の2009年11月10日〜2010年1月19日までの限定ツアー「層雲峡温泉 のんびり湯治5日間」というのをインターネットで見つけたので11月の3連休に出かけてみた。
私は層雲峡を訪れるのは初めてである。3万年前に大雪山の中心部で大きな噴火があり、大量の火砕流が東側に流出して台地を形成した。この台地を石狩川が浸食したのが層雲峡である。柱状節理と呼ばれる柱状に切り立った岩壁が石狩川の両側にそそりたち約24kmの断崖絶壁が続く。柱状節理として有名なのは石川県の東尋坊海岸であるが層雲峡の眺めも見事なものである。柱状節理の成り立ちを層雲峡ビジターセンターの解説ビデオで知ったが火山の爆発と地層形成というのは実にダイナミックだということを改めて感じる。
黒岳スキー場は小さなスキー場だった。今シーズンは積雪量が少なくオープンが2週間ほど遅れたと地元テレビニュースが伝えていた。ペアリフト1本でコース長1100mの距離だったが初滑りでは十分だった。リフトの開始が9時30分。それに合わせてロープウェイで山麓駅からスキー場へ上っていくわけだが、ロープウェイとリフト合わせての1日券は3700円であり他のスキー場と比較しても妥当な料金と思われる。終了は15時20分である。他のスキー場に比べると早めな終わりだが、14時過ぎになるとスキー場の背後に聳えている黒岳でゲレンデが太陽から隠れて日陰となり雪面が凍ってくることとも関係していると思われた。
黒岳駅
ゲレンデには2コースがある。一つはリフト下のコースであり、もう一つは林間コースである。比較的なだらかな初級中級コースであり足慣らし的なコースといえよう。地元の農林高校スキー部の合宿が行われていた。中学生と思われるグループもスラロームの練習を行っていた。また、地元山岳部の冬山研修として参加者一人ひとりがGPS機能付きの無線機を携帯し、断熱マットやプラスティックスコップをザックに括り付けロープウェイに乗り込んだり、ゲレンデ横でカンジキを履いている登山者も見受けられた。
2日目は吹雪のためスキーは中止。3日目は快晴のため絶好調で滑り、4日目は雪が舞う中を14時まで滑っていた。4日目は足の筋肉が前日の疲れのためにパンパンに張ってしまい思うように動かない状態であったが無理をせずに楽しむように滑った。リフトは待ちなしで乗れるため休憩なしで滑ることができる。午前中に7本、午後7本というペースで初滑りとしては満足のいく滑りだった。
霞む黒岳
宿泊している「ホテル大雪」から徒歩で氷結している流星の滝(雄滝)と銀河の滝(雌滝)という双瀑を見に行った。双瀑布は層雲峡温泉街から距離にして2kmの位置にあるが雪道を歩いていくと結構遠くに感じられた。最初に現れたのは流星の滝だった。流れ落ちる水は想像していたように氷柱となって私の前に登場した。次に現れたのが銀河の滝である。二つの滝は不動岩という聳え立つ岩塊の左右から流れ落ちる形で存在している。銀河の滝のほうが流星の滝に比べて遥かに大きく豪快な姿を見せている。普通は二つ滝が並んでいる場合は大きいほうが雄滝、小さいほうが雌滝と名づけられるが、ここの二つの滝は反対であった。大きいほうが雌滝、小さい滝が雄滝と名づけられている。滝を命名した由縁を調べてみるのも面白いかもしれない。二つの滝を歩道から見上げていたが、徒歩で20分登れば双瀑の滝展望台が設置されているという案内板があった。さっそく雪道の階段を登って行った。20分というのは大間違いで5分ほど登ったところに展望台があった。そこからは左右に並んだ「銀河」「流星」の二つの滝が遠望できた。氷結した見事な滝である。
氷結する双瀑(銀河、流星)
昼間はスキーで楽しみ、朝晩は温泉に浸かって雪見酒というのも悪くない。4泊5日で航空機、バス、ホテル代、食事代、全て含めて29800円は掘り出し物の料金設定である。この時期、温泉場には観光客が集まらないとはいえダンピング料金もここまでくるとどこまでが正規料金なのか首を傾げてしまう。尤も利用する立場としては安料金で利用できるのだから文句を言う筋ではないのだが、航空会社のJALや旅行会社の阪急交通社やホテル大雪、あるいはバス会社の富良野交通の懐具合を心配してしまう。来年も同じツアーがあるならば是非とも出かけてみたいと思っている。今回のツアーは3連休を含んでいたため参加者が多くバス2台で80人であった。