君の頭はリーゼント
リーゼントが決まっているカシラダカ
1月18日 晴れ
カシラダカが田んぼのあぜ道にいるのが見えた。カシラダカは日本には冬に渡ってくる鳥で、土地が開け田んぼや畑が広がる場所で見られる。群馬に住んでいたころは冬になると必ず見ていた野鳥だったが、幕張で見るのは初めてだった。頭の上の羽がリーゼントのように立ち上がっているのでカシラダカという名前が付いている。草の実を探しているようだった。群れからはぐれたのか1羽だけだった。
クコの実を咥えるモズの雄
モズの雄がクコの実を咥えていた。モズは春から秋までは昆虫やカエルやトカゲなどを食べているが、冬になるとそれらの生物がいなくなるので、クコの実なども食べるようだ。初めて見る光景だった。子どものころモズを飼ったことがあった。モズを飼っていた鳥小屋にスズメを入れたら、一瞬でスズメに飛びかかり、スズメの首を食いちぎり、頭だけを食べてしまった。アッという間の出来事だった。本当にビックリしたが、猛禽類の凄さを感じた。
ただいま食事中のムクドリ
霜が降りた草はらで20羽ほどのムクドリの群れが必死になって餌を探していた。ムクドリも秋から冬の季節は群れになって生活しているが、秋の果実の実を食べつくすと落穂や草の実、あるいは田起こしの後に土の中から掘り返された虫などを食べる。廃棄された野菜類の葉はもちろんだが、畑の青物などを食べているのにも出会う。彼ら彼女たちは生きるために必死になって毎日毎日食べ物を探す。
イソシギが舞い上がった
潮が引いた干潟をイソシギが歩いていた。しばらく見ていると身体が浸るほどの浅瀬で水あびを始めた。最初は尾羽を洗い、次に頭を水中に突っ込んで洗い、次が身体を斜めに震わせながら翼を洗う順だった。それを何回か繰り返していた。イソシギもそうだが水辺に棲む鳥であっても水あびをする場面に度々出会う。水あびを終えると身体を振って水切りをし、次は羽繕いをするのが一般的なパターンである。
防波堤でカレイを狙う釣り人
防波堤で2人の釣り人が9本の竿を出して投げ釣りをしていた。気温が低く、完全防寒対策の釣り人に、何が釣れているのか尋ねてみた。カレイを狙っている、との答えが返ってきた。どのぐらいの大きさが釣れるのか、再度尋ねてみると、40cm級が釣れる、と答えた。びっくり!大きなカレイが東京湾の一番奥までやってきているようだ。釣り人は防波堤への立ち入り禁止の柵が設置されている間際で釣っていた。釣り人の心理として、少しでも沖に近づきたいのだ。立ち入り禁止の柵は新しい柵に変更する工事中だった。ときたま柵を乗り越えて防波堤の突端まで行く釣り人の姿を見かける。
スマートな姿のビンズイ
枯れ草がカムフラージュしていて姿が確認しづらかったが、ヒバリよりも少し大きな野鳥の姿を見つけた。ビンズイではないかと判断し写真を撮った。私の勘は当たった。ビンズイは幕張には冬にやってくる。背筋をピンと伸ばし、尾羽を上下に振りながら歩いていた。小さな声でチチィと鳴きながら飛び去った。セキレイの仲間である。
テトラポットの上で休むオナガガモのつがい(手前がオス)
花見川が東京湾に流れ込む河口の右側が幕張の浜で左側が検見川の浜である。ともに埋め立て地であり、人工の白い砂浜が拡がっている。その砂浜を護る意味からテトラポットが置かれ、防波堤が何本も造られている。そのテトラポットの上にオナガガモのつがいが休んでいた。オスの尾は長い。波間を漂う姿は長い尾を水面から浮かせているので、姿を見つけやすいカモである。
ハジロカイツブリ
検見川の浜を訪れると赤い目をしたハジロカイツブリが1羽波間に浮かんでいた。顔から首にかけて白いのが特徴で幕張には冬鳥として渡ってくる。水に潜って小魚などを捕えるが、私が見ていた30分間では1度も水に潜らず水面に浮いていた。
コガモは一番小さなカモである
コガモは日本に渡ってくるカモ類の中で一番小さなカモである。オスの大きさは神社やお寺で見かけるハトよりも少し大きいくらいである。写真に写っているのはオスで、茶色の頭に目のところに緑の線が入っており、結構派手な顔つきで歌舞伎役者のようでもある。メスは全体的に灰色や褐色の色合いで地味である。メスはオスより小さくハトくらいである。幕張ではたくさん見ることができる。
波静かな検見川の浜
土日祝日になると隣の稲毛ヨットハーバーからのヨットやウインドサーフィンで賑わう検見川の浜も平日は実にのんびりした光景である。バードウォッチャーが望遠鏡や双眼鏡でカモ類を眺め、写真を撮っている。私もそのなかのひとりである。幕張の浜に比べて検見川の浜のほうが防波堤の形の関係で波が起こりづらく静かな浜辺となっている。
海を眺めながらのお昼ごはん
お昼ご飯である。最近の私のお供は、お気に入りのフランスのシャモニーで買ってきた6オンススキットル。ボリビアのウユニで買ってきたショットグラス。幕張中学校の柿で作った干し柿。サラミソーセージとバナナとミカン。ナイフは肥後守。海を見ながらの一杯である。「スコッチをすこっち」などという親父ギャクを浮かべながら穏やかな1時間が過ぎていった。